万城目学さんの『ヒトコブラクダ層戦争』を読みました。
万城目さんの本は初めてです。
私にとて初めての作家さんで、しかも上下巻だし…と迷っていたんですが、Amazon のレビューのところに「おもしろかった」の文字が並んでいたので、それを信じて読んでみました。
…レビューを書いてくださった皆さん、ありがとう。本当におもしろかったです。読んでよかった。
上下巻の表紙がつながっていて、そこには大きくラクダの絵。青い服を来た女性、ライオン、肉食恐竜っぽい骨格、それから迷彩服を来た3人。どんな絵だよ、と思いましたが…この通りの話でしたね(笑)。
本当に不思議でスケールが大きく、何とも読後感の爽やかな小説でした。なんとなくですが、同じジャンルの作家は森見登美彦さんっていう感じかな? 私の勝手なイメージですが。
三つ子の男性が登場するのですが、彼らがそれぞれ3秒間だけ不思議な能力を発揮することができるです。長男の梵天は地面に埋まっているものを探ることができる。次男の梵地はどんな言語でも聞くことができる。三男の梵人は3秒先の未来が見える。どの能力がいいかなーって考えて、まぁ何に対して使うかで話が変わってくるなと思いました。そして彼らは、それぞれの能力を存分に発揮することができるような生き方をしていたました。
能力が寄ったのか、彼らが寄ったのかどうなんでしょうね? 幼い頃に気付いた能力だったから、彼らが自然に能力側に寄ったんでしょうか?
まぁ、学生時代私もスポーツをやっていたので、梵人の能力には魅力を感じますが、でも私のは陸上だからあんまり使えないかなーっていう感じですかね。無難に梵地の能力がいいかもしれませんねー。
途中で、なぜか測らずも自衛隊に入隊し、海外派遣に行くことになり、また不思議な人たちに拉致され、そこからさらによくわからない空間に連れて行かれました。三つ子はあらかじめほんの少しだけ知らされていたので、それなりに覚悟はできていたのかもしれないんですが、彼らの上官だった銀亀さんにとっては、本当に毎秒毎秒が想定外のことばっかりで本当に大変だったなだろうな…と思いました。
物語の終盤で梵人と銀亀さんのペアで最強のスナイパーコンビができて、しかもその時の銃声が「すだぁああん」という今まで聞い見ことがないような効果音だったのがすごく印象的でした。
最後の最後なんでこんな能力が身に着いたのかというオチもちゃんとつけられて、とってもスッキリしてしまいました。それぞれがちゃんと自分が望んだ道に行くことができて、能力も望んだ使い方ができるようになって、なんだかんだで大団円だなーって、不思議にすっきりしたの読了感だったなぁと思いました。すごく面白かったです。長かったけど、あっという間に読み終えた気がする。
読んだことのない作家さんの本は正直読み始めるのがすごく怖いんですけど、今回は本当に Amazon のレビューに助けられたなと思いました。買って本当に良かった。本当に面白かったです。こういう出会いっていいですよね。嬉しいなー。
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