小説 金田一少年の事件簿 (2) 幽霊客船殺人事件

読んだ本

天樹征丸さんの『小説 金田一少年の事件簿 (2) 幽霊客船殺人事件』を読みました。
先日の『小説 金田一少年の事件簿 (1) オペラ座館・新たなる殺人』の続刊です。

小説 金田一少年の事件簿 (1) オペラ座館・新たなる殺人
天樹征丸さんの『小説 金田一少年の事件簿 (1) オペラ座館・新たなる殺人』を読みました。天樹さんの作品は…『金田一少年の事件簿』関係のものはほぼ読んでいると思いますし、名義は違うけど、ドラマ化された『ドクター・ホワイト』もおもしろかったで...

小説第2弾も、本編の漫画の続編です。
でも、前回の『オペラ座館』のような直接的な続編ではなく、『悲恋湖伝説殺人事件』のスピンオフ的な感じです。
しかも、あの事件の元になった『オリエンタル号と竜王丸の衝突自己』の方がメインになっていたっていうのは、本当おもしろいですよね。
そして、まさかいつきさんの命を助けた『ルイ・ヴィトンの鞄』の中に、そんなものが入っていたなんて…と。
もしそれをいつきさんがいち早く見つけて、マスコミとかメディアで大々的に発表していたら…。
竜王丸の船長はそんな濡れ衣を着せられることはなかったのかな…とも思いますが、まぁそれは言っても仕方ない話だよな…と。

この小説は、私に「殺虫剤からは、タバコにも含まれている『ニコチン』が抽出できる」という情報を教えてくれました。
…日常生活にはまったく役に立たない(と思う)知識ですが、中二病真っ盛りだった私にはぶっ刺さりましたねー…。
「ニコチンを抽出するには、タバコよりも殺虫剤のほうがいいんだぜ」的な。ね。

今回の大胆なトリックである、『朝日と夕日を誤認させる』というのは、短編集6巻の『怪盗紳士からの挑戦状』の冒頭で、金田一くんが美術品鑑定家のおじいさんに指摘して尊敬されてたやつと同じですね。
漫画では佐木くんも言っていましたが、「朝日と夕日は科学的にも区別がつかない」というのも、この小説で知りました。

あと、『ナルコレプシー』という病気の存在を知ったのもこの小説が初めてでしたねー。
いろんな小説を読んでると、意外と出てくる病名ですよね。
実生活では患者さんにお会いしたことがないので、どれくらい困っているのかはいまいち理解していませんが…。

終盤の犯人との対決の部分、私の記憶だと『怪盗紳士の殺人』の和泉さくらちゃんのようにほとんど反論しなかったような気がしていたんですが、意外とちゃんと口出ししていたからびっくりしました。
どうしてそんな勘違いしてたのかなーと思ったんですが、別の人が過去のオリエンタル号で起きていたことを告白しているシーンで、「ずっと唄を歌っていた」とあったのを、「金田一くんが謎解きしている間中ずっと唄を歌っていた」と勘違いしていたっぽいですね…。
そっかそっか、勘違いでした。
やっぱり、和泉さくらちゃんは唯一無二の犯人だったんですね…。
(私は『怪盗紳士の殺人』がかなり好きです)

この『幽霊客船殺人事件』で初めて登場する『中村一郎』刑事ですが、短編集の『誰が女神を殺したか?』と『速水玲香誘拐殺人事件』にもちょっと顔を出していたりしますねー。
『誰が女神を殺したか?』では、さやかちゃんが連れて行かれた取調室の中にいましたし、『速水玲香誘拐殺人事件』では宅配便を装って芸能事務所に入ってくる配達員の中にいました。
強面の顔と、それを台無しにするサボり癖で、なかなか個性的なキャラクターだと思うんですが、もうちょっと登場してきても良かったような気がしますねー。

今回の犯人はかわいそうな身の上でしたが、きっと待っててくれる人もいると思うので、罪を償った後は幸せになってほしいなと思います。
あと、安すぎるツアーにはご用心ですね…。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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