杉山登志郎さんの『発達障害のいま』を読みました。
杉山さんの本は『発達障害の子どもたち』以来です。

あとがきにも書かれていたんですが、前作の『発達障害の子どもたち』に比べるとちょっと難しい内容だったように思います。
『発達障害の子どもたち』も、結構難しめではあったんですけどね…。
調薬のことや治療法のことなんかが結構細かく書かれている箇所もあったので、正直よくわからなかった部分もかなりあります。
『EMDR』という、私のような素人からすると「催眠術?」と思うような方法についても書かれていました。
「効果はばつぐん」のようなんですけど、どうしても「本当にこんなに効くの…?」と思ってしまう部分はありますね…。
まぁ、素人が実施できるものではないようですし、保険診療外ですし、発達障害にも効くみたいなんですけど、『トラウマ』を含む症例に有効とのことなので、うちの息子には関係ないのかな…とも思いました。
しかし、『発達障害』と『虐待』や『トラウマ』にこんなに相関があるなんて驚きました。
たしかに、発達障害の子どもは育てにくいことが多いでしょうから、ともすれば虐待が起こってしまいそうだというのは想像に難くないです。
まぁ、子どもも親もかわいそうだな、とも思います。
けど、トラウマレベルにまでなってしまうのはな…自分も気をつけないといけないなと思いました。
途中で、『自閉症スペクトラムをはじめとする認知の凸凹は年齢が高い父親においてリスクが上がるのである』と出てきました。
ここらへんは「なるほどなー」という感じだったんですが、次に『アラサーになって、少し婚期が遅れ、子どもが心配という女性の場合も全然 OK なのだ。若い男性をゲットすればよいのだ』と続いたとき、「急に砕けてきたな!」とびっくりしました(笑)。
杉山先生は意外とフランクな方なんでしょうか…、ちょっとほんわかしました。
まー、以前「羊水が腐る」的な一連の騒動がありましたが、「女性だけが悪いんじゃないんだよ」ということも、もっと広まってほしいと思いますね…。
けどまぁ、『アラサー』で『少し婚期が遅れ』と取られるんですね、やっぱり…。
私は32歳で息子を、37歳で娘を生みましたし、夫は2歳上なので、杉山先生的にはアウトでしょうかね…。
最終章に『(療育)は名人による名人技ではなく、ごく普通の両親、保育士さんが可能なパッケージでなくてはならない』とありました。
以前『自閉スペクトラム症』を読んだときに感じた絶望が、この先回収されるといいなと思います…。

特定の『お金と時間に余裕がある人だけが特別にできる療育方法』ではなく、『パッケージ』としてある程度手軽にできるようになればいいなと思います。
でも、そういう世の中になるのはいつになるんでしょうかね…。
本書は『さまざまな発達凸凹がむしろ社会を支える原動力になる時代が来ることを祈りたい』という言葉で締められていました。
本当に、本当にまさにその通りですね…。
この本は10年以上前に書かれたものです。
ここ最近は少し変わってきているような気もしますが、私の娘(現在小2)が母親になる頃には、もうちょっとちゃんと体系化された世の中になっているといいなと思います。
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