中山七里さんの『祝祭のハングマン』を読みました。
中山さんの小説は『テロリストの家』以来です。
表紙は雑踏の中にいるピエロ。
どういう話だろう…と思っていましたが、物語の後半とリンクしていました。
タイトルの『ハングマン』は、『金田一少年の事件簿』の『タロット山荘殺人事件』でキーとして出てきた『ハングドマン(吊された男)』を思い出しましたが、『ハング【 ド 】マン』ではなく『ハングマン』なんですよね。
調べたら、『絞首刑執行人』という意味があるようです。
『ハングドマン』にする人の方ですね。
物語の内容としては、まさに『必殺仕事人』。
Amazon や Audible のレビューでは「現実感がない」などの感想もありましたが、私はとても好きですね!
こういういわゆる『勧善懲悪』モノは、読んでてスカッとします。
現実問題では、悪い人の方が世の中にのさばっているというか…『憎まれっ子世にはばかる』ってやつなんでしょうけど…。
フィクションの世界ぐらいはスカッとさせてほしいなと思ってしまいます。
主人公は若い女刑事で、警察組織の中で動いています。
大きな事件が立て続けに起きて、自分の担当していた捜査本部が分かれてしまい、人員が減ってしまうシーンがありました。
『八王子医療刑務所から逃げた脱獄囚』というフレーズが出てきたので、多分『嗤う淑女二人』のあたりじゃないかなと思いました。
しかし、同じ会社の人3人連続して死んでしまったら、絶対に疑いが出ると思います…。
素人考えだと、「もうちょっと他の方法はなかったのかな」と思ってしまいますね…。
間隔をかなり開けて1人ずつ実行するか、3人いっぺんに実行できるように社用車に乗せてゴニョゴニョとか…。
まぁそれだと、物語的におもしろくなくなっちゃうんでしょうけど。
話の中には『月光のスティグマ』の神川さん出ていました。
多分、一瞬出てきた『葛城刑事』っていうのは、先日の『有罪、と AI は告げた』の円ちゃんの彼氏のことですよね?
物語の時系列はちょっとよくわからないですが、知っている顔を見ると安心します。
(実際に『見て』いるわけじゃないですけど)
話題に上がっただけでしたが犬養刑事とか、はっきりは言及してなかったけど御子柴弁護士の話もちょっと出てきていました。
この話は、『ハングマン』としてシリーズ化される感じなんでしょうか?
主人公は、まぁ多分このまま警察をやめずに、ある意味ハングマンのスパイとして中の情報を流す、みたいな立ち位置になるのかな。
あとは、実際に手を下す実行部隊と、影から支えるオペレーション部隊な感じでしょうか。
3人でなかなかいいチームワークなんじゃないかなと思いますが。
主人公の女刑事の相方として一緒にいる先輩、まぁ既婚者だし恋愛相手にならなそうなんですかねー。
それでいてなんだか気楽な性格な感じだったので、なかなかいいキャラクターだなと思いました。
シリーズ化された暁には、彼を騙し続けることの葛藤みたいなものも芽生えてくるんだろうなと。
今回も Audible で聞かせてもらいました。
ナレーションの人、すごく上手だったし声も綺麗だったんですが、明るい感じの声すぎて物語の内容とはちょっと合わなかったかな…と思いました。
ただ、これは私が倍速以上で聞いていたための感想かもしれません。
でも、等倍だと眠くなっちゃうんですよね…。
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