綾辻行人さんの『黒猫館の殺人』を読みました。
先日の『時計館の殺人 下』の続刊です。

まず最初に感じたのは、「リアルタイムの殺人事件に巻き込まれた話じゃなくて良かった」でした。
特にコナンくんは、前回の時計館のときにモロに巻き込まれていますし、後ろから殴られたりもしていますから、かなり身体的精神的ダメージを受けた状態でしょうからね…。
今回はそんな目に遭わなくてよかったなと、本当に心から思いました。
記憶喪失の鮎田さんについては、比較的早い段階から「この人が天羽博士なんだろうな」と当たりをつけていました。
だって、『屋敷の管理人をしている、ただの人』が、どうして死亡推定時刻を推理できるんだ、と。
まさにそこですよねー。
『天羽』という名字なので、なんとなくワールドトリガーの S 級の天羽さんを想像しながら読んでしまいました。
でも、彼の体内の臓器の配置が逆であること、ロリコンであることなどは、まったく思い至らなかったので、とてもびっくりです。
…『すべての臓器が逆』っていうのは、私が新卒で入った会社の先輩もそうだったんですよね。
なので、なんだか妙に懐かしく感じました。
1つ上の女性の先輩だったんですが、彼女も日常生活とかにはほとんど支障ないようで、普通に仕事されていました。
先輩は嵐のファンだったんですけど、深夜の嵐の番組にそのことで応募したら、大野くんが取材に来たそうです。
…うらやましい。
今何してますかねー、お元気ですかね?
ルイス・キャロルがロリコンだったというのは、正直かなりショックでした…。
そういう性癖の人の話は、女児の親としてはちょっと嫌だな…と思いますけど。

まぁ、ルイス・キャロルさんについてはあまり良く知らないですが。
作品も、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』ぐらいしか知らないです。
というか、ディズニー映画で見たくらいしか記憶にないので、話も正直かなり曖昧です。
『鏡の国のアリス』がチェスの世界の話だったっていうのも知らなかったです。
人間将棋みたいなことをやってた、ということなんでしょうか?
『黒猫館の場所』については、普通に近隣に立ってるのかな、なんて思っていました。
途中から「ここが北海道だから、ひょっとして沖縄とかかな?」ぐらいのイメージに変わりましたけど…、それどころじゃなかったですねー。
『それ』を知ってから思い返してみると、いろいろ納得できるところが多いな、となんだか腑に落ちた感じです。
『ミステリーではまず氷を疑え』というのは、先日読んだ『名探偵のままでいて』にも書かれていましたねー。

まさに「それだっ!」という感じでした。
『そこ』では「水の渦の逆回りになる」というのを聞いたことがあったので、「ひょっとしてソレに関係が?」と思いましたが、関係なかったですね(笑)。
まぁ、氷川くんについては、かなり不幸だったなとは思いました。
彼自身は、そんなものに参加したくなかったでしょうに。
無理やり退路を塞がれて引きずり込まれた感じでしたから、その点についてはとってもかわいそうだなと思いました。
その後、依存症にならなかったのならばといいんだけど…と。
でも、理性がない時の殺人はダメだけど、理性がある時の殺人は OK というロジックはよくわかんなかったです。
独特の倫理観ですね。
途中でコナンくんが、「(密室トリックなどは)まあどうにかしたんだろうな、という気分になってしまって、種明かしをされても「ふーん」としか思えない」と、モノローグで言っていました。
これ、わかります…。
私も見事にこれに当てはまりますねー。
エピローグの解決編では、普通に「タスマニアが~」とか「右についている心臓が~」なんて書かれていましたね。
やっぱり、意図的に『問題編』では隠していたということなんでしょうか?
仮に『事件の記憶』がなくなったとしても、今回のように『すべての記憶』がなくなるということは想定してなかったと思うんですけどね…。
だったらなんでそんな書き方をしたのかな、と。
やっぱり誰かに見せるつもりだったんじゃないかな、なんて考えてしまいますけどね。
ここで、合本版14冊のうちの7冊が終わりました。
前半終了です。
次の後半は『暗黒館の殺人』が4冊分になっているから、結構覚悟を決めて読まなければいけないですね。
後書きにもそう書いてありました。
まー、気合い入れて読まないとですね。
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