小説 金田一少年の事件簿 (4) 鬼火島殺人事件

読んだ本

天樹征丸さんの『小説 金田一少年の事件簿 (4) 鬼火島殺人事件』を読みました。
先日の『小説 金田一少年の事件簿 (3) 電脳山荘殺人事件』の続刊です。

小説 金田一少年の事件簿 (3) 電脳山荘殺人事件
天樹征丸さんの『小説 金田一少年の事件簿 (3) 電脳山荘殺人事件』を読みました。先日の『小説 金田一少年の事件簿 (2) 幽霊客船殺人事件』の続刊です。この小説第3弾から、ついに元ネタのないオリジナルの話になってきました。『小説版金田一少...

金田一の中でもいくつかある『予備校モノ』うちの1つです。
他の『予備校モノ』である『首吊り学園殺人事件』や『獄門塾殺人事件』と違う点としては、金田一くんたちが『生徒』ではなく『スタッフ』である、ということですかね。
しかも、他の生徒は医学部志望のいけ好かない奴らばかりで、いつものことながら雰囲気は悪いです(笑)。

私は、この話の冒頭をずっと『電脳山荘殺人事件』だったと勘違いしてたんですけど…まー、よく考えたらこっちですよねー。
やっぱり、『すでに死んでいる(ハズ)の人間が犯人』いう、いわゆる『悲恋湖伝説殺人事件』にも似たような展開でした。
でも、その『トリック』が、金田一くんの優しさによって若干危なくなるっていうのがよかったですね。
あのとき金田一くんが無理矢理にでも降ろしていたら…どうなってたんでしょうか。
あとやっぱり、一番最後の『バラの花言葉』、グッとくるなーって思いました。

鍵穴から覗いた時に見える光景が『本物』と違うっていうのは、本編漫画の『怪奇サーカスの殺人』を彷彿とさせますね。
まー、あっちは『トリックアート風』な感じなので、ちょっと違うか。
でも、さすが『医学部』を目指す予備校の生徒、って感じですね。

しかし、金田一くんはよく『殺される側の人』に助けを求められますね…。
その結果、今回のように「目が覚めたら隣で人が死んでいる」というシチュエーションがたまにある…。
ゾッとしますね。

『医学部受験』とか、私には全く関わりがない世界の話なので、「そんなに勉強ツラいのは大変だなー」と思ってしまいます。
生まれたときからその方向に行かされることを強制させられてるっていうのは、まぁしんどいでしょうね…。
作中にも出てきた『この合宿講習に参加する生徒たちは、だいたい三種類に分かれる。一つは、自分が選ばれた人間だと思っている鼻持ちならない連中。2つ目は、なんの疑問も持たずに親に言われるがままに医者を目指している操り人形。そして最後が、親の期待に応えるために自分を殺して頑張っている優しい子供たち』という言葉。
なんだか身につまされるようだなと思いながら読みました。
うちには何も継いだりするような大層なものはありませんが、自分の子供にはそんな業を背負わせないようにしたいと思いましたね…。

それにしても、美雪はよく『幼馴染の男の子』とこんなにいろんなところに行くなーって、毎回感心しますね…。
冷静に考えて、今までの漫画で描かれた『経過した日数』全部足したら、高校2年生の365日はとっくにオーバーしてるんじゃないかな、と思ってしまいますね。
場所も北から南から、海外から島まで、いろんなところに行ってますねー。
本当にすごい行動力ですね…。

あと、1ヶ所不思議なところがあったので書かせてください。
『医学部受験』を半ば強いられている予備校生たちと自分(金田一くん)との境遇を比較するシーンがありました。
『そんな彼らの間にはきっと、ハジメのように当たり前の【 公立学校 】に放り込まれて自由気ままにやってきた人間にはない、独特の価値観があるのだろう』という一文なんですが…。
え、不動高校って『公立学校』だったの…?
ずっと『【 私立 】不動高校』だと思っていたし、Wikipedia にもそう書いてあるし…。
それとも『(中学校までは)公立学校に放り込まれて~』という意味なんでしょうか…?

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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