新版 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

読んだ本

ティナ・ シーリグさんの『新版 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』を読みました。
ティナ・ シーリグさんの本は初めてです。

「20歳の時に知っていたら、今どんな大人になってたかな…」というようなことは古今東西にたくさんあるので、嘆いても仕方ないことだとは思うんです。
でも、確かにここに書かれているようなことを早いうちに知っていれば、ひょっとしてもっと勉強熱心で、もっといわゆる『いい会社』に勤められていたかもしれないなーとは思います。
でもまぁ、今のところ自分の人生で十分満足しているので、そういう意味では、この本の対象読者には当たらないのかもしれないです。
だとしても、十分おもしろかったなと思います。
というか、今気づいたとしても十分良かったと思える内容ばかりでした。

私は、やっぱり自分の好きな分野の読むのが好きなんですが、それは自分が気づかないことで人が知っていることを、少しでも知りたいという気持ちがあるからなんだと思います。
この本にも書かれていて印象的だったフレーズが、

面白いのは、現場にいる人ほど、日常的に問題にぶつかっているので、その状態に慣れ切ってしまい、問題に気づきもしないし、ましてそれを解決する独創的な方法などを思いつかない、ということです。

です。
これを読んだときに、真っ先にうちの夫のことを思い出しました。
夫が一人暮らしをしていたとき、夫の家のお湯が出るのに10分以上かかっていたんです。
それを、私に指摘されるまでおかしいことだと思っていなかったようで…。
多分、始めは思ってたんだと思うんですが、寝に帰るだけの状態だったのと、だんだん慣れてしまっていたからなんだと思います。
彼の場合、働きすぎて思考能力がかなり低下していたっていうのもあったんだと思いますが…。
まぁ、彼に限らず、そういうことってたくさんあるなぁと思いますね。
やっぱり、自分がやってることを常に疑って、「もっといい方法はないのかな?」と探していくことってとても大事だなと思います。

全編を通して語られていたのは、動いて何か見つけて、動いてそれを解決するということは、いかに素晴らしいか、ということなんだと思います。
やっぱり、行動を起こさなければ本当に何も始まらない。
どんなに勉強して、どんなに素晴らしい知識を得たとしても、それを生かすために何か行動しなければ何も変わらない、と。
本当にそうだなと思います。

もう1つ印象的だったのは、

経験者が採用されるのは成功体験があるからだけではありません。失敗の経験が貴重でもあるからなのです。

というフレーズです。
確かに、失敗したことを自分の中でちゃんと蓄積していけば、それでかなり素晴らしいデータベースになりますね。
今の自分の状態が、だいぶそうなってきたなと思います。
あとはまぁ、AI の力を借りたりして、チェックなんかもだいぶできるようになってきました。

あと、本には

リスクを取ろうとする意欲と、失敗に対する反応は、国によって大きく違います。
失敗したときの打撃が大き過ぎて、個人がリスクに対して強いアレルギー反応を示し、一切リスクを取ろうとしない文化があります。
こうした文化では、失敗が「恥」と結びついていて、若いころから、成功の確率が高い既定路線を歩むよう教育されています。

と書かれていました。
例として、『タイの選手が「名前を変えたからオリンピックで優勝できた」とインタビューで答えていた。名前を変えたことで、今まで失敗してきた自分の人生と決別して、新しい人生で勝つことができた』という内容が書かれていました。
ここには書かれてないですが、日本もかなりそうだよな…と思ってしまいます。
もうちょっと失敗に寛容な文化だったら、もっといろんなテクノロジーが生まれているだろうなぁ、と。
私も、子供の失敗には寛容にいられるようにしていきたいなと思っています。
まー、そのためには、自分の体調が万全でいられるようにしないとですねー。

最後は万事うまくいく。
うまくいってないなら、それは最後ではない。

この言葉はなるほどなー…と思いました。
うまくいくように、うまくいかせるまでがんばろうっていうことなんだろうな、と。
うまくいかないところでやめてしまっているから、『失敗』として嫌なデータが蓄積されていってしまうんですよね。
だから、「今はまだ最後じゃない」と思ってどんどんやっていこうと思います。

この本の中に

男の子と父親が事故に会い、病院に担ぎこまれました。
外科医は「この子は手術できない。私の子供だから」と言いました。
一体どうしたというのでしょう?
外科医は母親だった、というのが正解です。

という問いかけがありました。
これはねー!
『日本語』の場合、この訳だと作者さんの意図した回答にならない場合が多くないですか?
『私』と書いてあるのですぐに女性を想起してしまいます。
(英語だと『I』なんでしょうけど)
あと、この部分を読んでいる最中になんとなく『ドクターX・大門未知子』が頭に浮かんでいたので、すぐに「外科医は女性、母親でしょ?」と思ってしまいました。
完全に揚げ足取りになってしまいましたけどね。

あとは、同じ『よかったこと』でも、『運(Fortune)』『チャンス(Chance)』『幸運(Luck)』はそれぞれ違うというのがおもしろかったです。

  • 運(Fortune) → あなたに起きること
  • チャンス(Chance) → あなたの行動が必要
  • 幸運(Luck) → 可能性を見出し、作り出すことで生まれる

この3つの言葉の違いが大事だっていうのは、なるほど目からウロコでした。
3つの言葉は、結構混同して使っていましたね。
ちゃんと使い分けるのは難しそうですが…。

車のセールスマンとの話もおもしろかったです。
交渉をしていて、互いの利益を最大化するためには、別に相手を陥れる必要はない。
2人の方向が同じであれば、ひょっとしたら同じように Win – Win の関係になれるかもしれない、と。
これはなかなか気付けないですね!
お互いが協力することができるのであればそれに越したことはありませんね。
そういう考えに至れるような大人になりたいですねー…。

『20歳』どころか2周目も終わったような歳ですが、本当におもしろく読めました。
まー、「今が一番若い」ってことで、これからがんばろうと思います。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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