久坂部羊さんの『死が怖い人へ』を読みました。
久坂部先生の本は『告知』以来です。

我ながら、つい先日まで『レイジングループ』を読んでいた直後によくこういう本を読むなー、とは思います(笑)。

ただ、私自身の話なんですが、幼い頃からずーーーっと死ぬのが怖かったんですね。
小学生くらいのころ、布団に入ってから死のことを考え出してしまって、全然眠れなくてずっと泣いていたこともありました。
死恐怖症(タナトフォビア)とまではいっていなかったとは思いますが…。
今は、そこまででなくなりました。
まぁ、「今この瞬間死んだら嫌だな」とは思います。
せめて、下の娘がある程度大きくなるまでは生きていたいな、とその程度しか思わなくなったので、ある程度は克服はできたのかな、とも思います。
久坂部先生の本は今までそれなりに読みました。
小説もノンフィクションどちらも好きです。
中でも『人はどう死ぬのか』は、本当に読んでよかったなと思うほんの1冊です。

今回も、今まで読んできた久坂部先生の小説でも描かれたようなシチュエーションだったりとか、『人はどう老いるのか』で書かれた内容もあったりして、「この場面はあのシーンと似ているな」みたいなことを思いながら読むことができました。

最初に書かれていたのは、「死をあらかじめ覚悟しておけば受け入れられるようになる」ということです。
途中で「期待値をものすごく下げておけば、満足度が上がる」とも書かれていて、「それは何ごとに対してもそうだなー」と思い、思わず笑ってしまいました。
『安楽死』について言及している部分もありました。
精神科医で YouTuber でもある益田先生は、「安楽死が合法化されると容易に選択してしまうケースが増えるだろうし、それを選ばざるを得なくなるケースや臓器ビジネスとかなどにも繋がってしまうから、慎重にならなければ」とおっしゃっていました。
それもすごく理解できますし、実際そうだろうなとも思うので、『安楽死』を容易に認めるべきではないのかもしれないです。
ただ、久坂部先生は「『安楽死の4原則』自体が実際にはすごく曖昧で、本人が厳しいと思ったら厳しいし、他の人第三者が厳しくないと思ったら厳しくないと判定されてしまうから、基準としてはどうなのか」ということも書かれていました。
これ、本当に難しいですよね…。
本人しかその『痛み』『苦しみ』はわからなくて、数値化できていないものですから。
久坂部先生は、それを踏まえて ALS の患者さんに「安楽死させてほしい」と言われたとき辛かった、と。
「これは小説『告知』でも描かれていたものだな」と思い、あのとき読んだシーンが蘇ってきました。
この辺りの話は、本当に難しいなと改めて思いました。
「死を怖くなくすには、日頃からそれをよく考えること」「ちゃんと分解して細かく考えること」とありました。
本書の中に『死の恐怖の理由のアンケート』がありました。
回答者は50人、この本を編集をした編集者さんが自社内で取ってくれたアンケートとのことです。
1位が『肉体的な苦痛』とあって、「なるほどこれか」と目が覚めるようでした。
幼い頃からずっと死が怖くて怖くて仕方なかったんですが、私も『死ぬのが嫌』というよりは『痛いのが嫌』なのかもしれないな、と思ったんです。
実は、最近は特に「死んだらどうなるのかなー」とぼんやりと思うこともあります。
希死念慮ではありませんし、別に誘惑されているわけでもないですけど、「いつかは経験するんだよな」くらいまでは消化されているな、とは思っています。
ただ、やっぱりその直前にあるであろう『肉体的な苦痛』は嫌だなとは思います。
だから、そのポイントさえ少し改善されれば、そこまで怖くなくなるのかな、なんて思いました。
久坂部先生の『告知』『悪医』などでも、痛みを緩和しつつ意識を失わせる・失わせないのギリギリのラインを保って、少しでも苦痛を和らげるというシーンが何回も出てきました。
読んでいて、それは正直「いいな」と思います。
「こういうこともできるのか」と改めて感じたのを思い出しました。
第2位が『自分が消滅すること』ということだったんですが、それに関しては私はそんなに怖いとも思ってなくて。
「まーそういうもんなのかな」と結構受け入れられている感じではあります。
なので、痛みについてだけ何とか解決できれば、そんなに死が怖いとは思わなくなるのかな、なんて思いました。
自分としては、昔から殺人事件などのミステリー小説を読むのが結構好きだったんですが、なんとなく『死に対するシミュレーション』の意味合いで読んでるのかな、なんて自己分析していた部分もあったんですよね。
なので、それが功を奏して少し大丈夫になってきたのかもしれません。
「現代の日本では『死』が遠ざけられすぎている」とも書かれていて、これもそうだなと思いました。
病人や老人を自宅で看取ることが少なくなっているので、死が身近にないですもんね。
だからこそ、急に対面すると取り乱してしまいます。
「死を怖がるというのは、死が未知のものであるから」ということが何回か出てきました。
私は『死』そのものをすごく知りたいと思うようになりました。
そういう好奇心によって、死が少しでも身近に感じられたら、怖さがなくなるかもしれないですね。
『レイジングループ』の主人公・陽明さんは(ある意味)死にすぎたので、最後の方は「あー、死んでやり直そうかなー」的な発言をしていました。
ちょっとズレているかもしれませんが、それを思い出していました。
医師が希望する死因の第1位がガンで、それが消去法だと書いてありました。
以前読んだ『人はどう死ぬのか』でも、久坂部先生が「ガンがいい」と書かれていたと思います。
今までの久坂部先生の本を読んでいたので、「なるほど、納得」という感じでしたし、自分もその方向に傾きつつあるなと思っています。
そのためにも、普段から死を忌避しすぎずに身近なものとして考えて、いざそういう時期になったら少しずつ『店じまい』をして過ごせるようになりたいなと思いました。
Kindle Unlimited で読みました。
[AD]死が怖い人へ


コメント