横溝正史さんの『華やかな野獣』を読みました。
横溝さんの小説は『壺中美人』以来です。

今回は3つの話が入っていました。
最初は表題作『華やかな野獣』。
これは…なかなかいいご趣味で…、うーん。
こういうのって、今やったとしても犯罪にならないものなんでしょうか?
今回は、なんというか『特殊すぎる状況』だったのが、1周まわっておもしろかったです。
その場にいるほとんど全員が、いわゆる『兄弟姉妹』というか…。
そんな『ただれた状況』って、なかなかないですよね…。
金田一さんも、依頼されていたとはいえ、そんなところでボーイをやるのは複雑な気持ちだったんじゃないでしょうか。
「何も考えまい」という心境でしょうか。
殺人の状況もおもしろかったです。
「なんで現場にあるはずのものがないのか」というのは、以前読んだ『七つの仮面』の『猫館』と同じ原理でした。

ということで、『猫館』と同じく『お電話かわりました名探偵です』の『CASE2 誰かが大根を食べた』を思い出していました。

死体を『落とす』のではなく『上げる』という発想、思いつかなかったですねー。
そして、生きている・死んでいるの違いはあれど、スーツケースの中を調べなかったのは「手抜かり」と言われても仕方ないのでは…? と思ってしまいました。
そして、第2の被害者がね…。
なんというか、最期のこんな『所業』を同僚に知られてしまったのは、とってもかわいそうだな、と思いました。
一応、ちゃんと『仕事』自体はしていたわけですし。
あそこでマスクを取りに戻らなければ、死なずに済んだかもしれないのに…と思うと…ね。
というか、犯人が間抜けだな、と思ってしまいました。
クローゼット(?)に潜伏して機会を伺っていたのはいいとしても、うっかり「長引いて」しまったので2時間も籠もっていなければいけなかったし、しかも相手の絶倫ぶりを見せつけられてムラムラ・イライラさせられていますし(笑)。
終いには、侵入方法のせいで帰りに着る服がなくなっていますし。
こう書くと、全体的に間が抜けた感じがするんですけど、かなりおもしろい話だったなと思います。
一応『閉ざされた館』だったわけで、犯行現場への侵入経路と誰が犯人なのかというのが、結構意外でした。
でもまぁ、こういうイベントだと、そういう『薬物』はつきものになってしまうでしょうねぇ。
結局、「ただれたイベントはやめたほうがいい」ということなんでしょうね。
2つ目は『暗闇の中の猫』。
久しぶりにまた義眼が出てきました。
やっぱり時代的なものなんでしょうかねぇ。
あと、時代的に青酸カリも手に入りやすかったんでしょうし、『オパールの指輪』の仕掛けも時代を感じました。
「なにかあったら最後はそれを」と育てられる女性がいた時代、ということなのかなと思ったんですけど、どうなんでしょう。
『蝋マッチが暗闇で光る』というのがよくわからなかったんです。
Gemini に聞いたところ、「蝋マッチに入っているリンは、摩擦などで簡単に発火する性質なので、ジャケットを急に動かしたときの摩擦で光ったのでは」とのことでした。
なるほどなー。
『リン』といえば『金田一少年の事件簿』の『魔術列車殺人事件』、一番最後のピエロ左近寺のやつですね…。
今回は、比較的『エピソード0』に近い話だったようでおもしろかったです。
にしても、金田一さんはよく変装しますね。
最後は『睡れる花嫁』。
これは、『人面瘡』に入っていた『睡れる花嫁』と同じでした。

最近の『貸しボート十三号』の『湖泥』も、『死神の矢』の『蝙蝠と蛞蝓』も、この『人面瘡』に入っていたものでした。


やっぱり『人面瘡』にはなにかがあるんでしょうか? たまたま名作揃いだっただけ?
やっぱり、短いながらもインパクトがあって、入れ替わりや死体のすり替えはやっぱりおもしろかったです。
そういえば、これも『壺中美人』と同じ、性別を変えているパターンでしたねー。
Kindle Unlimited で読みました。
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