死仮面

横溝正史さんの『死仮面』を読みました。
横溝さんの小説は『蝋面博士』以来です。

蝋面博士
横溝正史さんの『蝋面博士』を読みました。横溝さんの小説は『金色の魔術師』以来です。タイトルから「ジュブナイル小説っぽいな」と思いましたが、やはりジュブナイル小説でした。今回は中編1つと3つの短編という構成でした。最初は表題作『蝋面博士』。今…

今回は、久しぶりにジュブナイルじゃない金田一さんでした。
…よね? 多分そうだと思います。
中編が2つ入っていました。

最初は表題作『死仮面』。
以前読んだ『首』に『生ける死仮面』という話も入っていましたが、また違った内容です。

横溝正史さんの『首』を読みました。先日の『幽霊男』の続刊です。…表紙があまりにも気持ち悪いです。おどろおどろしい感じ、『昭和』っぽい雰囲気の出ている金田一耕助シリーズの表紙ですが、今回のは気持ち悪すぎる…。合本版じゃなかったら、手に取れない…

巻末の解説に書いてあったんですが、この物語が『完成』するまでの経緯もおもしろかったです。
この原稿が発見されたとき、一部だけ見つからず、いろんなところにアナウンスして情報を求めたけれど、結局見つからなくて…という経緯があったようです。
で、この本に収録されているものの一部は、その解説を書いた中島河太郎さんの書いたものだとのこと。
後に不足していた原稿が見つかったみたいなので、この本とは別に『オリジナル版』として『春陽文庫』の『死仮面』もあるようです。
…まぁ、抜けているのが最後ではなく途中なので、結末が違うということはなさそうだし、このままでいいかなー(笑)。
しかし、こういう感じの原稿保存、時代を感じますね(笑)。
さて、死仮面=デスマスクということで、以前読んだ森博嗣さんの『数奇にして模型 NUMERICAL MODELS』や法月綸太郎さんの『生首に聞いてみろ』なんかを思い出します。

数奇にして模型 NUMERICAL MODELS
森博嗣さんの『数奇にして模型 NUMERICAL MODELS』を読みました。先日の『今はもうない SWITCH BACK』の続刊です。何でしょう、みんながみんな、壮大に騙されていた感じでしょうか。『金田一少年の事件簿』でいうと、『首吊り学…
生首に聞いてみろ
法月綸太郎さんの『生首に聞いてみろ』を読みました。法月さんの小説は『ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版』以来です。いやーーーー…。なんとも後味の悪い話でしたねー…。あ、もちろん褒め言葉ですけどね。なんというか、登場人物みんながみんな…

前半の壮大な『愛の物語』、謎の死仮面を送られた財力のある女性、そしてスキャンダル。
いやー、すごい話でした。
壮大な『ホラ話』から始まるミステリー、島田荘司さんの『占星術殺人事件』を思い出しました。

占星術殺人事件
島田荘司さんの『占星術殺人事件』を読みました。島田さんの小説は初めてです。『名作』との評判に違わぬ、とてもおもしろいストーリーでした。実は読んだのは2回目だったんですよね…。1回目に読んだときは『金田一少年の事件簿』の『異人館村殺人事件』、…

巨大な学校法人を経営していて、常に品行方正であることを求められる女性・夏代。
息が詰まりそうでかわいそうではありました。
そんな身の上にも関わらず、『他人に公言できない姉妹』が2人。
これは、毎日心休まる時間がなかったかもしれないですね。
夏代がやってしまったことは許されないことではありました。
でも、それから更に心労を重ねて、最後は殺されてしまいました。
しかも犯人がなー…、結局金の問題、怖いですね。
途中から登場した女子高生・澄子。
最後は火災の中からなんとか生還しました。
…まー、火事だけじゃなかったですけど。
急に、とても大きなものを背負わされたのは大変ですが、夏代の遺志を継いでがんばってほしいと思います。

もう1つは『上海氏の蒐集品』。
これは『ミステリー』というよりは、『とても悲しい物語』という印象でした。
金田一さんは出てこず、上海氏(しゃんはい・し)という記憶喪失の男性が主人公です。
記憶喪失を過度に気に病むこともなく、絵を描いてなんとか暮らしていました。
たまたま仲良くなった少女・亜紀と心が通じ合う…かと思いきや、殺人事件に巻き込まれてしまいます。
戦後、高度経済成長期、地価の高騰で急に金持ちになる。
この戦後の怒涛の流れ、私は経験したことがないですが、何もかもがガラッと変わっていく感じで、大変な時代だったろうなと思います。
上海氏も時代に揉まれて大変な思いをした人で、結局死んでしまいました。
利用された現場監督も死んでしまいました。
結局事件は解明されず、亜紀も真相を知らないまま遺産を受け継ぎます。
これで良かったのか、誰にもわからないですね。
こちらは横溝先生の絶筆に近い作品のようです。
解説には『長く著者の筐底に置かれていた』と書かれていたんですが…、それってどういう状態なんでしょうか?
本当に箱の中に入っていたんでしょうか?
言葉の綾なんでしょうか?
いずれにせよ、前の『死仮面』と同様、出自が一風変わっていたということなんでしょうか。
物語全体に漂う虚しい感じ、ノスタルジックな感じが、なんだか妙に心に残る話でした。

Kindle Unlimited で読みました。

[AD]死仮面
[AD]Kindle Unlimited

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
シェアする
さちこをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました