横溝正史さんの『迷路の花嫁』を読みました。
横溝さんの小説は『毒の矢』以来です。

今回は長編1本です。
久しぶりに金田一さんが完全に脇役なお話でした。
『八つ墓村』や『夜歩く』、『三つ首塔』のような感じです。



今回の主人公・松原浩三という男性も、金田一さんのような『ちょっと人を食ったような飄々とした感じ』の男性でした。
金田一さんもそうですが、実はとても情に厚くて、みんなからも愛されるキャラクターでしたね…。
初登場のときはまさに「何だこいつ」状態でしたから、こんな大活躍できる人だとは思っておらず、いい意味で裏切られた感じが凄くあります。
ただ、最後の結末が『アレ』だったから…、再登場は望めないですね…。
かなり残念です。
今回は、その最後こそ残念ではあったものの、なんというか…かなり「スカッ」とする復讐譚だったと思いました。
たくさんの人を苦しめている男・建部多門。
松原さんは、その多門から何人もの人たちを救い出し、いろいろ世話を焼き、生活を整えてあげて、様々な橋渡しをしてきました。
その人達みんなから深く深く感謝され、慕われていたにもかかわらず。
あと少しで松原さん自分自身の復讐も終わらせることができ、幸せになれるところだったのに。
…まぁ、物語としては最高に盛り上がる展開ではあるんですけどね。
やっぱりこの結末は悲しかったです。
今回、金田一さんは正直あまり活躍していなかったな…という感じではありました(笑)。
まぁ、その方がいいと思うし、たまにはこういう話があってもいいかな、とも思いました。
犯人を暴いたり殺人の謎を解く『ザ・ミステリー小説』という感じではなく、いろんな人間物語を見せられているような感じでした。
『いざり』という言葉が出てきました。
雰囲気から予想はしていましたが、「足が不自由な人」のことで、現在では差別的ニュアンスがあるため使わない傾向にあるとのこと。
本当に、勉強になります…。
タイトルの『迷路の花嫁』、最初はまさに『花嫁』である滝川恭子だけを指しているのかと思いましたが、どうなんでしょうね。
今回出てきた女性たちは、基本的に全員迷路の中でさまよっている感じでした。
逃げたいのに逃げられない、本当につらそうな人ばかり。
多門という男の狡猾さ、残酷さが際立っていました。
現代でもこんな感じで、「逃げたくても逃げられない」という、「詰んだ」状況にいる人はいるんだろうな。
松原さんのような人がたくさんいればいいんですけどね…。
Kindle Unlimited で読みました。
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