雫井脩介さんの『犯人に告ぐ3 紅の影 上』を読みました。
先日の『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 下』の続刊です。
『犯人に告ぐ』シリーズ第3弾です。
なるほど、やっぱりこういう感じで、巻島さんの好敵手にリップマンまたはワイズマンを仕立てるというのが『犯人に告ぐ 2』の目的だったんでしょうねー。
『犯人に告ぐ 1』のバットマンの時よりも、より深い犯人側の描写が多いなと思っていましたが、こういう意味だったのか、と納得です。
しかも、2からはまだ2週間程度しか経ってない、と…。
巻島さん、疲れちゃいますね…。
こんなにハードなんですか、警察って。
大事件が立て続けに起きることも、まぁあり得るんでしょうけど。
平和に暮らしたい私には、やっぱり無理だなと思います。
(小学生の時は警察官に憧れていました)
新しい登場人物として、渉という男が登場しました。
初登場時には凄んでみせたものの、淡野から一発入れられてすんなり戦意喪失し、その後は淡野の弟分になった、という典型的な小悪党って感じの男です。
顔や目つきが淡野にずいぶん似ているらしくて、それで職質もかわしていました。
最後は彼が身代わりで逮捕されるんじゃないかと思うと、ちょっと悲しい感じをするけど…仕方ないのかな。
リップマンこと淡野にもやっぱりいろいろ悲しい生い立ちがあるっぽかったです。
それでもまぁ、少なくても1人は殺してるし、暴力性もあるし、振り込め詐欺やらなんやらですごい金額荒稼ぎしているわけだし、重罪人ですけど。
生い立ちが普通だったら…と思ってしまうことも確かです。
そのへんは、以前読んだ『未明の砦』を思い出します。
でも、『未明の砦』の彼らは、警察にマークされ追いかけられはしたけど、『悪いこと』はしてないはず。
生い立ちが不幸な人が全員犯罪者になったわけじゃないですから。
そしてやっぱりネッテレの社長が、ねー。
今回はまた、ものすごくだいそれたことを企みましたね…。
これが成功しちゃったら、犯罪者がこの国で大きな顔をしてビジネスやってることになってしまうから、何としてでも巻島さんには止めてもらいたいなと思います。
淡野に騙された『ふり』をしていたおばあちゃん、なんか悲しいですね…。
おばあちゃんも、淡野も。
まぁ何だろう、『かなり高めの訪問型専属ホスト』だと思えば、1回50万ぐらいは払えるって感じなんでしょうか。
ホストクラブに行ったことはないんですが、貢げば1回でそれぐらいには軽くなっちゃうんですよね?
まぁ、そんな感じで付き合ってたのかもしれないですね。
多分、楽しかったんでしょうしね…。
やっぱり、年の功っていうのはこういうことなのかな。
なんかちょっと違うか。
しかし、また小川くんはニアミスしまくっていますね!
本当に憎めないというか癒し系というか…。
ここに『鋭さ』が加わってしまったら、小川くんじゃなくなっちゃうしなー、という気持ちもあります。
つらいところですね(笑)。
しかし、ワイズマンとリップマンの間で、これまでの犯罪歴を何か『輝かしい戦歴』のようにして語り合っているところは、正直虫唾が走りました。
それらがみんな、他の人の苦しみや悲しみの上に成り立ってるということを考えていないから、本当にヘドが出ます。
真っ当な方法でちゃんと稼いでる人もいるのに。
その才能、もったいないなと思うんですけどね。
なんだかなー。
今回の手法は『犯人に告ぐ1』の時のようなテレビを使ったものですが、ネット専用の放送局だとのこと。
AbemaTV みたいな感じのものってことですかね?
そのネット放送局の中の報道番組に出ることになりました。
また、それも『時代』って感じでなんかいいですね。
私は実際にネットの放送局の番組を見たことないんですが、『アバター』で参加したりとかっていうのもなるほどなーと思います。
今回、「リップマンがアバターで報道番組に登場した」というところで終わりました。
すごい話ですね…このあとどうなるのか、本当に楽しみです。
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