スイス時計の謎

読んだ本

有栖川有栖さんの『スイス時計の謎』を読みました。
先日の『マレー鉄道の謎』と同じ『<国名シリーズ>』です。

残り2冊、両方とも短編集です。
ここには4つ入っていました。

最初は『ある Y の悲劇』。
これはねー、『書き順』で犯人は当たりました。
動機は『騒音』だと思ったんですけど…それはハズレでしたね。
まさかそんな動機だったとは、と。
まぁ、それは当たらなくても仕方ないかなー。
しかし、日本語っていうのは本当おもしろいものだなとつくづく思います。
今まで難読苗字のご本人にはあまりあったことないかもしれません。
ただ、私も高校時代に数学の先生に、ずっと「ゆきこさん」と呼ばれていました。
(漢字がバレますね(笑))
最初は訂正していたんですが、最後の方はめんどくさくなって訂正しなくなりましたねー…。
ちなみに、その先生はいろんな人をいろんな間違い方してたので、みんな「そういう人」だと思って接していました。
ちょっと話がそれました。
にしても、何の偽装工作も施さずにそのままさらっと放って置くなんて、「つながりがない」と高をくくっていたからバレないと思ったってことでしょうか?
ちゃんと生死を確かめてなかったのかもしれませんが、生きていたらすぐに露見してしまうというのにねー。
その辺の、変に大胆なところは、やっぱり「ダメ。ゼッタイ。」を破ったために気が大きくなっていたがゆえなんでしょうか?

2つ目は『女彫刻家の首』。
首を切られる事件といえば、先日読んだ『方舟』や『生首に聞いてみろ』でしょうか。

『金田一少年の事件簿』でいえば『異人館村殺人事件』や、ちょっと違うけど『飛騨からくり屋敷殺人事件』、『魔術列車殺人事件』、『露西亜人形殺人事件』、あとは「歴代一悲惨」と名高い『雪霊伝説殺人事件』とかでしょうか。
…まぁ、まだあるような気がしますが。
どれも理由は様々ですが、今回のものと一番動機が近いのは『方舟』でしょうか…。
にしても、犯人本人は殺る気満々だったんでしょうからいいとしても、共犯者はアリバイ工作を手伝ったりして身の破滅だとは思わなかったんでしょうか?
まぁ、結果として本当に『身の破滅』になってしまったわけですが…。
結局、最後ははっきりしないまま終わってしまいましたが、「そのとおりの事件だった」ということでいいんでしょうか?
私も、美容院で髪切ってもらったあとに写真を取られますが、それを夫に伝えておいたほうがいいんでしょうか(笑)?

3つ目は『シャイロックの密室』。
これは図が欲しかったー。
トリックはなんとなくは分かったんですけど、『横木』に『銃』とか、ちょっとどういう状態か想像ができないから図解が欲しかったです。
なにしても、まぁ拳銃なんて触ったことがないから金属製しか思いつかなかったですし、その装置のお世話になったこともないから「そんなにすごい」というのも分からなかったですねー。
そばを通りかかっただけで傾くぐらい、そんなに強力なんですか?
さて、今回の場合はどうすれば火村先生に見抜かれなかったのか、と考えるんですけど、そうだなー。
『片手』じゃなくて『両手』にすればよかったとか、持って帰ったものをさっさと処分する(食べない)とか?
でも、なんだかんだいって見抜かれてしまいそうな気もしますね。
難しいなー。
ま、やっぱり私には向かないみたいですから、人を殺そうなんて思わないようにしようと思います。

最後は表題作『スイス時計の謎』。
アリスさんの高校の同級生の1人が殺されて、被害者と仲良くしていた同じクラブの人たちに疑いがかかる…というところから始まりました。
…その時点でなんだかもう胸が苦しいです。
アリスさんは、彼らとはそんなに親しい付き合いではなかったものの、全員と面識はありました。
相手方はアリスさんのことを知っていました。
…この時点ですごい疎外感です。
私自身、この年齢になって付き合いのある高校の友達は1人しかいないですし、同窓会なんてものやってるかどうかも知らないです…。
自分以外の人たちがこんなに仲良く未だに続いてるのを見ると、ちょっと悲しい気持ちになるかもなー。
まぁ仕方ないですけど。
最後の火村先生の怒涛の追い込み、相変わらずすごいなーと思いながら読んでいました。
よくある「嘘つき住人に正直村の場所を聞くクイズ」みたいなものが、何回何回も展開されていく感じで、正直よくわかんなくなってきました。
しかし貴族っぽいそのクラブといい、幼い感じの万能感といい、お揃いの高級時計といい、なんだか幼稚な女子っぽいな…と思ってしまいます。
それに、犯人の動機についてはちょっと悲しくなりましたね…。
そんなに頭のいい人なんだったら、もうちょっとなんとかならなかったかな、と…。
難しいんですかねー。

あとがきでは、やっぱり『生首に聞いてみろ』に触れられていました。
あと、最初の『ある Y の悲劇』ですが、以前読んだ『法月綸太郎の功績』の中の『イコール Y の悲劇』と同じ『出身地』だとのこと。

こういう裏話もとてもおもしろいですねー。

さて、次でこの『9冊合本版』も最後です。
心して読むことにします。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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