日向夏さんの『薬屋のひとりごと 16』を読みました。
以前読んだ『薬屋のひとりごと 15』の続刊です。
1年前でしたね!
長かった!
やっと続きが読めました。
あーー、楽しかったです。
今回の目玉、それはやっぱり『疱瘡』の話ですかね。
疱瘡といえば天然痘、『探偵学園 Q』の『神隠し村殺人事件』、いわゆる『ひょうたん村』の話にも出てきていたアレです。
天然痘は人類が初めて根絶したウィルス感染症ですが、そんなものがなかった時代や地方なんかだと、本当に恐ろしかったでしょうね…。
数年前の『新型コロナウィルス感染症』が流行したばかりの、見えないものにじわじわと蝕まれていくような感じを思い出しました。
…あの頃は、本当に怖かったですね…。
今回も、たった1巻分のはずなのに、いろんな事件が目まぐるしく起きて、本当に大変でした。
猫猫はいつも大変な思いしてるなぁとしみじみです。
流行りだした疱瘡を食い止めるために克用が起用されました。
彼は6巻、里樹(妃)と一緒にお出かけしていた帰りの船で初めて会って、それ以来チラチラ登場していた男性です。
顔の半分が疱瘡の痕に覆われている男性ですが、そんな彼にはとてもエグい過去がありました。
いやー…大変。
でも、彼の過去、2回聞く機会があったんですが、2回とも聞くとなんだか彼に対する『評価』が微妙に変わるんですよね…。
『村長』が「彭侯(ホウコウ、『こだま』のことだそうです)」と彼を呼んだの、本当にすごく的確な表現だなと思いました。
以前、勝間和代さんがおっしゃっていた人付き合いの『しっぺ返し戦略』というやつを、ものすごくものすごく極端にした例だと思うんですけど。
克用のバックグラウンドなんかを考えると仕方ないんだろうなとも思いますし、人間関係における戦略の1つだとは思うんですけどね。
いかんせん、克用がやると、その影響が大きすぎるっていうのが…ね。
以前、魚類学者のさかなクン(「さん」はいらないらしい)は、「(自分は)未知の毒を知っている(から、完全犯罪的に人を殺害できる)」とおっしゃっていました。
科学捜査でも、判明している毒しか鑑定できないそうですからねー。
ちょっと例が違うかもしれませんが、そういう『特殊な人』を怒らせてしまうと怖い、ってことですかね…。
他にも、今回はなんだか教科書的な症例が複数出てきました。
妾とその娘の騒動は、要するに『代理ミュンヒハウゼン症候群』っていうことですよね?
しかも、妾の『前科』からすると、その主人ももう長くないんだろうな…と。
怖い怖いー。
やっぱり『毒』は女性の犯罪なんですかねー。
それから、疱瘡の現場から戻ってきた妤さんの状態、『サバイバーズ・ギルト』的な感じでしょうかね…。
がんばっている人なので、元気になってほしいですが…。
ようやく姚さんと燕燕も羅漢邸を出ることを決めたみたいですが、直後に発生した羅半の誘拐騒ぎ。
羅半兄はついにトマトまで育て始めました。
本当に玄人農民ですね…。
猫猫は公にも壬氏様の専属医官みたいになっちゃいましたし。
まぁ、最後の方では彼女もそこで『充電』をするようになっていて、なんだかずいぶん変わったなとニヤッとしてしまいます。
一方で馬閃と里樹様ですが、彼らが『一悶着』を起こしたのが5巻とか6巻の辺りですから、もうそれから10巻以上経っています。
にも関わらず、未だにそんな初々しい感じというか、何も始まっていないというのが、本当に驚きです。
ある意味本当にミラクルですね。
素早く『既成事実』を作らないと、いろんな圧力でうまくいかなくなるような時代だと思うんですけどねぇ。
本人たち以外はみんなわかってるし、絶対うまくいくんでしょうから、ちゃっちゃとくっついてしまえよ、と思いますねーやっぱり。
だって、馬閃はもう22歳ですよね、逆に心配になってしまいます。
猫猫の「あなたが思っているよりもあなたの幸せを願っている人は多いんですよ」という言葉、本当ですよね…。
一応、この巻で『疱瘡』の関連のことは解決、ってことで大丈夫なんでしょうか?
次の巻まで引きずる感じですか?
気になりますね…。
以前の『蝗害』のような大騒動にならないといいんですけどね…。
村長も『いなくなった』わけですし、安心していいんでしょうか。
ま、その村長も、かわいそうっちゃかわいそうな人だったな、と。
今巻で私が一番グッときたのは、最後の猫猫と壬氏様の『不敬』…ではなく、小蘭からの手紙でした…。
彼女ももうすぐ17歳くらいでしょうか?
結婚ができるような歳ですし、手紙にも実際そんなことが書いてありましたね。
『子翠』のことも知らずに旅立ってしまいましたし、猫猫の小蘭に対する思いの吐露もあって、すごくジーンとしてしまいました。
彼女だけは、普通に、平凡に、幸せになってほしいなと思います。
次は…また1年後でしょうか…。
うーん待ち遠しいです。
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