扉の影の女

読んだ本

横溝正史さんの『扉の影の女』を読みました。
先日の『魔女の暦』の続刊です。

今回は2つの話が入っていました。
この2つを1冊にしたのは、やっぱり似た感じの殺人だったから、ということなんでしょうか?

1つ目は表題作『扉の影の女』。
終わってみれば、なんとも悲しい『間違えた殺人』だったようです。
なんだかとってもいびつな家族(と親戚)のせいで、暴かれなくてもいいものが暴かれ、死ななくてもいい人が死んでしまいました。
金田一さんがある交通事故に注目したのは(多分)偶然だったんだと思うんですが、それがなかったら…と思うとちょっとゾッとします。
で、今回は『多門修』が登場していました。
彼は、以前読んだ『病院坂の首縊りの家 上』でも出てきていました。

金田一さんに心酔するちょっと便利に使える人物、という感じの人です。
彼の活躍もあり、ちょっとしたヘマもあり、事件は解決することとなりました。
しかし…『ヒロポン』というのはよく聞く名前ですが、『流行る』というのはどのレベルなんでしょうか…?
こんな女子高生が中毒になるくらい、蔓延していたんですかね…?
それとも、珠実はいびつな家族だったから、という感じで片付けられるものなんでしょうか。
なんとも怖いです。
人間の血をまさに『かしわ』でごまかすというのは、『金田一少年の事件簿』の『秘宝島殺人事件』ですね。
苦肉の策でやったんでしょうけど、立地と言い訳をうまく使った巧妙な手だなと思いました。
(もちろん良くないことですが)
というかこのコック長、以前読んだ『幽霊座』の中の『トランプ台上の首』のように、『完全に善良な一般市民』かと思いきや、なかなか悪どかったので驚きました。

そして最後。
やっぱり、これから母になる女性というのは強くたくましくなってしまうものですね。
もちろんだめなことだとは思いますが、追い詰められてこれくらいの気持ちになってしまうのもわかるような気がします。
まぁ、金田一さんのはからいもあり、いい感じに落ち着くっぽかったので良かったと思いました。

2つ目は『鏡が浦の殺人』。
千葉県にある『鏡ヶ浦』ってことでいいんでしょうか…?
こちらは『間違えた殺人』ではないんですが『試し殺人』だったんですよね…。
なんとも怖い話です。
金田一さんがボーっとビーチを眺めているところに、そばで双眼鏡でビーチを見ている大学教授の男性。
なんと彼が『読唇術(リップリーディング)』で殺人相談を見つけてしまったから、さぁ大変。
そこで彼が、「誰と誰の『会話』だったのか」を明かしてくれてさえいれば事件は解決だったのに、殺されてしまったのがこの男性だったので、犯人に至る手がかりがなくなってしまいます。
しかも、殺害のされ方がまた巧妙。
手口としては、同じく以前読んだ『幽霊座』と同じような感じでした。
が、ここはビーチ。
たまたまあった『ゴム毬』の中に毒がついている針がしこんであって、そこにうっかり座ってしまったなんて、なんとも不運が過ぎますね…。
そしてさらに、この殺人こそが『お試し』だったわけで…。
あー、本当に怖い。
この殺された教授の男性、自分の孫が聴覚に障害を持っているから、ものすごく努力して読唇術を習得したそうで。
そんな心優しい男性が『試し殺人』で殺されてしまって…ねぇ。
とても残念でした。
危うく心臓の病気的な感じで片付けられそうだったところを、助手の加藤さんが粘ったために明らかになったわけです。
彼女がいなかったら『病死』で片付けられていましたね…。
いろんな意味でとても怖い話でした。

今、Kindle Unlimited で読める『「金田一耕助」シリーズ』はここで終わりです。
まだ20冊くらいあるのに…いつか Kindle Unlimited になるかな(笑)。
でも、私の金田一さん漬けはもうちょっとだけ続く予定です。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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