魔女の宅急便3 キキともうひとりの魔女

読んだ本

角野栄子さんの『魔女の宅急便3 キキともうひとりの魔女』を読みました。
先日の『魔女の宅急便2 キキと新しい魔法』の続刊です。

いやー、めちゃくちゃ泣かされたんですけど!
児童書なのでこういう展開になるだろうとは思っていましたが、まさかの号泣でした。

今回は、新しく『ケケ』という女の子が出てきました。
「『キキ』から『ケケ』かい、変な名前だなー」と思っていましたが、何というか、性格もぶっ飛んでいるというか…。
キキよりも年下だからつらくも当たれないですし(年下じゃなくてもだめですけど)、勝手にキキの部屋に居候始めちゃいましたし。
なんだか本当に『目の上のたんこぶ』という感じです。
いて欲しくないときにはいつもいるし、やって欲しくないこと全部やるしみたいな。
本当に嫌な存在でした。
しかも、他の人たちからはなんだか「破天荒だね」的な感じで好意的に受け入れられちゃう。
「彼女を嫌ってるのは自分だけか」と、ものすごい罪悪感に襲われて…。
なんか本当に、キキがかわいそうでした…。
そういうことって、ありませんか?
私にだけつらく当たる、みんなからの人気者、みたいな。
すごく嫌な感じ思ってしまって、そんな風に考える自分はすごく嫌な子なんじゃないか、みたいな。
そのまま、自分の大好きな人たちがどんどん奪われるんじゃないか。
そんな怖い気持ちにがんじがらめになること、私にもありました。
それで、自分もちょっと振る舞いを変えると、それはそれで周りから批判されたり、「ちょっとおかしいんじゃない?」って言われたり。
本当につらいことばっかり。

でも、もちろん、ケケもそこまで悪い子じゃありませんでした。
ある程度はわざとやっていて、本当は自分も満たされないものがあって…みたいな感じでした。
なので、最後の最後では『和解』というか理解し合えました。
でも、ケケはキキのもとから旅立ってしまいました。

キキが、自分の新しい一面やトンボさんに対する思いに気づいたシーンがありました。
そのときの『落っこちていく描写』が、なんかかなりスリリングでしたねー。
それを見たケケもびっくりしていて、さらにキキのお母さんにそのことを聞いたら、お母さんもまったく同じ体験をしていた…というのがおもしろかったです。
みんな『同じような道』をたどるんだけど、でもまったく同じ道ではないんですね。
それって我々の日常でも起きていることだなーって。
改めて、この物語はすごいな、と思いました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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