君のクイズ

小川哲さんの『君のクイズ』を読みました。
小川さんの小説は『嘘と正典』以来です。

嘘と正典
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明日から映画が公開されますね!
映画をやることを知って購入しました。
映画のキャッチコピー(?)が『【問題】クイズ番組の優勝者は、なぜ問題を1文字も聞かずに正解できたのか?』となっていて、「…え、この令和の時代に『幽遊白書』のことを聞かれてるの…?」と思ったの、私だけじゃないですよね…?
答えは、「バラバラに見せて実は法則があり、その公式を探し出すのに大体5問くらいかかる」かと思いました。
…『幽遊白書』のコミックス15巻、仙水編の『VS天沼月人』のことです。
でも、もちろんそうじゃないですよねー。
だったら『ヤラセ』的な感じかな、と思いながら読み始めました。

私自身もクイズは結構好きで、以前はクイズ番組もよく見ていました。
古くはファミコンにあった『ファミリークイズ 4人はライバル』というソフトも結構遊んでいましたねー。
15年前ぐらいまでは、ゲーセンで『クイズマジックアカデミー』も結構遊んでいました。
(ラスクを使っていました)
高校の時には「高校生クイズに出たいな」と思ったこともありましたが、部活の大会の日と重なっていたので出られませんでした。
まぁ、出ていても勝ち進めなかったと思いますけど。

ただ、この小説に書かれている『競技クイズ』というのは、そんなレベルとは一線を画すようですね。
クイズで生計を立てるまでに至っている人いますし、そうじゃなくても『趣味』と呼ぶ段階をはるかに超越した人もいます。
今回の小説を読んで『クイズ番組の裏側』みたいなものを初めて知ることができたので、そういう意味でもとてもおもしろい小説でした。

先にも書きましたが、『クイズ番組の優勝者は、なぜ問題を1文字も聞かずに正解できたのか?』という問題を提示した小説でした。
小説の中でも選択肢として2つ挙げられていて、一つは単純に『やらせ』だった場合、もう一つは何か凄まじい推測のもとそのクイズが出ると予想したしたという場合です。
もちろん前者だったら『ちっともおもしろくない』ので「後者なんだろうな」と思ったんですけど。
その謎を少しずつ解明して行く過程が、とてもおもしろかったです。

その最終問題の解答である『ママクリーニング小野寺よ』。
私は東北出身ではあるんですが、山形には住んだことなかったので、作中で言及されているような CM はまったく知りませんでした。
でも、本当に、本当にたまたま、楽天のこの店舗でクリーニングを頼んだことが5・6回あったんです。
その際に「山形の会社なのか」と思った記憶があります。
なので、「ひょっとして…」と。
クリーニングを頼んだときも「おもしろい名前だなー」と思っていたんですが、今回久しぶりに聞いて驚いてしまいました。
まぁ確かに、それこそ楽天などにも店舗がありますから、一応全国区ではあるかもしれないですが、でもそこまで有名ではないですよね。
絶妙なところを突いた回答だなーと思いました。
そして、この回答が出されるまでの様々な予測・憶測。
それがきちんと事実と綿密な計算に基づいて行われていて、そこに至るまでの思考回路も一緒にたどることができました。
圧巻、でしたね…。
たしかに、そう考えていけば、回答がこれになるというのもとても頷けました。

決勝戦での相手である本庄絆くん。
彼のそれまでの人生や思考パターンなんかが書かれていて、なんとも不思議な気持ちになります。
クイズ番組で優勝したからといって、ここまで細かく半生を描かれるというのもすごいなと思ってしまいました。
そもそもすごく頭のいい子で、ひきこもりの時に勉強して公認会計士の資格を取り、今は東大理3にいるわけで。
えっと、河野玄斗さんかな…?

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その上、『人から望まれた役割をきちんとこなす』という頭の良さ。
ある意味、いろいろ生きづらかっただろうな、と思ってしまいました。
彼の『真の目的』を聞いてしまって、何だか正直がっくりきてしまいましたけど。
けどまぁ、それでもここまで『周囲』を『育ててきた』という計画性は、本当にすごいなと思いました。
やっぱり、そういうことができる能力があるってことですよねー。
自分にはそういう能力がないので、純粋に尊敬してしまいます。

小説の中に「クイズの一番の魅力は、クイズが僕の人生を肯定してくれること」という分があります。
これ、なんだかすごくわかるような気がします。
クイズをやってるときぐらいじゃないと、あの「ピンポンピンポン」という音って聞けないですよね。
それを自分に対して鳴らしてもらえたというのは、確かに全肯定されているような気持ちにな理ます。
あとは、主人公の三島玲央くんが「間違えたら恥ずかしい」という気持ちを克服していく過程についてはなしているところ、そこも「なるほどなー」と感心してしまいました。
私はまだ「間違えたら恥ずかしい」という気持ちがあるから、これ以上はダメなんだろうなーと。
…別にいいですけど。

ちなみに、この本に出てきたクイズで私が答えられたのは、「モンスターたちの住む地底生活を舞台に~」の問題だけでした。
まぁ、これはね、ゲーマーならね。
元仙台市民ですが、『日和山』は知らなかった…!
あ、文庫版のおまけの『シリコンウェーハ』も知ってたか。

で、文庫版のおまけの『僕のクイズ』という短編。
『君のクイズ』と深い関係がある話ではなかったですが、これもなかなかおもしろかったです。
こうやって『出題者の意図を読む』(この場合は『プロモーション企業のねらい』)ことが必要なんですね。
いやー、本当に頭が疲れそうな業界ですね…。
こんなに深いものだとは知りませんでした。

映画は、チケットはすでに買っているので、再来週辺りに見に行こうと思っています。
多分、『廃用身』を先に見ることになると思いますので、その後に早めに見に行きたいです。

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映画もとっても楽しみです。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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