綾辻行人さんの『時計館の殺人 下』を読みました。
先日の『時計館の殺人 上』の続刊です。

いやー、やっぱりいいですね!
正直、アリバイトリックとかほとんどわからなかったですけど、「この人が犯人じゃなかったらおもしろくないでしょ…」と思っていたので、嬉しかったです(笑)。
だって、普通に考えて、最初に挙げられた人がそのまま犯人だったら、おもしろくないでしょう!
私は、『金田一少年の事件簿』の『速水玲香誘拐殺人事件』のように、空白の日にちが1日挟まれてるとかなのかなと思っていました。
『半地下』であるから光もあまり入らないでしょうし。
でもまさか…という、驚きのトリックでしたねー!
これ、自分が実際この状況に置かれていたら、そのおかしさに気づけたかな…?
気付けなかったかもしれないですね…。
「いやー、今日は1日が過ぎるのが早いなぁ!」なんて、呑気なことを思っていたかもしれません。
あ、人がバシバシ殺されているから、呑気な状況じゃないですね。
大前提として『中村青司の館』なので、抜け道があるであろうことはわかっていましたし、そこを使って行き来できるんだろうな、と思っていました。
なので、多分『外にいた人』が犯人なんだろうという検討をつけて読んでいました。
いやー、なかなかダイナミックでとても楽しい小説でした。
あのスケジュールの中で、よくやり切りましたね!
…まぁ、『十角館の殺人』の方が「やることが多い…!!」かもしれませんが。

綱渡り感は、今回の方もなかなかのものだったと思います。
…しかし、何と言っても。
コナンくん、生き残っててよかった…!
最後の方の犯人の告白で、かなりギリギリのラインだったことがわかって、ゾワッとしましたね…。
彼『だけ』が生き残ったあのシチュエーションだと、彼が疑われないかがとても心配でしたけど、まぁそういうくだりがなくて良かったです。
この限界の精神状態の中、警察からさらに厳しい取り調べなんかがされてしまったら、コナンくんもきっとおかしくなってしまいますからね…。
由季弥さんが狂人じゃないという可能性は、『金田一少年の事件簿』の『飛騨からくり屋敷殺人事件』(通称・首狩り武者)の巽隼人くん的なシチュエーションで考えていました。
私もちょうど彼が過去形で話すところに気付けたんですが…。
結局のところ、彼はやっぱりそういう夢の中の住人として生活していた、ということでよかったんでしょうか?
彼自身の無邪気な告白で、最後のスケープゴートにされてしまったのも、なんか虚しい感じがしてすごくいいなと思いました。
…ひどい言い草ですけど。
『時計館』というぐらいなので、『金田一少年の事件簿』の『薔薇十字館殺人事件』的に部屋が回ったりとかするのかなと思いきや…。
まさかの『そっちがわ』のトリックかー、と!
『十角館の殺人』に引き続き、何かの話がドラマ化されるっぽいので、是非とも『時計館の殺人』をドラマ化していただきたいと思いました。
ぜひ!
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