黒牢城

読んだ本

米澤穂信さんの『黒牢城』を読みました。
米澤さんの小説は『可燃物』以来です。

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10代の頃、父に勧められて、なにか時代小説っぽいものを読んだんですが…あまり合わなくて。
なんか、すぐに「妖怪の仕業」「もののけの所業」「怨念のせい」みたいなところに帰結させるので、なんだかなーって白けてしまうというか。
それ以来、ほとんど読んでいませんでした。
でも、米澤さんの小説だし、この作品で直木賞を受賞されたというのもあり、更に「ミステリーっぽい」という噂も聞いていたので、読んでみました。
確かにとってもミステリーっぽかったし、若干信仰の話にはなりましたが『見えざる力』みたいな話題はほとんどなくて、とてもおもしろかったです。
ただ、私は歴史も苦手なので、この時代のこととかまったく詳しくなくて。
なので、普通の人よりは楽しめなかったかもしれませんが…それでも十分楽しかったですね。

大きく4つの章に分かれていて、それぞれの章に1つずつ謎が存在していました。
そもそも、私もさすがに名前は知ってる黒田官兵衛が、荒木村重という人を説得しに行って、そこで捕らえられて投獄されてしまいました。
黒田官兵衛って、大河で岡田くんがやっていた人ですよね。
逆をいうと、その程度の知識しかないってことです…。
荒木村重に至ってははじめましてでした。
…まぁ、そんなはずはないような気もするので、忘れているだけだと思います。
要するに、このレベルだということをご承知おきください。

織田信長は、黒田官兵衛が帰ってこないから寝返ったんだと理解して、黒田官兵衛の息子を殺させたようです。
それを恨みに思った黒田官兵衛は密かに復讐を誓いました。
一方の荒木村重は、自分の城の中には頭が切れる人間がいなくて、何か謎が出てきてしまった時に黒田官兵衛にの牢屋のところまで会いに行く、ということを繰り返していました。
安楽椅子探偵ってことなんでしょうか?
黒田官兵衛は荒木村重から話だけ聞いて、彼にヒントを与えるみたいな感じで物語が進んでいました。
怖い映画が見られないので見たことないんですが、『羊たちの沈黙』みたいな感じなんでしょうか?

荒木村重のもとで起きた事件は、黒田官兵衛の助力で解決の向かっていきました。
最後の最後で大きな仕掛けを発動させました。
それは実を結んだのか、結ばなかったのか、微妙なラインではありましたね。
なんとなくですが、『金田一少年の事件簿』の地獄の傀儡師・高遠遙一を思い出していました。

そして、本当に一番最後で、実は息子が死んでなかったって…。
それは、史実として実際にそうだったらしくて。
知らなかったので(恥)「生きててよかった」とボロ泣きしてしまいました。

しかし、戦国時代って、今とは本当常識がまったく違っていて…。
何と言うか、人の命がすごく軽いという感じでした。
「明日生きてることも信じられない」みたいな。
今の世の中だって、災害とか事故とかである意味そうではありますが、それよりもずっと明日が信じられないような状態ですね。
それはそれはもう、毎日がストレスフルな状態だったんだろうなぁと。
…現代に生まれてきて良かった…。

村重の奥さんは、まぁこの時代の女性らしいというか。
多分その中でもかなり高潔な精神を持っていたんでしょうね。
女性が生きづらい時代だっただろうし、その中で高潔に生きようとしたらとても大変だったんでしょうね。
…まさかそんなに暗躍してると思っていませんでしたが…。

正直、話はまー難しかったですよ、私にとっては。
なんせ、歴史的背景がほぼわからないので。
人名もあまり覚えられなかったですねー。
でも、おもしろかったです。
食わず嫌いはいけない…のかも?
きっかけをいただけてありがたかったです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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