綾辻行人さんの『Another 上』を読みました。
綾辻さんの小説は『霧越邸殺人事件 下』以来です。
いやーーー、すごい話ですね…。
これ、リアルの学校だったら、地域どころか国を巻き込んだ大問題になりそうな話だなと思いながら読みました。
まずなんといっても、1年間1人の生徒を無視し続けるわけでしょう。
しかも、学校の先生も公認で。
たまたま鳴(メイ)がそういうのあんまり気にしなさそうな、そして自分がやるより自分がやられた方がいいっていう考えの、ある意味優しい子だったからよかったものの…。
これはなかなかひどいなと思いました。
私も、途中までは彼女は幽霊なんだろうって普通に思っていましたよ。
そうじゃなくてよかったなと思いつつも、やっぱりかわいそうだなと。
そりゃ、途中で嫌になっちゃう年もあるだろうなぁ。
そして、主人公の恒一くんも鳴と同じような目にこれからあっていく、というところで上巻が終りました。
なんというか、この段階で終わったとしても、後味は悪いけどすっきりはするなっていう内容ではあります。
でも、まだもう1巻分あるってことは、まだ何か起きるってことなんでしょうねー。
今のところでも、すでに5人ぐらい亡くなってますもんね…。
確かに呪われていますねー。
しかし、『家族にも内緒』となると、なかなか親は気付けないですね。
転校させちゃうのが一番簡単な解決方法だと思うんですが、子どもから話してもらえないとなかなか気づけないです。
中学生くらいになると、なかなかガッツリ話してもらえることもなくなっちゃいますし…。
こんな学校なんだったら、どうせ公立なんだし転校させちゃいたいですよ…。
気づけないとそれも無理ですからね。
悩ましいです。
教室変えようが何しようが、3年3組につきまとうみたいですからねー。
あとは、主人公の恒一くんの喋り方がどうも『ホテル』みたいと言うか、『気まぐれオレンジロード』みたいと言うか。
「〜なわけで」というしゃべり方が妙に気になる文体でした。
わざとこの年頃の男の子っぽく、という感じなんでしょうか。
恒一くんの方は期間限定って決まってるわけだから、ある程度は我慢できますかね。
そもそも、何と言うか東京から来た『異分子』なわけですから、まあここら辺は少し我慢すればそのうちいなくなれるわけですし。
となると、やっぱり鳴でですよね…。本当にかわいそうだなと思います…。
次の巻でもあんまりしんどい事が起きないといいんですが…。
まー、起きるでしょうねー…。
私が購入したのは『Another 上下合本版』でした。
上と下で分かれていた表紙が1枚になっています。
この表紙は…誰なんでしょうか…?
ChatGPT に聞いたところ、『鳴をイメージした装画的表現』と言われました。
なんか…すごくかわいいんですけど、ちょっと、いやかなり怖いですね…。
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