法月綸太郎の新冒険

読んだ本

法月綸太郎さんの『法月綸太郎の新冒険』を読みました。
法月さんの小説は『法月綸太郎の功績』以来です。

法月綸太郎の功績
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だってほら、表紙がほぼおんなじじゃないですか、『法月綸太郎の冒険』と『法月綸太郎の新冒険』。

法月綸太郎の冒険
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だから、同じ本だと思っちゃったんですよ…。
まー、順番間違えた言い訳ですけど。

今回も、前回同様短編集で、5本の物語が入っていました。

1つ目は『背信の交点』。
不思議な心中の話でした。
…いや、無理心中になるのかな…?
犯人は最後「1/3のを引き当てた」と言っていて、法月さんは「そんなことありえない」と言っていましたが、私は「案外そんなもんなんじゃないかな」なんて思ったりします。
意外とね。
それよりも、ちょっと気になる異性と泊まりがけで旅行に行ったにも関わらず、まったく何もなく普通に帰ってくる法月さんの方がありえないと思うんですけど…どうだろうか?
もったいないなぁ…。
それにしても、眼科でもらえるような薬が猛毒だというのはまったく知らなかったですねー。
世の中、いろんなものがあるんですねー。
まぁ、こんな計画をしてしまったこと自体は良くないんですけど、2人の間で板挟みにされて(別々の板ではありましたが)、かなり精神的にしんどい状態だったろうことは想像できます。
「この際どうでもいいわー」って、焼けっぱちになる気持ちも分かるような気がしますねー…。
『電車の中で』っていうのが、またすごいですけどね。
「あともうちょっとで完全犯罪だった」と言えばそうなんですけど、一発捕まってちゃんとお勤めしてきた方が、すっきりするんじゃないでしょうか。
そういう意味では、本人にとっても良かったんじゃないかな、なんて思いました。

2つ目は『世界の神秘を解く男』。
あー…昔はこの手の番組、たくさんありましたよね…。
私は本当に苦手だったのでほとんど見たことないですけど。
まー、今思えば、大半がやらせ・インチキだったんでしょうね。
それにしても『世界の神秘を解く男』って…。黒歴史になりますよ…。
『PK』と言われると、まー普通は『ペナルティキック』ですかね、やっぱり。
サッカー好きじゃなくても、それくらいならわかります。
けど、やっぱり『MOTHER2』やってるからわかりますよ、『PK』。
私、実は超能力好きですし、『マインドシーカー』とか『PSYCHO+』とか。
本書の中で『超常現象にある一定の解が与えられた』ということで、なかなかおもしろかったです。
まー、いろいろストレスの溜まるお年頃だとは思いますが、そういう『いたずら』はいかんです。
誰も幸せにならないので。
やられた人も、やった本人も。
これは猛省してほしいですね。
結局、最後の対峙の場の映像はどうなるんでしょうか?
『世界の神秘を解く男』でも『ゴーストハンターの怪奇事件ファイル1』でもいいんですが、まー次回以降はないんでしょうねー。
ドアを開けて出ていったあと、どうなるのかな?
露見してしまったからには、罪は罪として裁かれないとなぁ…。

3つ目は『身投げ女のブルース』。
まさかこんなパターンでくるとは、と驚きがあった話でした。
結局最後まで法月さんが出てこなかったのもおもしろかったですね。
もちろん法月警視の推理にはかなり役に立っているんですけどね。
にしても、入れ替えまではまあ100歩譲って分かるとしても、その先がちょっと飛躍しすぎと言うか…なのでとても驚きました。
ちょっとだけ『容疑者 X の献身』を思い出しました。

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確かに、止めなければどうせそうなってたとは思いますけど。
でも、自分でするのと人にやられるのはまったく違いますからね。
たまにそういう殺人事件がありますけど。
にしても、伸子はそんなに魅力的な女性なんですねー…。
『ニンフォマニア』というは言葉は知ってはいましたが、実際にはあまり聞かない単語ですよね…。
『セックス依存症』という言葉もありますが、

  • ニンフォマニア(色情症) → 性欲を満たしたい衝動からセックスを求める
  • セックス依存症 → ストレスや不安からセックスを求める

という違いみたいです。
はー、なるほど…なのか?
まー、せっかく「亡き妻を今も大事にしている男性」だと思っていたのに、こういう終わり方はとっても残念ですね。

4つ目は『現場から生中継』。
登場人物が少ないので、『容疑者としてあげられている人以外』と考えるとヤツが犯人かな、と思いながら読んでいました。
容疑者よりも彼の方が心証が良かったから、ちょっと残念な感じではありましたが。
まぁぶっちゃけ、動機なんて後からどうでもできるので(笑)、どういう原理で犯行が可能になったのかというところに主に注目していました。
生中継に写ってるのを逆手に取るように勘違いをさせて、実はもう一捻りみたいな、なるほどなー。
たまたま血痕がそこについてたから良かったねという感じですね。
かなりの綱渡りですねー。
…まぁ、『殺人』という行為自体がすでに綱渡りなんですけどね。

最後は『リターン・ザ・ギフト』。
『交換殺人』をモチーフにした作品です。
あくまで『モチーフにした』というところがポイント。
私も、普通に交換殺人だと思っていたので、本当にびっくりしました。
『交換殺人』といえば、『金田一少年の事件簿』だと『共犯者X』ですかね。

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あっちも、あくまで『モチーフ』という感じでしたかね。
わざわざ交換殺人に偽装することによって、彼らのその先の未来までも作り出そうという心意気は、すごいなと思いました。
まぁ、その過程で何人か殺しちゃってるのでね…。
沢田穂波さんは、自分の職務にとっても忠実で素晴らしい図書館司書さんだなと、改めて思いました。
しかし、まったく進まんな、二人の関係は。
前回読んだ『法月綸太郎の功績』の方に沢田さんが全然出てこなかったので、「ひょっとしてここまでの間で2人が破局するエピソードか何かがあるのかな」と思ったんですけど…なかったね。
たまたま出てこなかっただけってことでしょうかね。
すでに父親にまで存在を知られているわけなので、もうちょっと…何と言うか…進展していったらいいのになっていう、このモヤモヤ感。
中学生じゃないんだから。
…まー、恋愛小説でもないですけど。
途中で出てきた、「普通に犯人がインフルエンザだった」説は結構おもしろいし、意外とそんなこともあるのかな、なんて思っていました。

法月綸太郎さんの本、まだいくつか手持ちがありますので、読み進めていきますよー。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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