有栖川有栖さんの『朱色の研究』を読みました。
有栖川さんの小説は『こうして誰もいなくなった』以来です。

あれー…ずいぶん読んでいなかったんですね、びっくりだわ。
今回も『火村英生シリーズ』です。
タイトルは、私でもわかる有名なシャーロック・ホームズの『緋色の研究』から取ったものですね。

以前読んだ『ダリの繭』ときにも思ったんですが、なんだか唐突に真相が明かされ始める印象です。

まぁ、それも『緋色の研究』っぽいっちゃぽいんでしょうか。
『金田一少年の事件簿』みたいな『犯人当て』的なものをよく読むので、唐突に解答編が始まるのにあまり慣れていないんですよね。
そういうスタイルなんでしょうけど。
今回は大きく前半パートと後半パートに分かれていたように思いました。
前半パートでは死体の第一発見になってしまい、付近をうろついていた関係者の濡れ衣を晴らすというパートでした。
後半は、2年前に起きた殺人事件の解決のパートです。
2つの事件、プラスその前に起きていた放火の事件も繋がっていて、最初の放火を起こしてしまったがために、2番目の事件に加担せざるを得なくなり、それが原因で3番目の事件も起きている、という『芋づる式』の関係になっていました。
実際の犯罪も、こんな感じで、一度やってしまったから抜けられない、やらざるを得ないみたいな感じだったりするんだろうな…なんて思ったりしました。
前半の濡れ衣を晴らすパートで、『エレベーターに貼ってあったチラシ熟読していたから、エレベータの行き先表示を見ていなかった』というシーンがありました。
「それは随分『運』に頼ってる感じがするなぁ…」と、ちょっと思っていたんですが、まぁ真相を明かされてなるほどなぁと思いました。
そりゃ、『真犯人』の思うままに動くわ、と。
正直、2番目の殺人についてはちょっと動機が弱いような気もしたんですが、犯罪心理的にはそんなもんなんですかね。
「そんなことで殺す?」と思っちゃいましたけど、危機感からやってしまうこともあるのかな。
3番目の殺人の時に、変な気を起こして火村先生を巻き込もとしなければ、もうちょっと『勝率』が上がったかもしれないですね…。
まぁ、火村先生に目をつけられてしまったのが運の尽、仕方ないですね。
これで、結構火村先生の話は読んできましたかね。
今回の話が時系列的にどのあたりなのか、よくわからなくなってきちゃいました。
そろそろその辺りを整理したいなと思うんですが…。
まだ、いわゆる『国名シリーズ』というやつは1つも読んでいないですねー。
まだまだ先は長そうです。
Kindle Unlimited で読みました。
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