ハサミ男

読んだ本

殊能将之さんの『ハサミ男』を読みました。
殊能さんの小説は初めてです。

この本、『ミステリーランキング』とかのページでよく見ていたので、楽しみにしながら読みました。Amazon のレビューにも「騙された」とか「なんとか見抜けた」とかいろいろ書いてあったので、「騙されないぞ!」と意気込んで読んだんですが…読み始めからそんなことは普通に忘れていて、そしてちゃーんと騙されていました。はい。あー、びっくりした。
読み終えて、そのままもう1度読みました。さすがに直後に再読したので内容はほぼ100%覚えていて、今度は『ちゃんと正しく』想像しながら読みました。そうすることで、「なるほど、妙に服のブランドに詳しかったわけだ」とか「確かにまぁ、そんなに警戒されないよな」とか、いろいろ腑に落ちる部分がありました。いやー、おもしろかった!

世間で『ハサミ男』と呼ばれる連続殺人鬼が2人目の犠牲者を殺害してから半年以上が過ぎていました。『ハサミ男』は次のターゲットを決め、その少女・樽宮由紀子のことを尾行したり周辺を調べたりし、彼女を手に掛ける瞬間を狙っていました。
ある日、いつも通り由紀子を監視しようと彼女のマンションで待っていたものの、20時を過ぎても彼女は一向に帰ってきません。不審に思い、最寄り駅までの道を歩いていたところ、途中にある公園の物陰で殺害された由紀子の姿を目撃しました。しかも、首元にはハサミが突き刺さっています。この手口は、自分『ハサミ男』が2番目の少女を殺害したときの状況と同じです。由紀子を殺害した犯人は、この犯行を『ハサミ男』の仕業にしようとしている、そう感じて『ハサミ男』は手持ちのハサミを由紀子の遺体の側に投げ捨てました。
もう一人の主人公である磯部巡査は、科捜研所属で『犯罪心理分析官』という役職についている堀之内警視正の手足となって現場を捜査するよう指示されました。現場に落ちていた2丁のハサミは、メーカーや型番は同じものの、よく観察するとその『研ぎ具合』が微妙に異なっていました。
由紀子の周囲を調べると、彼女はただの『恵まれた過程で育った良家の子女』ではないことが判明します。金銭目的ではないものの、彼女は不特定多数の男性と性行為を伴う交際をしていたようです。
由紀子の遺体のそばから発見されたもう1丁のハサミは、彼女の喉元に刺さっていたものとメーカーや型番は同じものの、その研ぎ具合は微妙に異なるものでした。そしてなんと、刺さっていなかった方、つまり傍らに落ちていた方のハサミの研ぎ方が、2番目の犠牲者に刺さっていたハサミと一致したのでした。
これまでの様々な捜査から、警察は『目撃者の男性』が『ハサミ男』なのではないか、との結論に達します…。

物語が始まるとすでに2人も犠牲者が出たあとだし、『ハサミ男』はしょっちゅう自殺しようとするし、それはことごとく失敗するし。自殺に失敗すると、『医師』と呼ばれる人格が出てきて説教を始めるし。他人の自分に対する『評価』と自分自身のそれがぜんぜん違うし。なんだかチグハグな感じのする人だなーと思ったら…まんまと騙されていましたとさ。いやー、発覚したシーンでは「へ!?」と声を出してしまいましたよ。
まー、金田一少年の『怪盗紳士の殺人』も以前読んだ『連続殺人鬼カエル男』も、まー騙されてますからね。『カエル男』はちょっといろいろ複雑でしたし、ある程度知ってて読んでいましたけど。

連続殺人鬼カエル男
中山七里さんの『連続殺人鬼カエル男』を読みました。 前回読んだ『嗤う淑女 二人』で有働さゆりとという女性が出てきたんですが、彼女がそうなってしまった原因が書かれているのがこの本です。 というわけで、今回は犯人が誰なのかわかっている状態での読...

ラストがまた秀逸だなと思いました。逃げてーって感じで。
せっかく『ハサミ男』的に大団円で終われたというのに…もはや完全にビョーキですね…。さて、この先どうなるのやら…? 別の手段で行うのか、それともガマンするのか…。ガマンできないような気もしますけどねー。

『ハサミ男』というタイトルから、私と同じくらいの年代の人であれば『クロックタワー』というゲームを思い出す人もいるかと思います。私もまっさきにそれを思い出しました。私はホラーゲーは全然だめなんですが、クロックタワーは体験版持ってたんですよね…当時『プレプレ』というプレステのファンクラブ? に入っていて、年に4回以上 CD-ROM のゲームソフトが送られてくるんですが、その中に体験版として入っていたんです。怖かったのを覚えています。
ゲームとの関連性は全然ないんですが、本書の中にもクロックタワーと思われるゲームに触れられている部分があって、それがなんだか嬉しかったです。

また、本書の最後に『『知ってるつもり!?』が放送終了したことが驚いた』というようなことが書いてあったのも、なんだか親近感を覚えましたね~。私もあの番組よく見ていたのでね。

羆嵐
吉村昭さんの『羆嵐(くまあらし)』を読みました。『三毛別羆事件』という、日本史上最悪の獣害を元に書かれた小説です。 きっかけは『呪術廻戦』です。最近アニメが始まったのがフックになって、既刊のマンガを全部読み直しました。(よくやるんです…)で...

この『ハサミ男』、なんと映画化されているようで。豊川悦司・麻生久美子主演だったそうです。どうやって映像化したんだろう…? 気になる。FPS みたいな視点だったとか…? Amazon Prime Video にも Google TV にもなかったので見ることができませんでした。Netflix とかにはあるのかなー? 今のところ入る気がないので調べていませんが…。

作者の殊能将之さんは、残念ながら2013年にお亡くなりになられているようです。そして、この『ハサミ男』がデビュー作だとか。すごい。
他にも面白そうな本がたくさんあるので、機会があったら読んでみようと思います。

[AD]ハサミ男
さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
読んだ本
さちこをフォローする
hibikaizen

コメント

タイトルとURLをコピーしました