綾辻行人さんの『水車館の殺人』を読みました。
綾辻さんの小説は『十角館の殺人』以来です。

『水車館の殺人』の前に、前作『十角館の殺人』のドラマ版について。
お正月に数回に分けてテレビ放映されていたドラマ、全部見ました。
いやー、おもしろかったです!
どうやって『映す』のかなって、勝手に心配していたんですけど、見事にやってのけた! というのが感想でした。
なるほど、具合が悪かったわけだし、実際にもそういう感じだったんだろうな、と想像してしまいました。
あと、エラリイ役の望月歩さん、私の好きな『アンナチュラル』の第7話『殺人遊戯』の子でしたね!
エラリイっぽい感じがとっても合っていました。
それから、何と言っても島田潔さん!
青木崇高さんが、本当にぴったりでしたね!
なので、以降の小説の島田さんは、すべて青木さんでの想像となります(笑)。
やっぱり十角館の殺人が本当におもしろかったので、「続刊が読みたいな…」となってしまったわけです。
まぁ、仕方ないです。
で、探したら、『合本版』というのを見つけてしまいました。
十角館の殺人はすでに持っているんですが、それを差し引いても個別に買うよりもお買い得な感じだったので、そちらを購入。
いやー、これでしばらくは楽しめます。
…ということで、今回の『水車館の殺人』から読むことにしました。
1年前に起きた事件と今の事件がシンクロしている感じで描かれていきます。
1年前に起きた事件の解決を図りつつも、今回の事件を止められずに…という展開でした。
1年前の事件では、途中でいなくなった男が犯人だと思われていたんですが、まぁー当然そんなことはなく。
そしてね、館の主人がね、明らかに怪しい男です。
マスクをして車椅子に乗っている。
…『仮面』といえば、『金田一少年の事件簿』では『異人館村殺人事件』の連城久彦か、『獄門塾殺人事件』の高遠か(あ、ネタバレだわ)、『雪霊伝説殺人事件』の黒沼弁護士だと思いますが、食事をそのままとっていたようなので、イメージとしては『雪霊』の黒沼弁護士のものが一番近いのかな、と思いました。
まー、要するに『オペラ座館』ファントムの仮面みたいな感じですかね。
途中まで過去の回想ばかりで、「今の時制だと誰も殺されないのか?」なんて不謹慎なことを考えちゃったりしましたけど、やっぱり案の定殺されたわけで。
そりゃそうですね(笑)。
まー、過去の分もまとめて、全部ちゃんと解決がついてすっきりしました。
『仮面が出てきたら入れ替わりを疑え』(ただし、『異人館村殺人事件』はちがう)という感じですが、まさか自分の指を切断してまで入れ替わるとは…と思うと、ちょっとぞわっとしましたね…。
まぁ確かに、復讐するにはあまりある動機かもしれないですけど、なかなかね…。
今回残念だったのは、『十角館の殺人』のときに大活躍した『コナンくん』が出てこなかったことです。
てっきり、島田さんとコナンくんとで解決して回る感じのお話なのかと思っていたので…。
島田さんのひょうひょうとした感じが、やっぱり『探偵』っぽい感じがして、妙に場違いだったのが非常に良かったですね。
やっぱり、『古今東西探偵は非常識なもの』ですからねー。
後書きの中で、「解説を有栖川有栖に頼んであって…」っていうくだりが書いてあったので、すごく楽しみにしてたんですが…。
この合本版にはついてないらしくて…かなりショックでした…。
少しお安かったのは、その分なのか!? そうなのか!?
くーーー、よ、読みたかった…。
無念です。
でもまぁ、内容としては当然ながら変わってないでしょうし、本当におもしろかったです。
やっぱり、有名作品は読むべきなんですね。
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