横溝正史さんの『貸しボート十三号』を読みました。
横溝さんの小説は『スペードの女王』以来です。

今回は3つの話が入っていました。
ただ、最初の1つは再登場です。
1つ目は、その『湖泥』。
これは、以前読んだ『人面瘡』の中にも掲載されていた話でした。

多分同じ話だと思うので、読まなくても良かったんですけど、なんかついつい読んでしまいました。
改めて読んで、まぁなんというか、前回とほぼ同じ感想でした(笑)。
犯人が『あの人物』だというのが、やっぱり意外で。
『そういう人物』は『ふり』を疑わなければいけないんだなーと改めて思った次第です。
『金田一少年の事件簿』の『飛騨からくり屋敷殺人事件』の巽隼人くん的な感じですかね。
まぁ、こんだけ憎しみの『舞台』が揃っているにもかかわらず、犯行の動機がそっちだった、というのが、やっぱりおもしろいというか意外というか。
2つ目は表題作『貸しボート十三号』。
これは、思わぬところで熱い友情の物語を読んだなぁという感想です。
タイトルで「どんな話なんだろう」とずっと思っていたんですよね。
今回読めてよかったです。
普通に「ちょっと大きな池などに置いてある貸出ボートのお話」かと思いきや、大学のボート部まで絡んできて、なかなか大きな捕り物になってしまいました。
そもそも元凶は、某省の課長・大木氏なのかな、と。
彼が野放図な生活をしなければ、細君も変な気を起こさなかったのかな、と思ってしまいました。
…まぁ、そうとも限らないかもしれませんが。
誘惑されてしまった大学生、かわいそうではあるかもしれないですけど、なんとか我慢すべきだったんじゃないかなーと。
もうすぐ結婚する予定だったわけなんだからねぇ。
二体の死体があって、両方とも首がほぼチョン切られそうになっていて。
でも、片方は刺されて死んでるのに、片方は首を絞められて死んでいる。
そんなちょっと不思議なズレがあって、その真相が…なるほどこういう形で出てくるのか、と。
私自身、中高とずっと部活をやっていたので、一緒に体を動かして合宿や遠征したりする部員たちとは、今は全然会わないですけど、不思議な連帯感は確かにありました。
今でもたまに思い出したりします。
一番大事な思い出の一つとしてしまってある、というヤツかもしれません。
だから、運動部でこうやって寝食をともにして暮らしている人たちだったら、こういう熱い友情・家族のような友情で結ばれていたとしても、おかしくないなと思いました。
だからこそ、その部員の一員として、不用意な行動は慎んでもらいたかったな、と思います。
せっかく素敵なフィアンセがいたのに。
こんなことになってしまって、いろんな人の人生を破壊してしまったわけで、なんだかなぁ…と。
前途有望な若者であるにも関わらず、もったいなかったな、と思ってしまいました。
3つ目は『堕ちたる天女』。
「石膏像に死体が塗りこめられていた話」でした。
以前読んだ『悪魔の寵児』では蝋人形でしたが…。

それこそ『ジャック・ザ・リッパー』じゃないですけど、こういう人たちばっかり狙われてしまってかわいそうだなと思ってしまいます。
あと、今回の目撃者は、中学生というとても多感で難しい精神状態の時期に、こんな嫌なものを見せられてしまってかわいそうでした。
今回の目玉としては、金田一さんの良きパートナーである等々力警部と磯川警部が一堂に会する、というところでしょうか。
ただ、せっかく集まってくれたのに、何だかちょっと尻切れトンボな感じ…。
意外とあっさりと終わってしまったのは残念でした。
『似たような事件』が以前岡山であった、というのが、金田一さんたちにとってはラッキーだったんでしょうし、犯人たちにとっては不幸だったんでしょうね。
Kindle Unlimited で読みました。
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