一橋文哉さんの『モンスター 尼崎連続殺人事件の真実』を読みました。
一橋さんの本は初めてです。
定期的に、こういうノンフィクションのドキュメンタリーを読みたくなります。
やっぱり怖いんでしょうね、多分。
自分がこういう事件に巻き込まれたらどうしよう、どうすれば巻き込まれずに済むのか、それを知りたくて、こういう本を読むんだと思います。
そういう意味では、今回のこの一連の事件は本当に怖いものでした。
基本的には、資産家などの人たちがターゲットとして選ばれていたようなので、その点では不謹慎ですが少し安心してしまいました。
でも途中で、クレームに対応した駅員さんがターゲットなってしまい、これだと本当に避けようがないなと思ってしまいます。
一生を何のトラブルもなく平穏無事に過ごすなんて奇跡みたいなものかもしれませんが、こんな厄災級の事件に巻き込まれてしまったのは本当に不運だとしか言いようがなくて…。
尼崎連続殺人事件は、正直リアルタイムではあまり記憶にないんですが、『北九州監禁殺人事件』などと並んで凶悪犯罪として記憶に刻まれています。
しかも、主犯格の女性が逮捕後に自殺してしまったこともあり、すべて解明されることなく終わってしまいました。
さらに、その主犯格の女性が逮捕されてから自殺するまでに少し妙な動きをしていたらしく、そのためいろんなことが未だに疑われているようです。
ほんと、なんというか…闇が深いですね…。
先程も書きましたが、一番の関心事は『自分が巻き込まれないためにはどうしたらいいか』ということなんだと思いました。
怪しいもの・怖い存在には近寄らない、というのが一番いいのかもしれない、とは思うんですが…。
周りの環境なんかは、ある程度は選ぶことはできますが、完全にコントロールするのは不可能ですしね…。
というか、この主犯格の女性の生育環境がなかなか厳しいものだったことを知り、なんとも言えない気持ちになってしまいます。
その部分については、自分の責任ではないですからね…。
ある意味とても『魅力』のある女性だったようで、だからこそ彼女を慕ってともに行動する人たちも現れ、このような事件にまで発展してしまったんですね。
違う土壌で育っていたら、違う方向にその才能を活かせたのかもしれないな、なんて虚しい想像もしてしまいます。
主犯格の女性に多大な影響を与えた人物として『M』という男性が出てきます。
不思議なのは、彼だけイニシャルなんですよね…。
どうやらこの『M』氏もすでに亡くなっているようなんですが、それでもイニシャルのままなんだなー…と。
渦中にいた方々は、本当に日々生きた心地がしなかっただろうな、と思います。
大切な人が取り込まれていって、運良く逃げられたとしても追いかけられて捕まって、更にひどい目に合わされる。
現代の日本とは思えないような残酷な仕打ちもありました。
狙われた人を助けようと動いてくれた人たちもいましたが、警察とのやり取りでうまく行かずに結局、ということもあったようです。
これは、本当につらかったでしょうね…。
いろんな人の心に大きな傷を残した事件でした。
自分で選んでこの本を読んだんですが…まぁ当然ですが、読後に清涼感などは一切ありませんでした。
自分の平穏な日常への感謝の念は、ものすごく強まりましたが…。
事件について、私自身は完全に傍観者であるわけで、この本の内容がどこまで真実なのかは確かめようもありません。
この筆者の一橋さん、巻末の著者紹介で『本名など身元に関する個人情報はすべて非公開』とありまして、ものすごく怪しさ満点なんですが…。
でも、この本の内容や取材が広範囲に及ぶことなんかを考えると、「この人、こんなことまで書いて大丈夫なのかな…」と心配してしまうこともあり、仕方ないのかなとも思いました。
結局、目的としていた『巻き込まれない方法』なんかはわからずじまいではありました。
不安だけが残ってしまったのかもしれません。
でも、この本を読んだことで、なにか些細な違和感のようなものを感じられるようになっているといいな…と思います。
本当に怖いですね…。


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