科学的根拠(エビデンス)で子育て

読んだ本

中室牧子さんの『科学的根拠(エビデンス)で子育て』を読みました。
中室さんの本は『「学力」の経済学』以来です。

以前読んだ『「学力」の経済学』がおもしろかったので、著者さんつながりで買った本です。
その『「学力」の経済学』のときにちょっと気になっていたのが『マシュマロテスト』『マシュマロ実験』のことでした。
本書の中ではちゃんとその話が書いてあったので、私の記憶違いでないのがわかってホッとしました。
というか、『「学力」の経済学』が発売された2015年には、まだ『マシュマロテスト』の追跡の実験が行われていなかった、と知ってびっくり。
2018年だったそうです、最近の話だったんだなーと。

最初の方で『子どもたちが将来しっかり稼ぐ力を身に付けられるよう、3つの方法をご提案します。それは、(1)スポーツをする、(2)リーダーになる、(3)非認知能力を高める、という3つです』とありました。
うちの息子、この春から中1になったんですが、しょっぱなからダメじゃん…と思ってしまいました…。
運動部どころか部活そのものに、結局入らなかったようで…。
まさか、自分の息子が運動部に入らない世界線があったとは…と悲しかったんですけど、別にいいです。
でもまぁ、その3つが将来役に立ちそうだなというのは何となく肌感覚で分かります。
自分はスポーツをガッツリやっていたので、やっぱりスポーツをやることで身につく力は『体力』や『筋力』だけじゃないな、と本当に思います。
「あのきつかった練習を思い浮かべれば、大抵のことはたいしたことない」と思えてしまいますし、ハードルなんて最初からできる人はいない種目だから『成長マインドセット』を養えそうですし。
(私は陸上部で100m ハードルをやっていました)
まぁ、息子には(2)以降を頑張ってもらうしかないかな…どうかな…。

親が子育て時間に関われる時間については、他人に言われたところでどうにもならないことが多いな、という感じでですかね…。
そりゃ、時間を掛けたいとは思いますけど、やっぱりそればっかりできないこともあるわけですしね。

今回も『ご褒美』について書かれていて、やっぱり『アウトプット目標』ではなく『インプット目標』についてご褒美を設定したほうがいい、と書いてありました。
つまり、「○点を取る」ではなく「○時間勉強する」「○回ワークをやる」の方にご褒美を設定すべきとのこと。
まーたしかに、「○点取る」は問題の難しさに左右されてしまいますから難しいですよね。
私が中学の時に所属していた陸上部は、定期考査前に目標点を聞かれて、超えられなかったら男子は『ボウズ』女子は400m1本でした。
400mって結構ツラいんですが、このときばっかりは「女子で良かった…」と思ったものです。
まー、中学は成績悪くなかったので、ほとんど走ることはありませんでしたけど。
でもそのときに「テストの問題が難しくてクリアできなかったら走るのかー」とは思っていましたねー。

別学・共学についても書かれていました。
私は20年以上前に女子高を卒業しましたけど、在学当時から「共学の女子よりも別学の女子のほうが理数系の成績がいい」というのは言われていました。
変な言い方すると「男化する」みたいなイメージなのかな、と勝手に思っていました。
アンコンシャス・バイアスと怒られそうですけど、やっぱり当時は理系の女子は少なかったですしね。
というか、女子校だと何があっても女子だけで解決しなければいけないわけで(先生は男のほうが多かったですが)、どんなに重い荷物があっても女子で運ばなきゃいけないですからね。
運動部の生徒は重宝がられました。
あと、周りの目を気にしなくなるというのは本当だなと思います。
よく足を開いて座っていて、担任に叱られていました。
「ジャージのズボン履いてるからいいじゃん」と思っていましたが、確かに大股開きはよろしくないですね…。

あと、私は早生まれなんですが、幸いなことに身長以外で「他の子に追いつけない」と感じたことはなかったです。
身長についても、中1から中2で12cmくらい伸びて、気づいたら同級生よりも目線が高くなっていたのに驚いたことがありました。
この辺は本当に個体差があると思いますし、別にオリンピック選手やメジャーリーガーになりたかったわけではないので、別にいいかなと。
あと、早生まれだと、同級生の集まりで若ぶれるという特権が、あるっちゃあります。

『鶏口牛後』・『鶏口となるも牛後となるなかれ』は、自分が高校のときは「牛後のほうがいいでしょう」と本気で思っていました。
でも、それは私がラッキーだったんだなと。
自分は高校でかなり刺激を受けたし、行ってよかったと思っているけど、確かに『深海魚』化するのは怖いかもしれないですね。
息子の志望校設定のときも、そのあたりのことは考えないといけないな、と思いました。

本書にも『この本がすべて正しい訳では無い』と書かれていましたし、それはとても親切な注意書きだと思います。
びっくりしたのは、Kindle にこの本や前の『「学力」の経済学』を名指ししての『反論本』が何冊か存在したことです。
その『反論 Kindle 本』は読んではいないんですが、「国語力が低い」「読んでいないのに反論を書いたような文章」のようなレビューが散見されたので、内容は推して知るべしという感じなのかな、と。
精神科医で YouTuber の益田先生も、悪質なコメントを書く人だかに開示請求したら先輩だった、みたいなことがあったと聞いたので、そういう関係なのかな…と勘ぐってしまいますけど…。

中室さんご本人はお子さんがいらっしゃらないそうなので、そのことで心無い言葉をかけられたりもしたりしたのかな…なんて思ってしまいます。
でも、むしろ自分の経験からくる変な偏りみたいなものがなさそうな分、信頼ができそうだな、と思ってしまいますねー。
すごくおもしろい『教育経済学』という分野、また中室さんの本を読みたいなと思いました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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