有栖川有栖さんの『ロシア紅茶の謎』を読みました。
先日の『46番目の密室』と同じ『<国名シリーズ>』です。
今回は短編集でした。
短編っていうこともあるんですねー。
全部長編なんだと思っていました。
…と思って調べてみたら、むしろほとんどが短編なんですね!
最初は『動物園の暗号』。
火村先生の事件って、今回のように動機がまったく明かされないことがたまにあるんですけど、それはそれで潔いなといつも思ってしまいます。
今回は被害者が残した『メモ』、そこに書かれている『暗号』、というなんだかすごくそれっぽいシチュエーションの話でした。
まぁ、私には何のひらめきも落ちてきませんでしたけどねー。
ひらめきすら来なかった理由を知って、「まぁむべなるかな」と。
旅行しないですし、鉄道オタクでもないですし、まーわからないですよねー。
うちの息子は電車大好きなので聞いてみたんですが、わからなかったみたいです。
まぁ、今回の内容的に殺されたシチュエーションや凶器なんかは謎にはならないですから、犯人当てプラス暗号解読が主題だったんですけど、なかなか楽しめたと思います。
よく気づくなー…。
そもそもが『被害者が気まぐれで出した謎』だったというところから考えると、警察もがんばればいつかは犯人にたどり着けたでしょうけどね。
さすが火村先生、そして最後のオチもなかなかでした。
…『白鳥』『あずさ』といえば、私の年代だと『らんま1/2』ですよねー、シャルロット。
2つ目は『屋根裏の散歩者』。
今回は『推理モノ』というよりは『小休止的』な話でした。
ただ、犯人はもうすでに4人ぐらい殺しているようですし、捕まってよかったとは思います。
こればっかりは、火村先生の『現場主義』が功を奏したみたいですね。
よかったよかった、ただのピーピング・トムにならなくて…。
実祭に見てみないと、どの記号が誰なのかはきっと分からなかったでしょうね。
きっと、本人たちにもわからないし、いまだにわかっていないでしょうからね。
にしても、寝相って毎日同じなんですか?
私は横を向く時と上を向く時があるので、毎日同じ寝相ではないんですが、どうなんでしょう?
3つ目は『赤い稲妻』。
『青いイナズマ』なら大好きだったけど…と思いながら読んだ話。
後半、火村先生の怒涛の舌鋒鋭い指摘が続き、なかなかスリリングな展開でした。
しかし、火村先生の推理が正しいのだとすると、「こいつはかなりむごいことをしたんだな…」と思ってしまいますね…。
まさか生きていた、というのもなかなかすごい推理ですが、それを車もろとも…というのは、ぞわっとしました…。
まぁ、傑作だったのは最後の決め台詞ですかね。
思わず笑ってしまいました。
4つ目は『ルーンの導き』。
これはよくわからなくてとても困った話でした…。
ルーン文字が4つで、被害者の職業が出版関係だから、4といえば…っていうのは、なんというか、すごいこじつけなような気がして…。
『漢字』はわかるものの、それがその人の名前なのかどうなのか判別が少ないから、違う示し方をした、ということなんでしょうけど…。
やっぱり、最後アリスさんが言ったように、本を持っていた方がよっぽど分かりやすかったんじゃないかな、と思うんですけどね…。
そして、2回読んで思ったことは、「変な偽装工作しなければ疑われることはなかったのに」ということなのかな。
まぁ、それは犯人にとっても不幸でしたね。
火村先生は途中で「日本にはカタカナという便利なものがある」的な話をするんですが、それは私の前職での同僚の女性も言っていましたねー。
彼女は旦那さんの仕事の関係で中国に住んでいたそうです。
そのとき、ニュースなどで『外国語』(中国語以外の言葉)の言葉に当てる文字がないから、報道などで最初は各社が別々の当て字で無理やり書いていて、それが報道されてから時間が経っていくと徐々になんとなく寄ってきて、1つの漢字の組み合わせに落ち着く、みたいな流れになると言っていました。
「だから、カタカナのある日本語は本当に便利なんだよ」と。
…そんなことを思い出したんですけど、正直小説の内容は、まーよくわかんなかったです。
まぁ、この謎解きがもし仮にできなかったとしても、警察がそれぞれの人物の関係を深いところまで操作すれば、きっと犯人にたどり着けただろうとは思います。
火村先生は、その時間を大幅に短縮したという功績、と思っておけばいいのかな。
ほんとによくわかんなくて、『ルーンの杖』と上に書いた彼女のことを思い出したくらいでした。
5個目は表題作『ロシア紅茶の謎』。
前評判も良かったのでどんな話かと期待していたんですが、確かにおもしろかったです。
大胆な犯行に驚いたし、確かにこの犯人だったらそれができそうな気がしました。
細かい調整とか練習とかをしなさそうな人物だというところが、またおもしろかったです。
なんとなくですが、『金田一少年の事件簿』の『オペラ座館・第三の殺人』の湖月レオナのイメージでしたねー。
三鬼谷の手首を落とすところとか。
しかし、いくら練習していただろうとはいえ、犯行時は本当に気が気じゃなかったでしょうねー。
私だったら、多分体温とかすごく上がっちゃうでしょうし、いつもよりも「早くやらない」と焦ってしまって、結局うまくいかなくなるような気がします。
それか、どこに入れたか忘れちゃう…とか…いや、怖いわー。
今回集まった人たちは、全員被害者との間に何らかの確執があって、という意味では、動機を探す必要がなかったわけですけど。
しかしまぁ、良くもこんな『恨みを持つ人たちが一堂に会する行事』なんてやりますよね…。
何というか…厚顔無恥なのかな…?
怖くて参加できないわー。
最後は『八角形の罠』。
実際にこの話が舞台になった、ということでいいんでしょうか?
どんな風にやったのか、とっても興味がありますね!
作中劇的な感じなのかな。
イメージで言うと、『金田一少年の事件簿』の『異人館ホテル殺人事件』のミステリーナイトみたいな感じの催し物何でしょうか。
ああいう感じで『問題編』が終わった後に挑戦状が出て、そこからはみんな歩き回ってヒント探したりする感じなのかな、と想像しました。
そういうイベントに参加したことがないので、とっても興味があります。
今回は『2人目の犠牲者が死ぬ直前に喋った言葉からイメージをつける』的な発想が必要でしたが…、めちゃくちゃスルーしてたわー。
なるほどなぁ、と。
にしても、『劇団』というのはなんかこういう感じで『男女間のもつれ』的な話が出てきちゃいますね。
以前読んだ『霧越邸殺人事件』も、ちょっとそんな感じがあったような。
実際もそんなかんじなんでしょうか?
そういう友人知人がいないので…。
作中劇は『八角館の殺人』というらしいんですけど、それもまたおもしろかったですね。
これで9冊中2冊が終了です。
まだまだ続くのが嬉しいです。
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