翼をください

読んだ本

原田マハさんの『翼をください』を読みました。
原田さんの小説は『リボルバー』以来です。

リボルバー
原田マハさんの『リボルバー』を読みました。原田さんの小説は『<あの絵>のまえで』以来です。 『リボルバー』はずっと読みたいと思っていたので、今回読むことができて本当に良かったです。前情報はほとんど持っていませんでした。表紙の『ひまわり』とタ...

まったくなんの前知識もなく読み始めて、内容に本当にびっくり。そして、あとがきを読んで実際にあった話だと知り本当に本当にびっくり。もちろん、登場人物などには原田さんの創作が入っていますが、事実に基づいた話だったようで…。まったく、まったく知りませんでした。
表紙も、話の内容を知ったあとに見れば理由はわかるんですが、青い空と海なのでなんなら青春小説かな、と。まぁ、青春小説といえばそうなのかもしれませんが。

暁星新聞に勤める青山翔子は創立135周年記念企画で主筆の岡林へのインタビュアーに抜擢されました。すばらしい名誉に震えながら行われたインタビューの最後で、祥子は岡林から「君、記者をやめなさい」と言われてしまいます。自分の主張に相手を引っ張り込もうとするスタイルに対しての苦言でした。記者をそんな簡単にやめたくない祥子は、岡林の談話の中で『社史に残る人物』として出てきた『山田順平』という人物について調べ始めました。彼の名は後日資料に当たってみても出てこなかったのです。「山田順平の資料は、GHQ の検閲に引っかかって廃棄された可能性がある」と知り、『検閲に引っ掛かりそうな資料』という観点から暁星新聞のニッポン号世界一周の資料をあたり、ようやく山田順平の名を見つけました。
山田順平は暁星新聞のカメラマンで、世界で初めて世界一周を成し遂げた『ニッポン号』に随行していました。彼の映ったニッポン号の写真には、不自然な塗りつぶしがありました。加工を施して判明した塗りつぶしの部分には、黒髪で彫りの深い少年のような人物が写っていました。謎の少年についての記事はどこを探しても見つかりませんでしたが、写真の山田順平の襟元にある小さなネームプレートに『Amy.E』との文字を見つけました。
第二次世界大戦の少し前、『エイミー・イーグルウィング』という女性が世界一周に挑戦して、達成目前にして失踪してしまったという事件がありました。この『少年』はエイミーなのだろうか? なぜここにいるのだろうか? 様々な疑問が浮かびます。
その後の調査を経て、翔子は山田の現在の居場所を突き止め、彼に会うためにアメリカのカンザスシティへ向かいました。老人となった山田順平の口から語られたのは、ニッポン号世界一周の一部始終と誰にも明かされなかった秘密でした。

主筆というのは新聞社のとっても偉い人のようです。社長とイコールの場合もあり、そうでない場合もある? 銀行の『頭取』みたいなイメージでいいのかな。
この『暁星新聞』で起こったニッポン号の話は、実際には毎日新聞での話だそうで、このニッポン号は一旦海軍に返還されたあと、再び毎日新聞が『暁星』という名に改めて使用していたとのこと。そこから名前を取ったんでしょうかね。
それにしても、まさか世界初の世界一周を成し遂げたのが日本だったとはまったく知りませんでした。それこそ GHQ によって消されてしまったんでしょうか。
作中のエイミーは『アメリア・イアハート』という実在する人物をモデルにしているそうです。Wikipedia を読んでみると、細かい人間模様は違いますが、失踪しているという事実や日本軍が関与しているかも知れないという疑惑など、なるほどと思わせるような内容でした。小説家ってやっぱりすごいなぁ。
作中の『少年』と乗組員たちの絆には何度も涙しました。

しかし、初っ端に翔子さんは社長(主筆)さんから「記者をやめなさい」なーんて言われてしまうんですが、そんなこと言われたら泣きながら辞める自信があります。豆腐メンタルなので…。そこからこの物語の最後まで持っていけるくらいハードなメンタルを持っていないと、やっぱり記者なんて大変な仕事はできなさそうですねー。すごい。

『翼をください』はとっても有名な合唱曲ですね。とてもステキな歌詞・メロディだと思います。
図らずも最近『Dr.STONE reboot:百夜』をちょうど読み返したんですが、そこでもリリアンがソユーズ号のメンバーを励ますために歌っていました。いい歌は時代も国境も越えますね。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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