ビブリア古書堂の事件手帖 IV ~扉子たちと継がれる道~

読んだ本

三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖 IV ~扉子たちと継がれる道~』を読みました。
三上さんの小説は『ビブリア古書堂の事件手帖 III ~扉子と虚ろな夢~』以来です。

ビブリア古書堂の事件手帖 III ~扉子と虚ろな夢~
三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖 III ~扉子と虚ろな夢~』を読みました。先日の続刊です。この巻ではいろんな人の狂気が感じられて怖かったです…。ここまでやるか…? と思うような。1つ1つの話はちょっとほっこりするようなこともあるんで...

自分としては、前作までは一気に読んでいて、今作からは追いかけていくような感じになりました。前作から2年も開いていたんですね…。追いかけ続けている人にとっては、さぞヤキモキした期間だったことでしょう…。このあとは、私もそのお仲間に加わるってことですねー。2年は長いなぁ。『本好きの下剋上』は年2冊くらいは出ていたのでね…。

前作は、智恵子の暗躍が不気味に光る一冊でした。最後に樋口くんの家の本が焼かれてしまったこともあり、狂気じみた感じがプンプンしていました。
扉子の代に替わってから、なんかずーっと不穏な感じがありますね。まぁ、栞子さんのときもずーーっと不穏な感じではあったので仕方ないのかな。一応、7巻の最後で丸く収まったっぽいから、こちらも続く限りは不穏な感じと共存していく必要がありそうですね。

資産家・兼井家のパーティに、栞子、智恵子、なぜか扉子までもが招待されていました。3人が3様に兼井家とつながりがあり、しかも奇妙なことにすべて夏目漱石と『鎌倉文庫』絡みでした。
扉子が親友の圭ちゃんと仲違いをしてしまった理由。智恵子が栞子の父・登と出会い、持ち込まれる『厄介事』に関わり始めたころの話。智恵子が出ていって父と妹と三人で古書店を支えていた頃の話。昭和・平成・令和でそれぞれ兼井家と篠川家は関わりを持っていました。一人の女性と3人のよく似た顔立ちの『少女』たちの奇妙な関係のお話です。

栞子・智恵子・扉子がそれぞれ高校生だったころ(扉子は現役ですが)の話となっていて、表紙の通り3人の女学生が『鎌倉文庫』をキーワードに進んでいきます。表紙は、立っているのが扉子、左の不敵な感じなのが智恵子、右の考え込んでいる感じなのが栞子、ってことでいいのかな。顔立ちは似ているけど、雰囲気は結構違いますね。キャッツ・アイの3人みたい。こっちは姉妹じゃなくて婆母娘ですけどね…。
智恵子から『野心』みたいなものを抜いたのが栞子、さらにそこから『心遣い』みたいなものを抜いたのが扉子、みたいな印象でした。扉子は今の世の中生きにくいかもね…まぁ、栞子さんもそうかもしれませんが、大輔くんに出会えてよかったですね…。

扉子の物語は樋口くん視点、栞子と智恵子の物語は父の登さん視点でした。3つの話の中では、智恵子の話が一番好きでした。あの恐ろしい女性(笑)にも当たり前だけど女子高生時代があったこと、そしてあまり今と変わっていないこと(笑)がおもしろかったです。どんな行動にも抜け目がなくて怖いわ。
栞子さんの物語の最後の最後で、少しだけ大輔くんが出てきたのが良かったですね。大輔くんは昔も大輔くんだったんだなぁ、と。

この本の物語はここで一応終わりですが、相変わらず智恵子の思惑が気になります。次は…本当にまた2年後なんですかね…。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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