綾辻行人さんの『Another 下』を読みました。
先日の『Another 上』の続刊です。
上巻の終わりが、まーある意味区切りがそれなりにいいので、仮にここで終わりだったとしてもまぁおかしくはないかな、という感じだったんですよね。
なので、もう1巻分で何をするのかと思ったら…。
やっぱりこの下巻がないと話が『ちゃんと』終わらなかったですね。
いやいやすごい。
まさか、という展開でした…。
まったく、まったく疑っていなかったので、本当にびっくりしました。
下巻開始後、比較的すぐに、2人目の『<いないもの>』は意味をなさないということがわかってしまいました。
で、その制度自体がなし崩し的になくなってしまいました。
もちろん、恒一くんと鳴にとっては良かったんですけど…。
新しくクラス委員長になった赤沢さんが…まじでイラッとしたわ、何なのあいつ。
なーにが「謝罪を」だよー!
鳴は悪くないでしょうが!
対策係だったおまえ(赤沢)が学校休んで恒一くんに説明しなかったのが悪い!
そもそも、学校の先生方がもっと積極的に原因究明に動かないのも悪いし、何ならこの県(?)の教育委員会とか、そっちのほうが悪いわ!
…まぁ、結局赤沢さんもかわいそうなことになってしまったから、なんとなく苛立ちは霧消してしまいましたけど…。
にしても、隠されていた『メッセージ』で対処法がわかったのは良かったんですが、結局合宿自体が大惨事になってしまって。
これは、誰がどんな風に責任を取らされるんでしょうか…?
千曳先生とか…?
最初に『<いないもの>』について聞いたとき、「一人ずつ尾行でも何でもして、家とかを突き止めて監視すれば、なんとかなるんでは…?」なんて思ってみたんですが。
蓋を開けてみて正体がわかって、そんな小細工じゃどうにもならなかったということがわかりましたね…。
ここいら一帯の人の記憶とか記録とかが全部改ざんされちゃうというのは、本当のことだったんですね…。
当事者である恒一くんが、一番驚いたでしょうね。
にしても、鳴がもうちょっと早く『<いないもの>』について教えてくれていれば、もうちょっと被害の規模が小さかったかもしれないな、とは正直思います。
あとは、『今年』は鳴がクラスにいたから確信を持ってラストのようなことができましたが、他の年だったら鳴みたいな子はいないわけですから、『メッセージ』のような偶然を待つしかないんですかね…。
いやー、本当に呪われてるわー…。
あとは、最後の最後のとき、「本当は鳴なんじゃ…」と思ってしまって、誰を信じていいかわからなくなってしまいました。
あのときはゾワッとしましたねー。
いやー、すごい話でした。
全体的に『超常現象』的なことばかり起きていた話でしたが、ちゃんとミステリー要素もあってとても満足でした。
「ホラーっぽいから」となんだかためらっていたのがもったいなかったな、とすら思います。
ついでに、続刊の『Another エピソード S』も買ってしまいましたし、その次の『Another 2001』も読みたいなと思っています。
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