宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証 第I部 事件 上』を読みました。
宮部さんの小説は『昨日がなければ明日もない』以来です。
単行本で全3巻、文庫本で全6巻、Wikipedia によると原稿用紙4,700枚とのこと。
かなりの超大作です。
ちょーっと読むのをためらってしまう分量ですよね。
まぁ、私は Audible なので、気楽に聞いているだけでいいんですけどね。
いい時代になったものです…。
この『ソロモンの偽証』、未読なんですが2015年に映画化されたものは見ました。
なので、結論は薄ぼんやりと覚えています。
松子役が富田望生さんですよね。
その後2021年に WOWOW で再度映像化。
その時も、松子役が富田望生さんなんですよね。
20歳前後の年齢なのに、6年経ってもおんなじ役ができるなんて、女優さんってすごいですねー…。
さて、上でも書きましたが、文庫本で全6巻の大作です。
Audible 版は文庫本準拠のようなので、6つに分かれていました。
今回は、その1巻目です。
中学生の日常ってこんなに事件まみれなの? っていうぐらい嫌なことばっかりが連続して起きます。
…百歩譲って、学校で同級生が『自殺』したというのは、まぁ何と言うか不幸だったというか、仕方ないというか、ですけど。
同級生の札付きの3人組が他校の子に対して『強盗』(カツアゲ)をやらかすとか、図書館に勉強しに行ったら痴漢に付きまとわれるとか、もう怖いです。
自分が中学生のころに住んでいたところは何て平和だったんだろう、と改めて思いました。
物語に出てくる『城東区』というのは、どうやら江東区をモデルにした場所らしいです。
今私が住んでいるところからそんなに遠くないところのはずなんですが、そんなになんかぐちゃぐちゃした場所なのかな…と考えてしまいます…。
まあ小説だから…。
クリスマスの夜に中学生の柏木卓也くんが、彼が通っていた中学校の屋上から転落して亡くなります。
本巻の途中で、その柏木くん自殺についての説明会が学校で開催されたんですが…。
保護者ってあんなにいろいろ発言したりするもんなんだなぁ、と思いました。
自分がそういうのに参加したとして、なにか人前で発言する絵が思い浮かばない…。
娘が幼稚園のとき、担任だった先生が長期のお休みになってしまったときに、娘のクラスでも説明会が開かれたんですね。
担任の先生は結局長期のお休みの後に退職されてしまったんですが…。
その説明会でも、参加された一部の保護者の方が、ちょっと責めるような感じで幼稚園に対していろいろ言っていたのを見て驚きました。
幼稚園の内情を知っていて、かつそれに対して疑問なりを持っていないと怒れないと思うんですね。
私はどちらも持っていなかったので…。
このシーンを読んでいて、そんな気持ちを思い出しました。
私がこの場に行ったら、なんかキョロキョロして何も言えずに、でも席は一番前に座るみたいな感じで振る舞ってしまうと思います。
自分に害はないし、起きてしまったことについて責めても仕方ないし、って。
でもまぁ、人が死んでしまったような大きな事件だったら、そんなことも言ってらんないんでしょうか。
中学2年生って、何というか、一番くしゃくしゃした時期だから、そんな時にこんな大事件があったら、みんな浮き足立つと言うか、落ち着いてられないっていうのはわかるような気はします。
本人たちならば、ですけど。
森内先生の隣人の主婦・垣内美奈絵。
自身も大変だとは思いますが、だからと言ってそのヘイトを先生にぶつけるのはどうかと…。
自分が、自分だけが不幸だと思ってしまうと、どうしてもそうなってしまいますね。
気持ちもわからないではないですが、「もうちょっと肩の力を抜いて周りをよく見よう」と言ってあげたい気持ちになりました。
まぁ、言わないですけど。
垣内夫も、失敗したからすぐ切り捨てるってひどいですよね…。
『そういう女』しか捕まえられなかったアンタはどうなんだ? と問いただしたいです。
まあ、それはそれとして、モリリン先生もどうなんだろう? っていう部分は往々にしてありますけど…。
『事件(上)』というサブタイトル通り、モリモリな感じでいろんなことが畳み掛けるように起きました。
でも、また次も『事件(下)』なんですよね…。
まだ残り5巻もあります。
どういう風に流れていくのか、とても楽しみです。
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