櫛木理宇さんの『監禁依存症』を読みました。
先日の『残酷依存症』の続刊です。

そもそも今回このシリーズを読み返したきっかけが、この本でした。
2・3年ほど前に前々作の『殺人依存症』、前作の『残酷依存症』を読んでいたんですが、今回たまたまこの『監禁依存症』を Kindle Unlimited で見つけたんですね。

で、『監禁依存症』を読み終えて、「あー…前作・前々作の記憶が曖昧なのが悔しい…」と思い、再度『殺人依存症』から読み返したというわけです。
なので、この『監禁依存症』は比較的短いスパンで2回読みました。
2回目なので、比較的すらすらと読めました。
「先が分かっている分、安心して読めた」というのは大きかったです…。
あとは、1回目よりも注意深く読むことができたなと思いました。
まぁ、その分衝撃は随分柔らかくなってしまいますが…私のような小心者にはその方が優しいかもしれませんねー…。
私の中で、気になるところが3つありました。
1つ目は、在登(アルト)くんのスニーカーのサイズ。
22.5cm。
…デカくないですか!?
アルトくん、小3って書いてあるんですけど、小3男児ってこんなに足デカイですか!?
うちの小6男児、今確認したら21.5cmでした。
身長は151cmくらいです。
うちの小1女児は17.0cmが「ちょっと小さくなってきた」と言っています。
まぁ、女児だから比較対象にならないかもしれませんけど…。
将来とってもデカくなる予定、ってことなんでしょうか?
…まぁ、これは正直どうでもいいことですけど。
2つ目の方は、よくわからなくて気になっています。
それは、絢のお父さんが『死別』なのか『離婚』なのかということです。
『プロローグ』で出てきた小諸弁護士に責められる女性が、「片親家庭だからって」「父親そっくりのいい子」とモノローグで言っていたので、「旦那とは死別だったのかな」と思ったんです。
読んでいくうちに、多分だけどこのプロローグの『事件』は絢のことなんだろうな、と思い始めました。
でも、途中で絢が「親が離婚して、アパートに三人で引っ越したばっかりだったんだ」と言っていました。
「じゃぁ、最初に出てきたのは絢の話ではなかったのかな?」って思ったんですけど。
でも、終わりの方で「うちの両親は離婚じゃなくて死別だから」と、絢が言っているんですよね…。
どっちなんだーーーーーい!
ここがちょっとわからなかったです。
まぁ、わからなくても大筋には支障ないですけどね。
あとちょっと違和感があったのが3つ目。
『いさ子さん』のことなんですが、お友達のお母さんのこと名前で呼ぶかな…?
自分は「○○ちゃんのお母さん」的な呼び方しかしたことなかったので、なんというか妙に大人っぽいなと言うか、ちょっと違和感がありました。
でもまぁ、架乃に名前で呼ばせないと、『エピローグ』のシーンで出てきた『いさ子』が誰なのか伝わらないから、ってことなのかな。
まぁ、その『エピローグ』も、ちゃんと種明かししてもらえて。
『プロローグ』と同じシーンなので(多分)、そこに出ている『小諸弁護士』が『小諸成太郎』ではなく、その父親の『小諸昇平』だということが分かって…震えましたね。
昇平は3年前に死去とのことなので、まんまと逃げられてしまったわけではありますが、成太郎は『二重の意味』で今回の出来事に巻き込まれたんだな、と納得してしまいました。
ちょっと前から『弱者男性』という言葉がなんだかすごく大きく取り上げられるようになって、「今の時代は女が強い」とか「弱い男もいるんだから」みたいに言われることが多くなりました。
それでもやっぱり、体力差・腕力差っていうのはやっぱり無視できるものではないです。
「自分よりも大きなものに、力づくで蹂躙される」という『恐怖』は、男性はなかなか味わうことはないだろうなと思ってしまいます。
そして、『そういう経験』を未来永劫しないであろう『エリート層』が、それらをやった犯罪者に判決を下すっていうのは、確かに理不尽だなと思ってしまいます。
2017年に110年ぶりの法改正、すごく古い法律で裁いていたってことですよね。
そういうお偉いさんたちが、『自分』ではなく『自分の所有物』が被害を受けることでようやく重い腰を上げるんだな、と。
途中で出てきた『盗撮への注意喚起のポスター』の件、なるほどなと思ってしまいました。
なので、正直今回の話は、前回の『残酷依存症』と同じく、正直快哉を叫びたい気持ちになりました。
そんな気持ちになるのは人としてどうかと思いますし、そんなことを表現してはいけないとも思いますけど。
でも、やっぱり「ざまーみろ」と気持ちは拭えないですね。
…アルトくんのお母さんは、アルトくんが父親に似ないように全力でがんばってほしいなと思いますね。
それにしても真千代は、架乃というか架乃お父さんに執着しすぎじゃないですか?
『殺人依存症』で弟の善弥くんを殺害しただけではなく、いまだに架乃にもつきまとって。
お父さんはちゃんと警察をやめて別の人生を歩み出して、さらに奥さんとも離婚することになって、家庭も全部壊れて、それだけでもダメなんですね…。
そして、架乃ちゃんに『残酷なこと』をわからせてしまって。
まぁ、それは彼女のためだったのかもしれないですけど、お父さんはかわいそうだなってちょっと思います。
別に直接真千代に何かしたわけでもない。
ただ、目が合っただけ。
将来、自分の大きな敵になる可能性がある男を見つけてしまった。
それだけで、ここまでしちゃうのか…と。
真千代はこんなに怖いのに、それでも真千代について行く架乃がすごいなと思ってしまいました。
いろいろ差し引いても惹かれる強いものが、真千代にはあるんですね…。
あとはまー…性犯罪の裁判ってこんなにひどいもんなんですか。
私は傍聴とか行ったことないですし、今のところその予定もないのでぜんぜんわからないんですが、こんなにひどいものですか。
つらいなぁ…。
私はもう45歳になったので、まぁ痴漢とかはそこまで警戒するような歳じゃなくなりました。
でも、女児の母なんですよね…。
いさ子と同じ立場です。
自分の娘が…と思うと、本当に心が痛いです。
どうしたら、いいんでしょうね…。
こういう話って『3部作』で終わることが多いように思うんですが、続編もあるんですかね?
舞台が大阪に移って、そっちの方でも何かを巻き起こすのかな。
今回、とある『犯人』が留置所で命を絶ちますが、それはどうやって…。
やっぱり、『手下』が入り込んでいた?
『金田一37歳の事件簿』(パパでもいいけど)の『オリンポス十二神』的な、もしくは『探偵学園 Q』 の『冥王星』みたいな、ちょっとした『組織』になっていったりするんでしょうか?
ちょっと義賊っぽい感じになってきた真千代に、これからもがんばってほしいなと思う気持ちはちょっとあります。
まーーー、複雑な気持ちですねー。
タイトルなんですが、『監禁依存症』は前作の『残酷依存症』に付けた方が合ってるんじゃないかと思っちゃいました。
前作、めっちゃ監禁してるし。
でもまぁ、残酷でもありましたけど。
まー、今回もかなり残酷ですけどねー。
特に男性の方は、『真相』を読んだら「ヒュン」ってなっちゃうかもしれませんね…。
Kindle Unlimited で読んだんですが、結局買っちゃいました(笑)。
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