森見登美彦さんの『四畳半神話大系』を読みました。
森見さんの小説は初めてです。
『四畳半神話大系』はかなり前にノイタミナでアニメやってたなー
くらいの前知識しかないで読みました。
…めちゃくちゃおもしろかったです…。
なにこれ…。
文体が古臭いと言うか、妙にしゃっちょこばっているというか、
すごくクセになります。
第一話から最終話まで4つ分の話が入っているんですが、
はじめは分からなかったんですがすべて並行世界なんですね。
大学に入学してからどのサークルに所属したかで
ルートが分岐しています。
どのルートにいっても、とりあえず『小津』という悪友に振り回され
同じアパートに住む『樋口氏』の厄介事に巻き込まれ、
蛾が大量発生して後輩の『明石さん』に襲いかかり、
それがきっかけで彼女と恋仲になる、という感じで終わります。
…明石さんと本当に恋仲になってるの?
語りが自分だから都合のいいようにまとめているだけなのかと
疑ってるんですが…。
更に、各話の冒頭や最後やところどころが
同じ文章になっているんです。
はじめは「また同じ説明してる…」と思っていても、
次第に「また来るぞ」と思ってニヤニヤしてしまいます。
『夜道で会えば、十人中八人が妖怪と間違う。
残りの二人は妖怪である。』と
『帰ってきてみれば、滴り落ちた水が貴重な書籍類を
猥褻非猥褻の隔てなくふやけさせていた』
という2文が特にお気に入りです。
10人中2人は妖怪なんですよ、京都は。恐ろしや。
しかし、各話に登場する4つのサークルなんですが、
第2話は樋口氏に弟子入り、まだこれはいいんです(いいのか?)
第1話の映画サークルは『みそぎ』。みそぎって…。
第3話のソフトボールサークルは『ほんわか』。ほんわかって…。
第4話の秘密組織は『福猫飯店』。秘密組織って…福猫飯店って…。
すごいネーミングセンスですよね…。
京大ってこんな感じなんですか…?
学力的にも地域的にもターゲットに定めたことが一度もないので
私には全く情報がありません。
癖の多そうな人がたくさんいそうなイメージはありますが。
それぞれ単独で存在している各話のはずなのに、
最終話でほんのり繋がりがわかるのが、これまた面白い。
アニメは1クール11話とか12話とかだからどうやったのかなーと思って
Wikipedia で見てみたら、なんかサークルが増えてる…。
しかも、どれも原作の雰囲気を損ねないような感じでうまく増やしてる。
プロの仕事ですね…!
今度見てみようと思います。
いやー、本当にクセになる感じで、読んでよかったです。
『四畳半タイムマシンブルース』も購入済みなので、楽しみます。
コメント