横溝正史さんの『夜の黒豹』を読みました。
横溝さんの小説は『支那扇の女』以来です。
今回は長編1本でした。
思っていたよりも複雑な話で、結構びっくりしてしまいました。
なんというか、最初はただの猟奇事件と思いきや…。
まぁ、金田一さんが出て来るぐらいだから、そんなはずはないんですけどね。
実は複雑な計算のを基に計画された殺人だった、という感じです。
この手のモチーフだと、以前読んだ『金田一耕助シリーズ』の『白と黒』なんかをちょっと思い出しました。
3人の女性と一人の男性が被害に遭っています。
その中で、最初の『被害者』がなかなかの曲者でした。
「これは考えたなー」と思ってしまいましたね。
前回読んだ『支那扇の女』の中にある『女の決闘』を彷彿とさせる感じです。
…なかなか恥ずかしかったでしょうに、よくもまぁやったなぁ…と。
まぁ、後々に控えている大仕事に比べたら、こんなこと些事だから…いう感じでしょうか。
『被害者』女性の胸の間にいる青トカゲ、絵がとても上手だったがために疑われることになってしまった丘朱之助。
いろいろ曰付きな人物ではあったものの、やっぱりかわいそうではありました。
真犯人は『共犯』だったんですけど、意外と2人の関係性が悪くて、「こんな調子だと、そのうちすぐに露見していたかもな」という感じではありました。
共犯の片方に役割が偏りすぎていた感じだったみたいで、「このままだと自分に全部なすりつけられるかもしれない」という恐怖があった様子。
共犯ってのも大変なんですねぇ。
『金田一少年の事件簿』の共犯モノだと『墓場島殺人事件』や『怪奇サーカスの殺人』、『獄門塾殺人事件』あたりを思い出しますが、どれもがっちり結束して犯行をしています。
だから、『飛騨からくり屋敷殺人事件』の猿彦的な感じ…の方が近いのかな。
死んでないけど。
最初の発見者ホテルのベルボーイ・山田三吉くんが殺されてしまったのはかわいそうでした。
(もちろん、殺された人はみんなかわいそうですけどね)
本当に偶然居合わせただけなのになぁ…と。
そのかたきをとってちゃんと役割を演じてくれた人が『存在』した、というのがよかったなと思いました。
Kindle Unlimited で読みました。
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