支倉凍砂さんの『狼と香辛料 XXIII Spring Log VI』を読みました。
今回も短編集です。収録は4本。
はじめの『狼と宝石の海』は、
村の功労者を思う村人たちとその功労者本人の気持ちとが
うまく噛み合っていないために起きてしまった話です。
ここ最近は、エルサ以外は変な聖職者にしか会っていないような気がしていたので、
ちゃんと務められる人がいてくれると安心します。
にしても、全然関係ないんですが、
この出来事が起きた場所である『サロニア』と聞くと竜騎士になって
ガルーダと戦うシーンばかり思い浮かんでしまいます…。
次は『狼と実りの夏』、コルとミューリが旅立つ前の話です。
かなり短い話ですが、
ここに出てくるのは『マメザヤタケ』というきのこらしいんですが、
確かにちょっとビビるかもしれない…。
そして、コルに抱きつくミューリはかわいいですね。
コルもそろそろ諦めたらいいんだと思います。
『狼とかつての猟犬のため息』はホロの悩みの回です。
ホロは定期的に悩みますね~。
愛されすぎていると不安になるんでしょうか?
ロレンスは今回旅に出てからというもの、
いろんな人たちの問題を解決してきました。
それは毎回ホロがライフワークとして記すようなものばかりですが、
喜々として問題を解決するロレンスに複雑な思いを抱いているようです。
やはり、彼が商人として大成する道を断ってしまったのは
自分なのではないか、と。
そんなことはない、と何度もロレンスは伝えているはずなんですがね~。
彼の優しさに、逆に苦しめられているようですね。
それでも、今回もちゃんと2人の絆は深まったようです。
最後の『狼と夜明けの色』は楽しい旅の隙間の話。
しばらく行動をともにしていたエルサやターニャと別れ、
急に静かになってしまいました。
ロレンスがホロに世話を焼きすぎて、
ホロは感謝しつつもちょっと飽きてきていたようです。
そんなホロが、どんな日々でも楽しい、と。
末永く幸せであり続けるために、
なにもない日があってもいいってことですね。
贅沢な悩みかもしれませんが、息切れしないことも大切ですよね。
次巻も楽しみです。
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