天樹征丸さんの『金田一くんの冒険 2 どくろ桜の呪い』を読みました。
天樹さんの小説は『金田一くんの冒険 1 からす島の怪事件』以来です。
『金田一くんの冒険』シリーズの第2弾なんですけど、結局これ以降は続刊がでていないんですよねー。
これがでたのが2018年なので、もうないのかなー…。
原作漫画でもたまに出てきていた『金田一くんの小学生・中学生時代の話』を、このシリーズで巻き取ってたくさん出してほしいところですが。
今回も、事件のずっと前に1人の男の子が亡くなってはいますが、この小説の中で誰かが亡くなったり殺されたり、ということはありません。
金田一くんたちが通う不動小学校の七不思議の一つ、『ドクロ先生』の謎を解き明かすという話です。
七不思議かー…その数年後に高校で『七不思議事件』に巻き込まれるとは知る由もなかった…という感じでしょうか。
今回、なななな、なんと『千家くん』が登場していました…!
こ、これはなんというサプライズ…!
千家くんといえば、『首吊り学園殺人事件』で初登場、おでこのほくろがチャームポイントの優等生キャラでした。
その後短編などにちょこちょこ出ていましたが、リニューアル後一発目の『魔犬の森の殺人』で犯人に降格(昇格?)、現在は(多分)服役中です。
不動小学校では生徒会長だったそうです。
やっぱり優等生で。
四ノ倉学園に通っていたし、弁護士になりたいって言っていましたもんね。
美雪のことを意識している描写もありました。
…思わぬ登場に泣きましたよ。
一方で、この『金田一くんの冒険』の『冒険クラブ』のメンバーには『草太くん』がいますが、彼は『天草財宝伝説殺人事件』からちらちら出始めたキャラクターでした。
『魔犬の森の殺人』の次の次が『天草財宝伝説殺人事件』ですから、千家くんが逮捕されたことで空いてしまった『金田一くんの友人ポジション』のために急遽作成されたキャラクターなのかな、と思っていました。
…佐木くん(2号)はあくまで『後輩ポジション』ですからね…。
『獄門塾殺人事件』では、いわゆる『容疑者リスト』に顔写真が載っていて、「千家くんの悲劇再び、か!?」とビクビクしたものです。
顔見知りの逮捕はもう嫌ですよね…。
あ、でも、井沢くんも犯人に降格したんでしたね…。
まー、草太くんは『37歳』でも金田一くんの飲み友達として存在しているので、話がまた『金田一少年』の時代に戻ったとしても『重大事件の犯人』になる可能性はなくなりましたけどねー。
まぁ、『37歳』以降では、まだその可能性はありますが…。
そんな彼との付き合いも、随分長かったんですねー。
そうそう、草太くんも美雪が好きなんですよね。
しかも、1回デート(未遂)もあったし。
事件の謎の方は、閉じ込めの一件からなんとなく『犯人』の予想はつきました。
ただ、まさか暗闇で一瞬にして考えてやっていたというのは、ほんとびっくりですね。
なかなかの演技力と機転の効かせっぷりです。
本編の漫画の『学園七不思議』の時も、蓋を開けてみれば昔の事件を暴露されたくないという身勝手な理由が犯行動機だったんですが、今回も結局タイムカプセルを開けて欲しくないという一人の身勝手な願いが生んだ『事件』でした。
ただ、小学生でそんな重荷を背負うことになってしまったのはかわいそうだなと思います。
子供の頃の思い込みって、意外とずっと引きずったりしますからね…。
でも、今回こうやって腹を割って話すことで、まったく恨まれてなかったということがわかって、本当によかったですね。
かわいい婚約者もいるわけですし、憂いをなくしてすっきりとした気持ちで幸せになってほしいなと思います。
まぁ、小学生に『閉じ込め』というトラウマを植え付けてしまったかもしれない事件は、ちょっと罪だなとは思いますけど。
でもまぁ、事件はスッキリ解決したことですし、その記憶があればトラウマにはならない…かな?
やっぱり2巻だけじゃ少ないですよねー。
でも、『青い鳥文庫』だとあまりターゲットに届かなくて出す意義がないと思っちゃったんでしょうか…?
漫画ももちろん大好きですが、文章で魅せる小説も大好きなので、これからもコンスタントに発表してほしいんですけどねー。
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