法月綸太郎さんの『生首に聞いてみろ』を読みました。
法月さんの小説は『ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版』以来です。

いやーーーー…。
なんとも後味の悪い話でしたねー…。
あ、もちろん褒め言葉ですけどね。
なんというか、登場人物みんながみんな何か足りなくて、それで被害が拡大した、という印象でした。
殺されてしまった江知佳ちゃんも、もうちょっとちゃんと別の人に説明なり相談なりをしていれば、殺されずに済んだかもしれないな、と。
彫刻家で江知佳ちゃんのお父さん・川島さんも、弟さんと一方的に絶縁しないでちゃんとに詳細を聞いていれば、悲劇は起きなかったかもしれないなー…。
宇佐見と堂本はどうでもいいとしても、みんながみんな言葉足らずで、そしてそれが悲しい結末を引き寄せてしまったように思いました。
そして、確かに法月さんがもうちょっと何か違う策を講じていたら、江知佳ちゃんが殺されるのは防げたかもしれないな…というのが、本当に悔しいですね。
電話の件とか、本当にほんのちょっとの差だったし…。
まぁ、もちろん彼一人のせいではまったくなく、みんながみんな少しずつ悪いという感じでした。
先程も書きましたが、もうちょっと他の人に相談なりなんなりしていれば、全然違う話になったかもしれないですね。
…まぁ、小説なんですけどね。
途中で『マグネット式の入れ歯』の話が、結構唐突な感じで出てきました。
「これだけ長々と語るんだから、何か事件に関係あるんだろうな」と思って、読みながらずっと考えていたんですよねー。
「彫刻の首をマグネットで固定してた…とか?」なんて思ったんですが、全然当たっていなかったですねー(笑)。
最後の最後で「なるほどねー」と納得でした。
『義弟』というフレーズが出てきました。
真っ先に思いついたのが、やっぱり川島敦志さんの方でした…。
「うへっ」って変な声が出て、その後彼の今までのことがいろいろ思い出されて…。
イヤーな気分になったわけですが…。
なので、その直後に別の人が逮捕されたときには本当、本当にびっくりして…、ようやく『義弟』はもうひとりいる、ということに思い当たったわけです。
川島氏には、本当に申し訳なく思います、すみませんでした。
…私は相変わらず良いお客さんだなーと思いましたね…。
この小説を読んで、2つ気になることがあるんですよね。
いや、この小説にはまったく関係のない話なんですが。
1つ目は、『デスマスク』をモチーフにしている東野圭吾さんの作品があったな…ということです。
私、それをずっと『ダイイング・アイ』だと思っていたんですが、どうやら違うみたい…?
検索しても『ゲームの名は誘拐』か、ガリレオの『転写る(うつる)』だって出るんですが…そうだっけ?
なんというか、「石膏型取りの時に瞳をどうするか」問題みたいな話だったような気がするんですが…。
何の話だったかなぁ…。
東野さんの本はほとんど Kindle 化されていないもので、なかなか読み返しもできない…。

物理本(?)もまだ手元に残っていますけど、検索できないですもんねぇ…。
もう1つ。
なんか『自分の保険証を相手に貸して病院を受診させ、その相手が殺害されたあとその保険証の持ち主だと誤認させる』みたいな話があったような気がするんですが、それもずっと思い出せないんですよ…。
『保険証』じゃなかったかもしれないけど、なんか公的な書類的ななにかです。
何の話だったかなー…思い出せないのが悔しいというか歯がゆいというか。
Amazon のレビューではあんまり評価が高くないみたいなんですが。
というか、なんか強烈な『アンチ』の方がちらほらいらっしゃいますかね…?
有名な作家さんとなると、いろいろ大変なんですね…。
タイトルも『生首に聞いてみろ』って、インパクトのある怖い感じですし、表紙もちょっと怖い感じです。
この女性は江知佳ちゃんなの…?
いろいろとホラーっぽい要素が散りばめられていたので、読むのを結構迷ったんですけど、やっぱりおもしろかったです。
『第5回本格ミステリ大賞受賞作』とのことで、評判に違わぬ感じでした。
Amazon レビューだけ気にしてたら見逃しちゃってたかもしれないですね。
えり好みせずに読んでみることも大切ですねー。
Kindle Unlimited で読みました。
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