忍足みかんさんの『#スマホの奴隷をやめたくて』を読みました。
忍足さんの本は初めてです。
この本、なんかのまとめサイトで『おすすめの本』として名前が上がっていたのを見たんです。
しかも、結構賛同する人が多くて。
『#』から始まってるし、キャッチーなタイトルだし、すぎうらゆうさんのイラストでかわいらしい感じだし、なんか若い子が「こうやってスマホをやめたよ!」みたいなハックが満載の本なのかと思っていました。
でも、全然違ったんですよね…。
実際、Amazon のレビューにも書いてありましたが、本当に重い。
樺沢先生がよく「高校生の平均スマホ時間が~」という話をされるんですが、「いやいや、そんなに見ないでしょう」と思っていました。
先生は「男子高校生はゲーム、女子高校生は SNS の割合が多い」とおっしゃっていたんですが、「SNS に何時間も費やすって、どういうこと?」と理解できていないこともありました(ゲームに費やす時間はわかる。ゲーマーなので)。
この本を読んで、なるほど意味がようやくわかったような気がします。
…本当に怖かったです。下手なホラー小説よりもよっぽど怖い。
忍足さんの『エッセイ』のような形式なので、彼女の『生い立ち』を彼女が語っている文体です。
なので、『私 = 忍足さん』です。
中高一貫校の高校時代から話が始まっています。
…中学受験をして一定レベル以上の子しか入れないはずの学校に通っている子なのに、こんなに歯止めが効かなくなるまでやっちゃうのか…と愕然としました。
私もガジェット・デバイスは好きな方なので結構使う方ではあると思うんですけど、そんなに承認欲求みたいなのはなかったので(むしろ人から知られずにひっそり暮らしたい)、ここまで中毒になるんだって怖かったです。
以前読んだ『映画を早送りで観る人たち』を思い出しました。
ある意味笑い話っぽいけど、多分全然笑えない人もたくさんいるんだろうな…と思いながら読み進めていました。
スマホは便利なツールから今やなくてはならないし、なくなったら本当に困るんですけど、「あえて集約させない」というのは納得できます。
目覚まし時計を別で買う人もたくさんいるようですしね。
…まぁ、私はスマホに繋いでいるスマートウォッチの振動で起きていますけど…。
あとは、確かに暇をつぶせなくなったというのがすごくあります。
ちょっとでも時間があるとスマホを出してしまいますね。
できれば Kindle を読むようにしようとは思っていますが。
学生時代は携帯電話をいじることもありましたが、本を読んだりボーっとしたりできていたのに。
まぁ、スマホに限らず、『i モード』出現のあたりからそうだったよな…とちょっと思いますけど。
就職した生命保険会社の描写は、以前読んだ『絶叫』がダブってきてちょっと怖かったです…。
保険の営業とか、私は絶対に無理だ…。すごいです。
待ち受け画面をゴキブリや貞子にするっていうのはすごくおもしろいなと思いました。
できれば真似したくないですが…。
できたらご褒美を与える、美味しいものを食べる的なゲーミフィケーションはよく見ますが、待ち受け画面が…とは。
もはや試練ですね。
確かに、本の少しの不快でもその行動が遠ざかることってあるから、なかなかに有効な手段だとは思います。
以前読んだ『佐藤ママ』さんの本で、「ゲームはエアコンのない部屋においてある」と書かれていたような気がしますが、そういう感じですかね…。
この先本当に何でもかんでもスマホに集約されていってしまうでしょうから、忍足さんはいつまで今の生活が遅れるのかな、という不安はあります。
余計なお世話だと思いますが。
そういう人たちでも生きていけるような余裕があればいいと思うんですけどね。
保険証とか、モメモメしてますからね。
改めてスマホのパワーって恐ろしい物があるんだな…と思ってしまいました。
まさに、『スマホ脳』などで言っていた「少しのドーパミンがコンスタントに与えられる状態」なんですね。
評判に違わずおもしろかったです。
怖かったけどね!
Kindle Unlimited で読みました。
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