斜線堂有紀さんの『恋に至る病』を読みました。
斜線堂さんの小説は『廃遊園地の殺人』以来です。

去年映画にもなった作品です。
名前は知っていたんですが、内容はまったく知りませんでした。
で、斜線堂有紀さんの作品だと知り、前回の『廃遊園地の殺人』がおもしろかったのを思い出して、今回読んでみました。
読み終えて…「とっても感想に困る小説だな」と思いましたね…。
すごくおもしろかったんです。
だけど、どう解釈すればいいのか、すごく困ってしまいます。
最後についている『あとがき』には、『宮嶺が景にとってスケープゴートだったのか『特別』だったのか、これを判断する為の材料は、物語の冒頭から最後までにいくつもあります』と書いてありました。
…わからん(笑)!
わからないので、私の『希望』を十二分に交えた感想になりました。
私の中での最大の『謎』としては、なぜ景がそんなに宮嶺に執着したのか、というところですかね…。
宮嶺は「女みたいな顔」と根津原から言われていたんだけど、言ってしまえば「イケメンだったから」ということ…なんでしょうか?
景については、たまに漫画なんかでも存在する『ナチュラルボーン女王さま』みたいな感じの少女なんだろうな、という印象でした。
まぁ、完全な『女王』よりいく分かは『下々の者の気持ちがわかる』感じはしましたけど。
私はこういう方にお会いしたことはないんですが、まぁそういう人もいるのかなーとは思います。
小説の説明に書かれている『自らの手を下さずに150人を殺した』という『殺害方法』、読む前は想像がつかなくてすごく気になっていました。
集団でいるところに毒ガスか何かを振りまいたとか…? と。
(それだと手を下しているか)
読んでみて、「なるほどなー」と。
言ってしまえば『今どきっぽい手段』ではありますし、高校生でもがんばれば『こういうこと』はできそうです。
今現在の2026年であれば、以前よりももっと簡単に『作れる』と思いますし。
そういう意味でも、なるほどリアリティがあるな、と思いました。
まー、『この方法』、普通考えたら面倒くさすぎてやらないような気もしますけど、その『執念』がすごいなと思ってしまいました。
やっぱり自分の思うように他人を操るその『快感』みたいなものもあったでしょうしね…。
2020年の小説なんですが、すでに『睡眠不足がものすごく体に悪い』的なことが書かれていて、すごいなと思いました。
もう連日連日、こんなに夜更かしさせられていたら、頭もおかしくなるよなーと。
物語の最初がクライマックスのシーンから始まる感じで、どうしてそういうシチュエーションになってしまったのか、そこまでの経緯を少しずつ語っていく感じです。
なので、始まって早々にめっちゃピンチのシーンだったわけなんですけど、その時点でもうすでに景は…という状況だったんですね。
それを考えると、ちょっと悲しいです。
そして、最後のシーンで明かされた、景がずっと持っていた『消しゴム』。
これが、本当に厄介な代物です。
これをどっちに解釈するかで、この小説の感想が本当まさに180度変わってしまうぐらいのインパクトがあります。
私が小学生だった30年以上前には、「消しゴムに好きな人の名前を書いて、誰にも触られずに全部使い切れば、両思いになれる」的なジンクスのようなものもありました。
なので、私が最初に思ったのは、「好きな人が持っているものを、ちょっとした出来心で自分のものにしてしまった」という、甘酸っぱい思い出的な解釈だったんですけど。
読み終えて、いろいろ考察しているサイトを見ていたときに、「いじめのきっかけとなった出来事を作り出したのが景だった」と書かれているのを見つけてしまって、本当に戦慄しました。
それまで、その考えには至らなかったので…。
結果としてそうなったわけですけど、それが偶然なのか必然なのか。
もしかしたら、そこからすでに彼女の手の中だったのか…と。
景は事あるごとに「嫌いになった?」のような問いを投げてきました。
どうしてそこまで『試し行為』をしてくるのかが、よくわからなかったです…。
家族の仲が悪かったとか?
もしそうなんだとしたら、とても気の毒だなとは思うんですけど。
こんなものを作り上げて運営していたとして、実際にプレイヤーの『最期』の現場を見てしまったら相当怖気づくと思うんですけど…。
そういう意味でも、宮嶺が景のことを精神的に支えてしまっていたから、やり遂げられちゃったということなんでしょうか。
結局のところ、景はどうやって『この騒動』に幕を下ろすつもりでいたんでしょうね。
やっぱり、最後に入見刑事に指摘されたような結末にするつもりだったんでしょうか。
「そうでない」と思いたい私は、どちらかというとまだ夢見がちなのかもしれないなー、と思いました…。
いい歳して恥ずかしいかも知れないですけど。
…本当に難しい小説ですね。
Kindle Unlimited で読みました。
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