ノッキンオン・ロックドドア2

読んだ本

青崎有吾さんの『ノッキンオン・ロックドドア2』を読みました。
先日の『ノッキンオン・ロックドドア』の続刊です。

今回も連作短編集で、6つの話が入っていました。
どうやらこれ以降の続刊はないみたいなので、ついにあの謎が…? という期待があります。

1つ目は『穴の開いた密室』。
人が殺されている密室の壁に、まさかの大穴が開いているという現場です。
密室じゃないじゃーん。
まー、毎回いろいろ考えるなぁ、と本当に驚きます。
この小説は登場人物が多くないもんですから、誰が犯人なのかはだいたい「勘」でわかってしまうんですけど、今回は公式にも『一番怪しい人』に惑わされて当てられませんでした…。
しかも、理由が「コレ」って…。
時代ですねぇ。
事務所のCMも、もっと視聴回数増えるといいですね…。
ただ、依頼にはあんまり繋がらなそうな感じがしますけど。

2つ目は『時計にまつわるいくつかの嘘』。
結局のところを、勝手にプレゼントを送りつけて、勘違いしたやつに殺されちゃった、という話でした。
恋愛ごとに関しては、外野からだといいか悪いかの判断なんかつかないわけで、本人たちが喧嘩しつつも「付き合っていたい」と思っているんだったら、もう放って置くしかないですよね…。
まぁ、自分の子供とか大切な人だったら、もっと深入りすると思いますけど。
で、思いを寄せているからと言って、それが受け入れられる確証も、まぁないですよね。
だからって逆上して殺していい訳も、当然ないです。
職場の上司だったので、ストーカーとしての対処はできなかったんでしょうけど、なんだかちょっとかわいそうだなと思ってしまいました。
いろいろ気も使ってたみたいですしね。
こういう話聞くと本当嫌な気持ちになりますね。
私も学生時代ちょっとつきまとわれたことがあったので、その頃のことを思い出したりします。
漠然とした『怖さ』みたいなのも、なんとなくですけど分かるので、本当に気の毒です。
まぁ、2ヶ月遅れだったとしても、サプライズパーティーをやってくれるような人なんだな、という驚きもありました。
なんだかんだで愛されてるっていうことなんじゃないかなー。
いいことですよ。

3つ目は『穿地警部補、事件です』。
いやーなかなか渋いです。
こういう展開も好きですねー。
穿地さんの過去が明らかになったのは、これが初めてですかね?
そして、今回2人組も推理が間違っていた、というのがまた良かったです(笑)。
彼女はあの年でもうすでに警部補ということなので、多分キャリア組ってことですかね?
事件を探偵に依頼してそのまま、という人ではないということが、今回の彼女の推理でわかりましたね。
彼女も当然頭が良くて聡明な女性でした。
なんだかちょっと安心しました。
駄菓子は美味しいよねー、私もたまに食べちゃいます。
…前回はストーカーの話、今回は準強姦、ですか。
本当に嫌な事件ばっかりですね。
なんで女だっていうだけで、こんなに嫌な目に会わなきゃいけないんでしょうかね。
男は男同士で勝手に盛ってろよ、と思ってしまいますが。

4つ目は『消える少女追う少女』。
なんというか…急に泣せてくるので本当に困っちゃいますね…。
2人は変な人たちだし、なんとなく距離感は掴みづらいですけど、でもとってもいい人なんだなと思いました。
表紙に描かれていた PAO はここで登場したのかー。
にしても、まず大前提が間違っている、というのはちょっと悔しかったです。
そりゃわからんわー、普通の名前だし。
まぁ、高校生ぐらいの時って、自分がわからなくなるみたいなことはあるかもしれないですね。
そういえば、私がちょうど高校のときに FF7 が流行ったので、「自分探し」的な言葉がよく使われていた頃でもありました。
それこそ誰か相談できる人が1人でもいればいいんですけどね…。
にしても随分お金のかかる『失踪計画』だったこと。
高校生なのに金持ちだな、と思ってしまいました。
今回は大学の時の教授も出てきました。
しかも、とても不思議な人でしたね…。

5つ目は『最も間抜けな溺死体』。
プライドが許さないからって、殺されたらたまったもんじゃないよなーと。
これは結局、粉かけたのに相手にされなかったというのが動機、ということでいいんでしょうか。
本当、つくづくそんなんで殺さないでほしいと思います。
確かに、状況だけ見ると、一番最初に披露された推理の『空のプールに飛び込んで頭を打ち、そのまま溺死』というのが思い浮かんでしまいますが、それはなんだか本当に間抜けだと思ってしまいます。
しかし、たまたまシャワーの温度が上がっていたのに気づいたのでそれが突破口になりましたけど、そうじゃなかったら完全犯罪になってしまいそうですね…。
『手紙』が届かなければまったく気づけなかった、ということもあったかもしれないですね。

最後は『ドアの鍵を開けるとき』。
いやー、全部終わりました。
今まで残っていた謎がスッキリしました。
たまに出てきていた『事件』は、こういう内容だったのか、と。
その『被害者』『犯人』は誰だったのか、きれいに片付きましたね。
悲しいけど、穿地ちゃん以外は全員真相がわかっていた、ということだったんですね…。
結局、課題の事件の結末がどうなったのかはよくわからなかったですけど、『4人』はまた集まることができました。
続刊は出ていないみたいなんですけど、ここで終わっちゃうんでしょうか?
御影くんは、結局その『職業』を続けるの? 足を洗うの?
気になることもありますが。
唐突に『ペンギン・ハイウェイ』が出てきたのにはびっくりしました(笑)。

全体的にビジュアルが想像できる話の展開で、とてもおもしろかったです。
ドラマ化されたのもわかるような気がします。
一話完結でわかりやすく、でも連作として謎も残しつつ、最後にはちゃんと解決されてスッキリ。
人が殺されているのでなんとも、という感じではありますが、子どもが読んでもおもしろいだろうな、という内容でした。
穿地ちゃんの駄菓子も毎回気になったし、みんなのキャラも立っていて良かったです。
ただー、名前が凝りすぎていて、Kindle の読み上げであんまりちゃんと読んでくれなかったのは残念ですねー。

もー、4人で仲良く探偵事務所すればいいのに!
きっと楽しいですよね。
でもまぁ、御影くんの今までの所業だと無理なのか…?

Kindle Unlimited で読みました。

[AD]ノッキンオン・ロックドドア2
さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

さちこをフォローする
読んだ本
シェアする
さちこをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました