久坂部羊先生原作、染谷将太さん主演の映画『廃用身』を見てきました。
普通に家の近所のシネコンに見に行こうと思っていたんですが、やってない!
公式サイトに行ってやっている劇場を検索、比較的近かった『TOHO シネマズ 錦糸町』に行くことに。
この映画が公開されると知って、すぐにムビチケを買っていたんですが、公式サイトの『TOHO シネマズ 錦糸町』のところの『ムビチケ利用可』にマルがついていない…。
使えないのか…? と心配したんですが、TOHO シネマズのサイトから錦糸町の予約を取ったらちゃんとムビチケ使えました。
よかったよかった。
で、知らなかったんですけど、この劇場でこの『廃用身』の舞台挨拶をやったそうで。
だから、劇場の壁に貼ってある廃用身のポスターに、皆さんのサインがしてありました。
思わずぱちり。
染谷さんのサインがかわいかったです。
久坂部先生もいらしてたんですね、知ってたら来たかったなー。
以前原作を読んでいるので、話の流れは頭に入っている状態です。

A ケア受けた患者である岩上さんを、俳優の六平直政さんが演じています。
六平さんは有名な方なのでもちろん存じ上げていますが、そうでなかったら「実際に切断された方が演じているのかな…」と思ったと思います。
それくらい、六平さんの演技がすごくて…。
岩上さんは後半で例の『事件』を起こしてしまうんですが、そのシーンもものすごかったです…。
私は以前、『アイアムアヒーロー』の映画をみて貧血を起こして車椅子で運ばれたことがあるんですが、今回も知らなければそうなっていたかも…と思ってしまうくらい。
それまでの鬱憤や恨みや憎しみが全部こもっていて、『遺書』をテープレコーダーに吹き込んでいる様も生々しく、最期のシーンも直視できませんでした。
(視界の隅でちらっと見ていました)
まー、他にも、『A ケア』の手術シーンも直視できませんでしたが…。
岩上さんを『虐待』している岩上さんの息子、こちらもすごかったです。
過去の因縁がそうさせているんでしょうけど、それでも褥瘡から枯れ葉が出てくるようなこと…。
池に突き落としてゴルフクラブで沈めようとしたり。
なんというか、『父親を小馬鹿にしている』的な感じが凄く伝わってきて、めちゃムカつきました(笑)。
いやー、本当に俳優さんってすごいですね…。
染谷さんの漆原氏、万能感に溢れている若い医師っぷりがすごくハマっていました。
染谷さんはここ最近私が見た『ベートーヴェン捏造』『爆弾』『教場 Requiem』にも出演されていました。



いやぁ、よかったですね。
A ケアに自信と可能性を感じ、A ケアで日本の老人医療を救いたいと輝いていた漆原氏。
でも、A ケアが世間から非難され始めて、そのうちに昔の友人のインタビュー映像で「漆原は昔、蝶の羽をむしって見せてきた」というのを聞き、そこから自分自身がわからなくなってしまって…というその流れ、すごく良かったです。
奥さんに少しだけ弱音を吐いて慰めてもらったけど、結局はライターの矢倉さんとの電話で変な強がりのような言葉を吐き、そのまま…。
やっぱり最期の「頭はわたしの廃用身」…。
悲しかったです。
エンドロールで初めて知ったんですが、オラキオさんが出演されていました。
オラキオさんは『弾丸ジャッキー』で体操選手をされていた方です(変な説明ですが)。
『とんねるずのみなさんのおかげでした』の『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』が大好きだったんですよね。
「どの役だったの…?」と調べたら、異人坂クリニックの介護士の男性役でした!
たしかに、写真で見るとオラキオさんですね…。
映画と小説とでちょっと違うところもありました。
小説ですと、前半が漆原氏の A ケアについての啓蒙(?)の書籍原稿、後半はライターの矢倉さんが『その後』を追ったドキュメンタリー的な感じになっていましたが、映画ではこの事件全体を通して追っている感じになっていました。
そして、一番最後の奥さんと赤ちゃんが…のシーンはありませんでした。
賛否両論あるかもしれませんが、「かわいそうな赤ちゃんはいなかったんだ」と思えたので、これも良かったかもしれません。
あとは、A ケアの手術を担当した病院が経営的に…という関係の話もなかったですね。
気になったのは、漆原氏が亡くなってから、病院を辞めた看護師の内野さんをライターの矢倉さんがインタビューしていたシーン。
原作だと、内野さんは漆原氏に手紙を送っていて(あの怪文書みたいなやつ)、それを内野さん本人はずっと気にしていて…という感じでした。
しかも、内野さんは漆原氏が好きで、漆原氏もそれを受け入れてしまったということもあったはずです。
そのへんのことは明言されておらず、内野さんが矢倉さんに対して「ごめんなさい」と何度も言っているシーンだけになっていました。
この辺は「想像にお任せします」的な感じなんでしょうかね。
とてもおもしろかったですが、なんというか「どうしたら良かったんだろう」「これからどうするべきなんだろう」のモヤモヤが残る映画でした。
まー、内容的に「スッキリした!」って感じの映画ではないことはわかっていましたけど。
改めて、すごい俳優さんがたくさんいるなぁ…と思いました。
A ケア、実際にやったらどうなるんでしょうかね…。



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