殊能将之さんの『子どもの王様』を読みました。
殊能さんの小説は『キマイラの新しい城』以来です。
不思議なタイトルだったので、なんかファンタジーっぽいお話なのかなと思っていました。
実際はそんなことなくて、ごくごく現実的な、また『悪い大人』の話でした。
主人公のショウタもお友達もトモヤくんも、ちょっとかわいそうな身の上の人たちでした。
そして、その人たちが集まって住んでいる団地が舞台となった話でした。
私自身は『団地』に住んだことはないんですが、『社宅』には住んでたので、なんとなく雰囲気はにていてわかるな…と思いながら読んでいました。
『集団登校』とか、めちゃくちゃ懐かしいな…と思いましたねー。
ただ、何なんでしょうか、土地柄なのかもしれなんですが、『変な人』が多い団地でしたね…。
以前見ていた松本潤さん主演のドラマ『となりのチカラ』と、ちょっとイメージが似ているなと思いました。
まー、『子どもの王様』の団地の方が、より『変な人』が多いような気もしましたけど。
話としては、まぁ何と言うか『普通だけどちょっと不幸な事件の一部始終』っていう感じではありました。
でも、やっぱりそこをよりファンタジーっぽくというか、ジュブナイル小説っぽく仕上げてるのがすごいなと思いました。
途中で出てくる団地の号数を隠す手法、すごくおもしろくて「なるほどなー」と唸りましたねー。
ショウタはきっと賢い子なんでしょうね。
結局、『子どもの王様』は『悪いやつ』でしたし、トモヤくんはこの先どうやって暮らしていくのかわからないですけど。
でも、解放されたと思って一から幸せになってほしいなと思います。
ショウタは、今はトモヤくんに恨まれちゃうかもしれませんが、絶対いいことをしたんだとと思っています。
まぁ、そこが辛いところですね…。
でもそういうのも、大人になって少しずつ真相がわかって、いつか感謝してもらえればいいですね。
それまでずっと関係が続いているといいんですけどね…。
翔太だって今回の事件で、絶対心に大きな傷が残ったはずですからね。
この小説に登場する大人が、全体的にしっかりしていないダメな大人ばっかりだなと思ってしまいます。
だから、逆に子どもがしっかりしているんですかね。
まぁ、それは自分も含めてなんですけどね…。
Kindle Unlimited で読みました。
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