犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 下

読んだ本

雫井脩介さんの『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 下』を読みました。
先日の『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 上』の続刊です。

犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 上
雫井脩介さんの『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 上』を読みました。先日の『犯人に告ぐ 下』の続刊です。 犯人に告ぐシリーズの第2弾です。今回も前回のようにテレビを使った公開捜査的な感じなのかと思いきや…またちょっと趣向が違う感じでした。しかも今回

前回の上巻では、主に犯人側の動きを描いている感じでした。
1回目の誘拐、一見不発に終わったように見せかけて、実は裏で取引が成功していました。
2回目の誘拐、父子が拐かされましたが、父だけが開放されました。
関わっているのは『リップマン』と呼ばれる男・淡野、そして彼を慕う砂山兄弟。
彼らが誘拐をビジネスとして昇華させることができるか、巻島刑事がそれを阻止できるか、そんなところで終わっていました。

そして下巻。
…リップマンは逮捕できなかったかー。
そこはとっても残念でした。
でも、なんかそんな予感はありましたね…。
『金田一少年の事件簿』で言うところの『地獄の傀儡師』的な、ずっと追いかけ続ける相手として位置づける感じですかね?
砂山兄弟は最後に悲しい感じになってしまいましたが…まあそれも犯罪の報いだと思えば仕方ないです。
この日本で、『誘拐ビジネス』なんて成立させてはいけない。
やっぱりそれを未然に防げた巻島さんに、最大限の敬意を払いたいです。
ありがたい。
子供が自分たちだけで登校できるような平和な国、それを守ってくれてる警察官の方々には、日々本当に頭が上がらないですね…。

それにしても、リップマンこと淡野は本当に賢い人なんでしょうねー。
先回りしてプラン B・プラン Cまでも用意できるような頭の良さ。
犯罪なんかに加担せずちゃんと自分のビジネスをやっていたら、きっと成功しただろうと思うのに…。
すごくもったいないなと思ってしまいます。
ただ、砂山・兄の方が感じていた『絆』みたいなものは、淡野には感じられなかったんだろうな…。
砂山兄弟の一方的な片思いだったのか、それとも淡野がそもそもそういう感情を持ちにくい人物なのか…。
まぁ、ちょっと悲しいですけど、それでも少しは仲間意識のようなものはあったんですよね、きっと。 

今回も小川くんが活躍するのかなと思いきや…全然しなかったね…。
残念でした。
張り込み中に寝るって…ちょっとさすがに緊張感なさすぎたろうと思ってしまいました。
頭ぶん殴られる程度で終わって良かったね、と。

にしても、なるほど誘拐ビジネスが成立する裏側っていうのはこんな感じなんだろうな、と思いました。
お金を払ってしまった方が、人質が返ってくる可能性が格段に高いと判断できる。
確かにそういう状況だったら、払ってしまうのかもしれないですね。
企業にとって2・3000万ぐらいだったら全然払えそうな金額でしょうし。
でもまぁ、今回の1億円の金塊はすごいなと思いました。 

確かにまぁ、誰も傷ついてないと言えば傷ついてないし、「そんなことで1億円手に入るんだったら」と思ってしまうゲーム感覚も、まあ分からないでもないです。
「自分の頭脳がどれぐらいなのかを試したい」っていう気持ちも、まぁゲーム感覚ですよね。
けどやっぱり、誘拐されてた子は1週間以上すごく心細かったでしょうし、無事に帰れて良かったと思います。
従業員が一生懸命働いて稼いだお金をそんな奴らに持っていかれるのも業腹です、やっぱり。
元を正せばその『ミナト堂』の新卒の内定辞退の問題、そのときもうちょっと誠意のある対応をしていれば良かったのかな、とも思ってしまいますが…。
でもそれは今の社長ではないですし、逆恨みも良いところだよなーと思ってしまいます。
国際問題でも、しょっちゅうそうやって絡まれてるじゃないですか、日本は。
そんなに遡ってずっと恨まれ続けなきゃいけないのか、といつも憤っていますけど。
恨みがあるならぜひ本人に、と言いたいです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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