支倉凍砂さんの『狼と香辛料 XXI Spring Log IV』を読みました。
ロレンスがホロを肩車しているのかと思ったんですが、
よく見ると違うんですね。
この高さだと、
ロレンスが馬車を操作していて
ホロは荷台に立ち上がってロレンスにちょっかい出してる、
って感じですか?
かわいいですね。ラブラブです。
今回も短編集で、収録は5本です。
最初の『狼と湯煙の向こう』では、
『狼と香辛料 XX』の最後の『狼と収穫の秋』で
人ならざる者たちが『狼と香辛料亭』にやってきたお陰で
ホロとロレンスは旅に出る決心をすることができました。
少しの間宿を空けることになったんですが、
その間はハンナとセリム、人ならざる者たちで切り盛りすることになります。
それについて、セリムがプレッシャーを感じてしまっているんです。
セリムは、ロレンスからメガネをもらってからは
字も上達して帳簿付けもできるようになり、
傍から見れば十分任せられるようなんですが、
本人はその性格からかまったく自信を持てない様子。
それを元気付けるために、ホロがセリムを連れて
兄のアランたちの宿場へと赴きます。
そこでホロの、ロレンスの、互いと宿を思いやる気持ちを知ります。
次の『狼と秋色の笑顔』では
2人はついに旅に出ました。
名目としては、愛娘と息子同然の2人を追いかけての旅。
その中に、ロレンスとホロそれぞれの思いやりも詰まっていて
幸せな気持ちになります。
久しぶりの旅すぎて、ロレンスはまだ勘が取り戻せない様子。
それを見たホロはちょっぴりイラッとしている…のかな?
そこで、意外なホロの弱点を知ることができました。
意外とかわいい女の子…なのかな?
3つ目は『狼と森の色』。
ホロのライフワークである『日記』(?)のためには
羊皮紙とインクが不可欠なんですが、
昨今の事情からなかなか簡単には手に入らない様子。
そこでたまたま出会ったとある地の領主から
森の処遇についてのアドバイスを求められます。
よい森のようなのですが、
その恵みを領民に還元する方法が見つからないらしく、
森を切り開くべきなのか、と悩んでいるようです。
ここでいつもの展開、ロレンスとホロで知恵を出して
この問題を解決します。
さすが元行商人、いろんなことを知っていておもしろいですね。
次の『狼と旅の卵』では
なんとホロがミューリに間違われます。
娘に間違われるなんて若くて美しい証拠ですね…羨ましい。
しかも、ミューリは『聖女』なんて呼ばれているらしく、
近々コルとミューリを描いた絵がお披露目されるとのこと。
ホロは悔しくてたまりません(笑)。
自分もなんとか絵画にしてほしくて、でもバカ高くて…と
苦々しく思っていたところ、
ロレンスがこっそりとニシンの卵を使った投機に手を出します。
ちょっとした情報も持っていたためそんな危険なものではなかったはずが、
昨今の事情(2回目)からその投機場自体が閉鎖される危機に。
そこでロレンスとホロがまたもや知恵を出して(2回目)
この問題を解決し、さらに絵画の問題まで解決してしまいます。
…凄腕の商人…湯屋の主人か…ですね、本当に。
いろんな話があるなぁと感心してしまいます。
最後の『狼ともうひとつの誕生日』は、
コルとミューリが旅立つ前の話。
ロレンスとホロは『狼と香辛料亭』を開いてから、
記念として毎年1枚ずつ金貨を飾っていたようでした。
それが今回で10枚目。記念の年だったようです。
そして、『狼と香辛料 XVII』でも描かれていたように、
その時にはホロのお腹の中にはミューリがいました。
なので、ミューリも10歳。
その時の話を、コルがミューリにしてあげています。
興味津々で聞いているミューリに、
コルは同時に年相応の振る舞いをするように諭してもいます。
コル、堅いなぁ…(笑)。
最近、ネットの記事で記念コインが出るって目にしたんですが、
こんな感じなんですかねー。
まぁ、値段がね…すごいな。まじで。
次巻も楽しみです。
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