宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証 第I部 事件 下』を読みました。
先日の『ソロモンの偽証 第I部 事件 上』の続刊です。
全6巻の2巻目です。
とにかくいろんなことが起きすぎていて、読んでる方もちょっとしんどいです。
他の並の小説がだったら「ちょっと風呂敷広げすぎじゃない…?」と心配になってしまいますが、そこは宮部さんだから安心というか。
映画見て内容知っているし、最後ちゃんと収束がつくということも分かっているので、なんとか読んでいられます。
どこに連れて行かれるか分からないと、結構しんどいですからね…。
まず、先生の告発状の件。
指紋を取るとか、郵便物の盗難とか、そういうことはすぐに想起されないものなんでしょうか?
この時代だと一般的じゃなかったのかな…。
若くてきれいな女性なんだし、今だったらそっち方面を疑うような気がします。
私だったら、「その郵便に私の指紋がないことを確かめてください」とか言っちゃいそうですけど。
まぁ、「手袋してたんじゃないの?」って言われたらそれまでですけど…。
外部の人間だから言えるのかもしれないですが、モリリン先生があまりにもかわいそうだなと思いました。
いくら若くてちょっと至らないないところがある先生だからと言って、「いきなり手紙を破棄することはないんじゃないの?」って、周りは思ってくれないものでしょうかねー。
そんなに信用がないものなのかね。
…あー、ないかもしれないけど…。
それから、松子ちゃんの件は本当にかわいそうでした。
きっと心を痛めて、最後の最後まで樹里のことを案じながら亡くなっていったんだろうなと思います。
映画では松子は富田望生さんが演じていました。
すごくよかったし、とてもかわいそうでした…。
対して、樹里の方は「なんて澱んだ子なんだろう」っていう印象です。
私が中学校の時にも、なんだかそういう屈折した子、いましたけど。
いましたけど、改めてこういう風に文字に起こされると、本当に嫌な気持ちになりますね…。
それから、大出グループの仲間割れからの転落事故も、大出家が火事になっておばあさんが亡くなった件も、表面だけ見てたら「あの学校呪われてる」としか思えなくなっちゃいます。
どれがどの程度結びついているものなのか、子供では知ることもできないし、大人だからって全部知ることもできないし。
ただ、その中でも生徒、特に柏木くんと同じクラスだった子たちは、本人たちは自覚してないかもしれないけど、ものすごく傷ついてるだろうということは想像できます。
自分がクラスメイトだったら、多分かなり情緒不安定になるんじゃないかなって。
一番多感な時期ですしね…。
高校生になると、もうちょっと大人になるような気もしますけど、一番バランスが悪い時期だと思います。
後は校長先生。
まぁ、大変ですよね。
「そういう時に責任を取るためにいい給料もらって役職も与えられてる」と言われたらそれまでですけど。
なんとなく人が良さそうな感じのイメージなので、きっとすごく心を痛めているでしょう。
全部おっ被されて戦犯みたいな感じで退場させられたのは、すごくかわいそうだなって思いました。
生徒の中に、その状況を理解してくれる子たちがいるっていうのは、救いではありますけどね。
一応、今回の下巻で『事件』っていう第一部が終わりました。
もう事件が起きないと思いたいんですが、どうだったかな…?
本当にたくさん過ぎて。
あー、あと、モリリン先生の隣の主婦・垣内美奈絵と樹里は、ちょーっとおいたが過ぎましたね…。
このままだと腹の虫が収まらなさそうですわ。
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