横溝正史さんの『スペードの女王』を読みました。
横溝さんの小説は『夜の黒豹』以来です。
今回もこの長編1本。
なかなかにエロティックな話だったなぁ、と思います。
『内腿にスペードの女王の刺青がある』ということなんですけど、どのあたりなのかがいまいちよくわからなかったんですよね。
太ももを閉じたら見えないあたり、ということなんでしょうか?
今回も二転三転する感じで、なかなかおもしろかったです。
自分に似た人に、同じような刺青を彫って身代わりにしようとしたにもかかわらず、返り討ちにされた、ということなんですよね?
なかなかおもしろいと思いました。
ただ、結局は殺されてしまったわけですし、全然関係のない妹さんまで殺されてしまって、それはすごくかわいそうだったな…と。
そして今回、『オンリー』という単語を初めて知りました。
そういう意味があったかとびっくりです。
この時代ならではの職業…ですね。
しかも、「だんだんと格が落ちていく」というのが…なんだかすごく物悲しいです。
今でも『ルッキズム』とか『劣化』とか、そういうことを言われますが、この時代とはやっぱりちょっと違うよなと思いました。
『女性』がまだ『モノ』とのように扱われている感じがすごくしました。
『金田一耕助』の物語を読んでいて、何度かそう思いますね。
横溝正史さんを非難しているのではなく、当時はそういう時代だった、ということですね。
まぁ、やっぱりちょっと嫌な気持ちにはなります。
殺されてしまった妹の前田浜子さんは、そんな中でもがんばっていた女性だったと思うので、余計に悲しかったですね。
この『スペードの女王』は、横溝先生が何度もトライしていたという、いわゆる『顔のない死体』というヤツです。
あとの解説にも書いてありましたが、パターンがあまり多くないこの手の話の中で、いかに読者を飽きさせずに最後までもっていくか、というところに苦心していたらしいです。
それが、今回は「成り代わっただろう」と思いきや「そんなことなかった」という流れになったということですね。
本当におもしろかったなと思しました。
浜子さんが金田一さんに『手紙』を書いてくれていなかったら、結局どうなっていただろう…と思うと、ちょっと恐ろしいですね。
タイミング的に金田一さんに会う前に死んでしまっているわけなので、この手紙がなかったらうまく解決できなかっただろうな、と思ってしまいます。
あそこでちゃんと手紙を書いてくれたことが、本当に素晴らしかったんですけどね。
死んじゃいましたけどね…。
亡くなった彫師の彫亀さん、あのちょっとした『イタズラ』が、ラストで活きてきて良かったなと思いました。
Kindle Unlimited で読みました。
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