米澤穂信さんの『インシテミル』を読みました。
米澤さんの小説は『儚い羊たちの祝宴』以来です。
去年の『個人的 Audible 祭り』のとき、米澤さんの小説がたくさんあったのでかなり読んだんですが、私的米澤穂信代表作である『インシテミル』がなかったため、「久しぶりに読みたいな…」と思っていました。
で、今回 Kindle 版で購入して読みました。
以前読んだときは、今回の Kindle 版と同じ表紙の文庫版でした。
文庫版の発売が2010年だったようで、多分発売されてすぐに購入したと思います。
なので、15年ぶりぐらいの再読でした。
なんとなく覚えていたところもありましたし、すっかり忘れているところもありました。
あとは、その後に見た映画『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』と話がごちゃごちゃになってるところもあったりして、自分の中で混沌とした感じだったんですが、改めて今回読んでみてスッキリしました。
ずっと読みたいと思っていたので、読めてよかったです。
読み終えた時点で「あれ、棺桶に入って死んだふりするとかなかったっけ?」と思ったんですけど、それは映画版の話だったみたいですね。
今回は、やっぱりキャストを映画版で想像しながら読みました。
主人公の結城くんは藤原竜也さん、須和名さんは綾瀬はるかさん、関水ちゃんは石原さとみちゃんです。
…相変わらず藤原竜也さんはいろんなものに招待されて、いろんなことに巻き込まれていくキャラばかりだなぁ…と。
バトル・ロワイアルしかりカイジしかり。
綾瀬はるかさんの須和名さんは、ものすごくぴったりですね…。
改めて、須和名さんの『滞っている1本』って何なのかなと思いました。
読んでもやっぱりそこが分かリませんでした。
なので、ネットで他の人の感想を調べてみたんですが、「『お金』じゃなくて『人材』だったんじゃないか?」という考えが書いてあって、「なるほどな~!」と思いました。
それでいくと、一番最後にまた結城くんに招待状が届いているのにも納得がいきます。
まぁ、いくら落ちぶれたとはいえ、須和名さん『本人』が自分で何億も稼ぐというのは考えそうにないですもんね。
「(プレイヤーが)1人足りていない」という説には、大いに納得です。
逆に、関水ちゃんの10億円。
しかも、9億何千万ではダメで、10億円以上じゃないとダメ、と。
その金額は、どういう計算のもとはじき出されたものなんでしょうか?
最後まで読んでも、そこについてはわからなかったので、想像するしかないです。
…何でしょう、実はどこかの社長だった、とか?
それはないかな?
1つ気になるのは、この島に着いてから時給の計算方法・ボーナスの仕組みなどを教えてもらったはずなのに、そもそもどうして関水ちゃんはこのアルバイトに参加しようと思ったんでしょうか?
普通に考えて、どんなすごいアルバイトでも10億なんて無理ですよね。
10億を少しでも下回ったらダメなんですよね。
確かに11万円の時給というのは破格ですが、そもそも7日間いても1000万程度にしかならないわけですし、そこからどうやって10億稼ごうと思ったんでしょうか?
彼女も実は仕込みだったとか、あらかじめルールを知っていたとか?
そうじゃないと、この状況で「10億稼ごう」なんて思わないですよね?
その辺も、あまりよくわからなかったです。
まぁ、メタっぽく言ってしまえば、最後関水ちゃんを10億届かせるためのボーナス加点制度だったような気がしないでもないですね。
それは、運営マターなのか筆者マターなのかはわからないですが。
何と言うか、がっかりしたのは安東くんですねー。
結局『かませ犬』だったのは仕方ないんですが、最後の最後で無様だな…と。
あと、しかもあんなにしんどい目にあったのに450万弱かー…。
まぁ、もらえないよりはいいかもしれないですけど…。
で、この暗鬼館での出来事はリアルタイム中継されていて、『金持ちたちの道楽』に使われてた、ということでいいんでしょうか?
以前読んだ。貴志祐介さんの『クリムゾンの迷宮』も、結局はそういう話だったような気がします。
となると、お金が有り余って有り余って仕方ないというお金持ちたちは、最終的に『命のやり取り』を生で見たいという欲望を持ってしまうということなんでしょうかねー。
仮に一生働かなくても遊んで暮らせるお金があったとしても、人殺しの様子なんて絶対見たくない…。
『グラディエーター』の存在していた時代だったら、今みたいに『娯楽』がほとんどないので、そういう必死なやり取りとか見ておもしろがるという気持ちもわからなくはないです。
でも、この小説や『クリムゾンの迷宮』が発売になったあたりには、今ほどではないもののそれっぽい娯楽はそれなりにあったわけですから、そんなに人が死ぬところを見たいかなー…と思ってしまいます。
けどまぁ、いつの時代もこういう題材があるってことは、そうなんでしょうね。
今回改めて読んでみて、『インディアン人形』で「『そして誰もいなくなった』だな」とすぐわかるようになったんですが、15年前に読んだ時にはピンとこなかったです。
まぁかろうじて『金田一少年の事件簿』の『秘宝島殺人事件』、山童の人形が参加者の数置いてあるという設定でしたし、最後は猟銃が置いてあって殺し合いをさせようとしていましたから、そのあたりら「クローズドサークルは全滅あり」に気づけたかもしれないとは思います。
でもまー、やっぱり古典を読んでおくに越したことはないですね。
一番最後、関水ちゃんの『一振りのナイフ』。
想像としては、私も自殺かなと思ってしまいましたが、それであっているんでしょうか?
それ以上のことは何も書かれていないので、これからとんでもないことをしでかす可能性もあると思うと、ちょっと怖い気持ちもあります。
もちろん自殺なんてして欲しくはないですけど…。
ただまぁ、4人も殺してしまっているわけですしね…。
その気持ちもわからないでもないです。
岩井さんの気持ちもねー…。
ふとした時に思い出したりして恐怖する、ずっと罪悪感を持ち続ける。
この先ずっとそういう状況で一生暮らしていかないといけないと思うと、やっぱりきついですね。
法律的には、どうやったのかは知らないですけど、罪に問われないようですが、やっぱり罪悪感は残っているのでこれから生きていくのがしんどいです。
そういう意味では、以前読んだ『方舟』の最後、罪悪感なんてない感じでスッキリして出て行くところはすごいと思ってしまいます。
メンタルが違うってことなんでしょうかねー。
再読したいとずっと思っていたので、できて本当に良かったです。
おもしろかったです。






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