犯罪者 上

太田愛さんの『犯罪者 上』を読みました。
太田さんの小説は『彼らは世界にはなればなれに立っている』以来です。

彼らは世界にはなればなれに立っている
太田愛さんの『彼らは世界にはなればなれに立っている』を読みました。太田さんの小説は『未明の砦』以来です。とても不思議な話でした。解説にも書いてあったんですが、私もきっと『今』の話なんだろうなと思います。世界のどこなのかもわからないし、どうい…

数日前、すごく嬉しいニュースを見ました。
この『犯罪者』が、Amazon Prime ビデオでドラマシリーズ化されるとのこと!!!
思わず興奮して声を出していました(笑)。
これは…これは本当に嬉しい…!

2021年にたまたまこの小説を購入して、本当におもしろくてあっという間に読了しました。
この『犯罪者』は、刑事の相馬・フリーライターの鑓水・建設会社作業員の修司の3人組が出てくる物語の、『第1作』なんです。
修司が巻き込まれた『通り魔殺人事件』、その被害者の捜査をしていた刑事の相馬、修司が謎の人物から生命を狙われていることを知り匿うために協力させた相馬の友人の鑓水。
この『犯罪者』という物語で3人はタッグを組み、物語はのちの続編『幻夏』『天上の葦』へと続きます。
『犯罪者』では修司に、『幻夏』では相馬に、『天上の葦』では鑓水に、それぞれスポットが当たるようにして物語が進んでいくんです。

この『犯罪者』、読んだらめちゃくちゃおもしろくて。
作者の太田愛さんは、『相棒』シリーズの脚本などを手掛けられていた方らしいんです。
画面の描写がすごくドラマティックで、絵が頭に浮かぶんですよね。
読後すぐに「これは映像で見たい…!」と思いました。
でも。
なんともものすごくセンシティブな話題なんですよね…。
最初はただの通り魔殺人事件だと思われていたものに、次第に巨大企業、ビッグネームの政治家などが絡んでくるんです。
しかも、『商材』が…。
私も、6年前くらいまではとってもお世話になったので、この物語が現実だったら…と考えると、本当に怖かったです。
なので…テレビドラマは無理だろうな、と思っていました。
だって、こういう会社は本当に巨大なテレビスポンサーですもんねー。
でもでも。
なるほど、今の世の中には『Amazon Prime ビデオ』や『Netflix』のような、ネット専業でオンラインドラマを作れる会社があるんだ! と!
あー、本当に嬉しいです。

というわけで、5年ぶりの復習、ドラマシリーズの予習ということで、『犯罪者』を読みました。
まずは、上巻です。
大体のざっくりとした流れは覚えていたんですが、細かいことはすっかり忘れていたので、本当にドキドキしながら読みました。
3人が無事なことも、続編があることも知っているんですが、「え、この状態で本当に大丈夫なんだっけ…?」と不安になることが何度もありました(笑)。
最初の通り魔殺人、修司は本当に、本当に危なかったですね…。
(ある意味)ラッキーなハプニング、彼の血の気の多い性格などもたまたま幸いして、まさに『首の皮一枚』という状態でした。
…他の4人は、本当にかわいそうでした。
何も悪くないのに…。
そして、この『通り魔殺人』を仕組んだ理由が少しずつ明らかにされていきます。
ターゲット5人が選ばれたのは、ただ『その現場をたまたま見たから』というだけなんて。
これは、本当にやるせなかったです。
こんなの、いつ自分だって狙われてしまうかわからないじゃないか…と愕然としました。
(私、朝散歩が趣味でしてね…)

一方で、『メルトフェイス症候群』という、生まれたばかりの赤ちゃんを襲った奇病。
かわいらしい赤ちゃんの顔が溶けてしまったかのように壊死していく病気です。
本当に痛ましいです。
赤ちゃんのお世話って、本当に大変ですよね。
私自身も、息子も娘も1歳になるまでは本当に気が休まりませんでした。
突然死もあり得る本当にか弱い存在で、泣くこと・寝ること・食べることしかできなくて(う◯ちもしますが)、誰かが診ていないと本当にすぐに死んでしまう存在。
それを、なんとか突然死の危険性が少なくなる1歳まで生かさなければいけない、と毎日すごいプレッシャーを感じていました。
そんな中で母親の助けになるはずの存在が、赤ちゃんを蝕むなんて。
悪夢としか言いようがありません。
物語の中でも言われていますが、かわいそうな病気のはずなのに、更にコミュニティからも『異物』として阻害されてしまう。
連絡会が発足されるきっかけとのなった電話の話、涙なくしては読めませんでした。

この『通り魔殺人』と『奇病』が、まさかこうやって繋がるなんて…と、本当に読み進めるのを止められませんでした。
途中、巨大企業に『取引』を持ちかける真崎という男性が出てきます。
彼のことはすっかり忘れてしまっていたので、どうしてこんな行動を取るのかがわからず、再読にもかかわらず混乱しました(笑)。
あー、そうだよな、たしか彼って…。
もちろん真崎さんのやっていることは『犯罪』なんですが、だったら他のことは『犯罪』じゃないのか、と。

そういえば前回読んだときに思ったんですが、この『犯罪者』というタイトルがよくわからなくて。
なんというか、「ざっくりしているな」と思ったんです(笑)。
でも、ドラマシリーズの予告の映像に、『犯罪者は、誰だ』と書いてあるのを見て、ようやく腑に落ちたような気がします。
みんな『犯罪者』だけど、誰が一番悪いんだろう、と。

上巻は、修司がその真崎を追って松本に行き、そこで罠にかけられてしまったところで終わっています。
私が買っていたのは『上下合本版』なのでそのまま下巻を読みますけど、下巻持ってなかったらその場でポチってますわ、確実に(笑)。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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