新川帆立さんの『元彼の遺言状』を読みました。
新川さんの小説は初めてです。
とてもおもしろく、サクッと読めてしまいました。
まず、主人公・麗子の性格がおもしろかったですね。
何と言うか、『拝金主義』すぎるというか。
『あおざくら 防衛大学校物語』の近藤くんを、もっとひどくしたような感じでしたねー。
近藤くんもかなりすごいはずなんですが、それ以上だと感じました。
まぁ、実際にいたら友達にはなれないかなーとは思いますけど。
でも、麗子はそんな性格でも、周りの人にはなんだかんだですごく恵まれているみたいでした。
最後にわかることですが、麗子は彼女の家族と不仲だと思いきやそんなことはなくて、父も母も彼女のことをちゃんと大事に思ってくれていました。
お兄さんもまたしかり、です。
職場の上司とも、途中で喧嘩して仲違いするかと思いきや、そんなこともなくて。
いい人に恵まれてるということは、麗子も結果としていい人なんでしょうね。
最初の方で出てきた『遺言状』が、まぁとんでもない内容で。
「なんでこうなるんだろう」と疑問を持ちながらも、その元彼がなぜ死んでしまったのかを解き明かしたくて読み進めていきました。
最初はただそれだけだったのに、途中から急にサスペンス調になってきて、元彼の弁護士(麗子ではない)は殺されてしまいます。
さすがの麗子も、自分の知り合いがが殺されたとなるとダメージがあったみたいで、そこはなんだか人間味を感じられてほっとしてしまいました。
最後の最後で真相が明かされて、「なるほどそういうつながりで今までのことが全部まとまっていくのかー」と感心しましたねー。
ただ、犯人については、未遂に終わってしまった最後の殺しを完遂できていたら、さすがに疑われるんじゃないかなと、余計な心配をしてしまったんですが…。
失意の自殺にでも見せかける予定だったんでしょうか?
さすがに疑われると思うんですが…。
彼女、口軽いから、犯人に会うということも誰かに言ってる可能性高いしね。
というか、その殺人の動機が、本筋には関わっているもののドンピシャじゃない、というところがまたおもしろかったですね。
「そんな理由で殺しちゃうのか…」と思いつつも。
そのちょっと前に上司を怒らせた件でもわかるように、男の人にとってはそういうものなのかなとも思いますね…。
先日読んだ『監禁依存症』の『所有物』的な発想でしょうか。

ドラマをやっていたのは知っていたので、主人公が綾瀬はるかさんだというのは分かっていました。
なので、綾瀬はるかさんで読んでいました。
ただ、亡くなった元彼が誰なのかは知らなかったので、なんとなく「ほわん」とした『イケメン』ということで、『スキップとローファー』の志摩くんを大人にした感じで読んでいました。
読み終わってからキャスト見たら生田斗真くんで、「なるほど彼ならこんな役柄もできそうだな」と思いつつも、「彼、結構筋肉質だよな」なんて余計な心配をしたりしました。
まぁ、お兄さんとの1人2役だったみたいで、「そんなに似てるんだなー、イケメン2人かー」という感じですね。
一番最後、麗子の1つ前の元彼に連絡を取ろうとするところで終わっていました。
この先どうなるのかな、という興味はすごくありますね。
確かに麗子と付き合えるのはその男性ぐらいかなと思います…ここまで突き抜けてるとなかなかねー。
なんとなく、『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬っぽいかな? とも思いますが…成瀬をもっともっとどぎつくした感じ、でしょうかねー。

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